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専門家「風景」をつくるガーデニング術

庭に彩りを添える、花咲く低木

居場英則

前回の記事では、我が家の庭の骨格となる高木について書きましたが、今回はその続きで、

我が家のガーデンに植えている低木について書いてみようと思います。

前にも書きましたが、我が家の庭は、バラがメインの庭ではありますが、バラだけがてんこ盛りにある庭ではなく、

高木や低木、宿根草やグランドカバー植物なども混在する、自然な雰囲気の庭を目指しています。

ボリュームのある高木や、派手に咲き誇るバラと比べて、低木の存在感は劣るかもしれませんが、

その季節毎の風情を感じさせてくれる、とても重要なアイテムになっています。

● 前庭を華やかに飾る、早春の白い花、ユキヤナギ

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こちらは、我が家の前庭。前面道路に面した花壇で、ここには我が家のシンボルツリーの株立ちのエゴノキを

植えています。

その足元の両側に、古株のユキヤナギを2株、ガーデンリフォームの際に、こちらに移植しました。

その名の通り、柳のように枝垂れるように白い花を咲かせるユキヤナギは、長い冬が終わり、

春が来たことを高らかに宣言してくれるような、華やかな風景をつくってくれます。

なるべく長い枝を残すように剪定して、株立ちのエゴノキの足元で白い翼を広げたように雄大に咲かせるように

しています。

●ユキヤナギの白い花は素朴で優しい雰囲気

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このユキヤナギは、遠くから見ると、長く伸びた枝にびっしりと花が張り付き、穂のように見えますが、

近寄ってひとつひとつの花を眺めると、とても素朴で優しい雰囲気をしています。

どこか日本人としての美意識に訴えかけて来るような、古風な花だと思います。

調べましたら、ユキヤナギは、バラ科の植物で日本原産と考えられているようです。

花期も長いところも嬉しいです。

●早春を感じさせる黄色い花、ヒュウガミズキ

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ユキヤナギとともに、我が家で早春を感じさせてくれるのが、

こちらのヒュウガミズキ。

春には黄色で咲く花が多いらしいですが、我が家で黄色い花といえば、

このヒュウガミズキです。

中庭の片隅でひっそりと咲いています。

花期はあまり長くないのですが、一斉に咲くと、しっとりとした里山の

雰囲気が感じられます。

そんな奥ゆかしさが、この花の良いところかな〜と思います(笑)。

●桜の代わりに育てるお花見用の花、ハナカイドウ

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こちらは、4月になると咲くハナカイドウという桜や梅と同じバラ科の花木です。

日本人なら、春になるとやっぱり満開の桜を愛でたくなりますね(笑)。

とはいえ、小さな庭で桜の大木を育てるのはスペース的になかなか難しいですね。

我が家では、桜の代わりに、桜に良く似たこのハナカイドウの花を咲かせて、

小さなお花見をしています(笑)。

写真は、ハナカイドウの花のアップですが、鮮やかなピンクに染まった花は

とても可愛らしいです。

●鉢植えで育てるハナカイドウ

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このハナカイドウ、以前は庭に地植えしていました。

樹形が少し古風な感じなので、バラの庭へとガーデンリフォームしたことで、

庭全体のデザインの中で違和感が出てしまいました(汗)。

そこで、地植えから鉢植えに変更し、4月の花が咲く時期だけ、

庭のよく目立つ場所に置くようにしました。

鉢植えなので、大きさもコントロールできますし、シーズンが終われば、

目立たない庭の裏側へと移動させることもできます。

上手く鉢植えを活用することで、その季節毎の旬の花にスポットライトを

当てることができます。

●里山の風情を醸し出すミツバツツジ

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我が家の庭は、バラを中心としたローズガーデンではあるのですが、

どこかで、少し「雑木の庭」感も残しておきたいと思っています。

バラやクレマチス、クリスマスローズといった園芸種の植物だけでなく、

郊外の里山に自然に生えている素朴な花木を庭の一部で育てるようにしています。

そのうちのひとつがこちら、ミツバツツジです。

春に山道をドライブしていると、鮮やかなピンクの花が山の中に咲いているのを

見つけることができますが、それがこのミツバツツジです。

素朴な花を見てホッとする感覚を大切にしたいと思っています。

●日本的な雰囲気の赤い花、ヤマツツジ

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こちらも里山に生えている花木で、ヤマツツジです。

低い位置で咲かせる園芸種のツツジと違って、高さも1m以上もあり、

常緑の高木のソヨゴの横に配置して、より「雑木の庭」感を強調しています。

朱赤の花色がとても日本的な雰囲気を醸し出しています。

●高木の足元を飾る素朴な花の低木、シモツケ

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こちらも素朴な花を咲かせる低木で、シモツケ。

ユキヤナギ、ハナカイドウに続き、このシモツケもまたバラ科の植物です(汗)。

バラ科の植物が好きなのかな〜(笑)。

元々はバラ科とは知らずにお迎えしているのですが、その醸し出す雰囲気が好みなんでしょうね(汗)。

このシモツケは、前庭の花壇のボーダー部分に植え込みしています。

写真は赤花のシモツケですが、白花のシモツケもあります。

どちらも宝石のような小さな粒状の花が咲きます。

このシモツケ、花をも可愛らしいですが、こんもりと茂る緑を楽しむ植物と位置づけています。

●地植えと鉢植えを並べてボリュームアップ、紫陽花の小径

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こちらは、前庭の玄関アプローチ部分の6月の風景です。

5月のバラのシーズンが終わると、次は紫陽花の季節がやって来ます。

紫陽花もとても好きな花木です。

ここでは、玄関アプローチ脇の花壇に地植えした紫陽花に加え、鉢植えの紫陽花をこの時期だけ

この場所に移動させて、一緒に並べることで、紫陽花の花のボリュームをアップさせています。

限られたスペースをより魅力的に見せる工夫です。

この時期だけ、ここを「紫陽花の小径」と呼んでいます(笑)。

●秋のシェードガーデンを赤く彩る、ドウダンツツジ

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こちらは、再び中庭です。

南側に隣接する建物の影になるエリアで、中庭の「シェードガーデン・ゾーン」

と呼んでいます。

ここには、中庭のシンボルツリー、株立ちのコハウチワカエデを植えていますが、

その足元に植えている低木がこちらのドウダンツツジ。

一人息子が生まれた時に、誕生記念に植樹したものです。

ドウダンツツジは、小さな花が満天の空に輝くように咲くことから、

漢字で「満天星」とも書くようです。

満天の空に煌めく星のように輝やく人生を歩んで欲しいとの想いを込めて

植樹しました。

このドウダンツツジ、花だけでなく、秋の紅葉もとても美しいのです。

晩秋には、写真のように真っ赤に染まります。

紅葉する木が少ない我が家の庭ではとても貴重な庭木で、とても気に入っています。

我が家の庭は、派手なバラばかりが目立つ印象ですが(大汗)、

実際には木陰をつくる高木や、季節を彩る低木も相まって、四季の移ろいを楽しめる

ようにしています。

植えたい花木や草花はたくさんありますが、限られたスペースの中で、

これらをどのように調和させながら植えて行くのかは、なかなか難しいですね。

まだまだ試行錯誤の連続ですが、その過程もまた楽しいものです。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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