難易度★
苗植え４月〜６月　９月〜１０月
収穫６〜８月　

地植え、鉢植えどちらでも育てることができます。品種によって宿根草や２年草、1年草があります。随時カットして葉を収穫しながら育てる事で、風通しよく健全に育てます。多くは春から夏に開花し、秋から冬に地上部分を枯らします。一年草は晩秋に枯れてサイクルを終え、宿根性は冬に地上部分は枯れますが、翌春からまた新芽を吹きます。

鉢植え、地植え共に育てることが出来ます。日当たりの良い場所で育てます。室内の窓際よりも、日当たりの良い屋外が適しています。ベランダの場合は風当たりが強すぎず、室外機の風の当たらない所を選びます。

小さなポットで売られていても、将来的には大きく成長するものもたくさんあるので、どのくらい大きくなるかをまずは確認します。それを踏まえて庭に植える場合は株同士の間隔をあけて植えるようにします。鉢植えも大きくなる事を想定して、余裕を持って大きめの鉢（１株の場合は５号以上、３〜５株の寄せ植えは８号以上）、土は培養土もしくはハーブ専用の土に植えましょう。

一年草のリーフレタスやルッコラ、２年草のパセリやチコリなどを寄せ植えにするときは、鉢で育てるのは数ヶ月間の限られた間なので、間隔を詰めて浅めの鉢に植えても問題ありません。

初心者は苗から育てるのをおすすめします。虫食いや病気がなく、葉が黄色く変色しているような苗は避け、葉の青々とし、節間の詰まった元気な苗を選ぶことが大切です。

・ローズマリーは冬の間も緑の葉を楽しめる常緑性のハーブ。花は秋から春先に咲きます。薄紫、薄ピンク、白の花色があります。葉は、ポテトや肉料理にひと枝添えるだけで、とても良い風味がつきます。立ち性、ほふく性、半ほふく性があります。・ミントは春から秋まで収穫でき、夏に花を咲かせます。冬は地上部分は枯れますが、翌春また新しい芽を出します。根やランナーという茎を伸ばしてどんどん広がるので、広がりすぎないようにするのがポイントです。・パセリは馴染みのあるハーブの１つ。葉は縮れているカーリータイプのものと、縮れていないイタリアンパセリがあります。どちらも２年草で、タネを蒔いてから最初の年は葉を茂らせ、秋に地上部分が枯れます。２年目の春に新芽を出し、花を咲かせ種をつけ、そのサイクルを終えます。・ラベンダーは品種によって花や葉の雰囲気が違います。咲き始めの花穂をクラフトにしたり蕾をクッキーなどに散らしたりしても楽しめます。夏の花後に、草丈の半分ほどを切り詰めます。・タイムは多くの品種があり、少しずつ草丈や花色、葉の色が違います。春に花を咲かせますが、これも品種によって咲く時期が少しずつずれます。中でもクリーピンクタイムは、グランドカバーとしてよく利用されます。

春から晩秋にかけて、こまめに収穫する事で枝葉をより多く分岐させます。中心部分が混み合ってくると、蒸れて葉が黄色く落ちてしまうので、梅雨がくる前や花後にバッサリ刈り込みます。そうする事で新芽を吹かすと共に、風通しよく株の中まで日が良くが当たるように育てます。

地植えで育てる場合、肥料をたくさんやる必要はありません。ただし植える前には堆肥や腐葉土を土に混ぜ込んで耕しておきます。鉢植えは土の量が限られており、また肥料分も流れやすいので生育期に様子を見ながら、緩効性肥料を数回あげるようにします。

※バジルは他のハーブに比べて少し肥料を必要とするハーブです。

地植えは、根付いてさえしまえばその後は雨水のみで問題ありません。春もしくは秋、植え付け後に多く雨が集中する時期に植える事で、余分な水やりの手間を省きます。真夏、あまりに萎れてしまうようならば、水をたっぷりやります。鉢植えは、乾いたらたっぷりが基本です。

基本的には日当たりを好む植物が多いのですが、半日陰環境でも育つ品種もいくつかあります。ただし、午前中は日に当たる環境を確保します。代表的な品種はミント、しそ、パセリ、レモンバーム、ドワーフコンフリー（矮性コンフリー）、ワイルドストロベリーが挙げられます。花をメインに見るハーブでは、ラベンダーセージ、チェリーセージ、メキシカンセージが半日太陽が当たれば、午後日陰でも持ちます。

背丈を越えるほど大きくなる大型のハーブも苗で売られるときは小さなポットです。必ずどのくらい大きくなるかを確認してから植えましょう。セージ類、アーティチョーク、フェンネル、フォックスグローブ、マロウなどの大型ハーブは庭植えをオススメします。

ハーブは他の植物に比べると、かなり病害虫の被害の少ない植物です。日本独特の高温多湿の気候を嫌うものが多くありますので、梅雨前から夏にかけて、蒸れないように管理することが、病害虫の被害を予防します。そのためにもこまめな剪定をして、風通しよくお日様によく当てることがとてが大事です。

ハーブは料理を始め、儀式や香料、染料、抗菌、防虫、医療にと様々な用途で使われてきました。古代エジプト、メソポタミアを始め、中国、インド、アンデスなど多くの地域でハーブが利用されていた記録が残されていま。古代ギリシア、古代ローマ時代を経て、アラビア、インドの医学と融合し、その後ペルシアでは蒸留法を確立しました。中世ヨーロッパでは修道院で薬草園が作られ、薬草として多くのハーブが利用されました。大航海時代、植民地時代には、様々なスパイスやハーブが海を渡って広まりました。

その後、植物から有効成分を抽出して、ペニシリンやモルヒネなどが作られ、近代医学が発展、抗生物質が主流となりました。その傍らで、ヨーロッパでは自然療法の一部としてハーブを利用したメディカルハーブは脈々と引き継がれてきました。ハーブを利用した、これらの予防医学は現在改めて注目されています。

ハーブは主に、ヨーロッパ諸国やインド、アジアなどの諸外国で、料理や生活に役立てられてきた植物たちです。しかし、最近は日本で昔からある、在来品種や、古くから使われてきた野草が「和ハーブ」として新たに注目を集めています。七草粥にしようする春の七草も、日本人の伝統文化と深く結びついた和ハーブの１つです。

自宅で収穫したハーブを料理やお茶、香りづけに利用したり、ポプリやリース作りを楽しんだり、花や香りに癒されたり、色々な使い方が気軽にできるのがハーブ栽培の楽しいところ。まずは、気になるハーブを１苗育ててみてください。日々の暮らしを豊かにしてくれること間違いなしです。