魚沼通信
2019年5月号
新元号決定
令和元年産の米作りスタート
テキスト
天皇の退位等に関する皇室典範特例を踏まえ、世の中は10連休を迎え、日本中が祝賀ムードに包まれる中、魚沼の農業は例年と変わることなく令和元年産の米作りに向けて作業がスタートしました。
浸種作業により、冬眠していた種もみにたっぷりと水を吸わせて目覚めさせ、催芽(芽出し)した種もみを、30℃のお湯に丸一日浸けて発芽させます。
種もみは育苗センターの機械化された播種器で育苗箱に『すじまき』(種まき)を行い、1時間に1,900枚、1日で10,800枚、合計約12万箱の種をまきます。
種まきから約3日で種もみは芽を出し、その後、育苗ハウスに並べ育てます。田植え前の苗は人間で言えばまだ赤ちゃんです。ハウス内の温度に気をつけ、日光に当てながら少しずつ外の空気に慣らし、水や肥料を与え大事に育てます。
苗は約20日間で太くてずんぐりした良い苗になり、田植えを今か今かと待ちます。
機械化された「すじまき」
一方で農家さんは新緑の季節を迎えると同時に田んぼの作業に入ります。自分の田んぼの土壌診断を実施し、足りない養分を分析し、苗の生育に最適な環境を作ります。
冬の間、雪の下で固くなった土をトラクターで掘り起こし、やわらかくすると同時にたい肥や肥料を与え、良く耕し、酸素もたっぷりと吸わせることでバランスの良い土を作ります。これを『田おこし』と言います。
土づくりは低温・高温など昨今の異常気象に負けない米作りにとって欠かせない重要な作業です。
しっかりと田んぼを耕した後は、ミネラル豊富な雪解け水を引き入れ、再度トラクターで攪拌する『代かき』を行い、土を滑らかに均します。水の深さや水はけにムラが出ないように表面をならし、田植えの準備となります。田植えをやりやすくするためだけではなく、肥料が田んぼ全体に行きわたることで稲がむらなく生長できる条件を整えます。
今年は雪消えが早い分、田植えの時期も早まりそうです。今後の天候にもよりますが、5月15日からを予定しています。
今年も魚沼はおいしい米づくりの向けて順調なスタートを切りました。
トラクターによる「田おこし」の様子
魚沼通信バックナンバー一覧
\こちらもオススメ!/
雪室貯蔵米、魚沼産こしひかり