【コーヒーコラム Vol.3】さらに高みを目指すコーヒー
ディノスでも人気のスペシャルティコーヒー。それを取り扱っているのがMAME'S(マメーズ)という焙煎工房。その店長である椎名さんが今回は、コーヒーの味わいをワインと比較します。コーヒーのおいしさは、新次元を目指しているようです。
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コーヒーはワインに比べて遅れている?
まず結論から言えば、遅れています。
このコラムの中でも、「スペシャルティ・コーヒー」という新たな美味しさの概念を、何度かワインと比較させていただいています。ワインは、農園やエリアによって厳格な格付けがあり、それぞれのワインの味わいが、個々の農園で評価されているのは、ご存知の通りです。ところが、コーヒー豆でそのような評価が定着したのは、今世紀に入ってから。同じ嗜好性飲料でありながら、この差はどうして生まれたのでしょう。
そこには、前回お話した産地のエリアが大きく関係していると思います。ワインは、主にフランスやイタリア、ドイツなど、ヨーロッパの先進国で作られ、先進国で消費されてきました。方や、コーヒー豆は赤道を中心としたゾーンで育てられます。地球儀を見れば分かるとおり、後進国(今や新興国とも呼ばれますが)で育てられ先進国で消費する、これがコーヒー豆だったのです。
貧しい国にとっては、換金作物として機能してきたコーヒー豆。そこには「美味しさ」という概念はなかなか入り込むことができませんでした。そもそも、自分たち自身が、その美味しいコーヒーを飲むことが、ないのですから・・・。
1980年代以降、スペシャルティ・コーヒーの取り組みが始まり、それと時を同じくして生産国の経済力がアップし、また国によっては平和がもたらされたことによって、今の美味しいコーヒーの世界が実現したと言えます。
象徴的な国が「ルワンダ」。素晴らしいスペシャルティ・コーヒー豆を産み出している国ですが、わずか20年ほど前には、国民50万~100万人の虐殺が行われた紛争地帯でした。平和と豊かさは、コーヒーの美味しさにとっても、非常に重要で大切なことなのです。
コーヒー豆のオークション「カップ・オブ・エクセレンス」
生産国の多くで、今やコーヒー豆の品評会が行われています。これらの品評会も、コーヒーの味を客観的に評価する「スペシャルティ・コーヒー」が定着したからこそ、コーヒー豆の評価に序列をつけることができるようになり、可能になったことです。現在の品評会で有名なのは、「カップ・オブ・エクセレンス」で、ブラジルはじめ、コロンビア、グアテマラなど、各国の優秀なコーヒー豆が、国ごとに毎年ノミネートされ、その味の優劣を競い、インターネットを通じて、世界中から買い手が集まっています。
平和と豊かさに加え、このインターネットの産地への普及というのも、美味しいコーヒーを産み出すには、非常に大きな力となりました。
特に標高の高い山間部の農園では、仲買人がコーヒー豆を買い集め、港に集積して輸出するのが一般的だったのに対し、インターネットオークションでは、最終顧客である消費国の人々が直接買い付けるのですから、その評価に応じて対価としての価格も高いものとなり、良いコーヒー豆を生産しようという気概をさらに高めることとなったのです。
昨今の美味しいコーヒー豆の背景には、このような大きな流れがあること、お分かりいただけたでしょうか。
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