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専門家「風景」をつくるガーデニング術

フォーシーズンズ・ガーデン(冬編)

居場英則

我が家の庭は、つるバラがメインの庭ですが、バラだけがてんこ盛りに植えてあるガーデンではありません。

都市部の住宅街の狭い庭ですが、その限られた空間の中で、なるべく四季折々の花を楽しめるように

工夫をしています。

の今回は、「我が家の四季の庭」と題して12月〜2月頃の「冬の庭」風景についてレポートします。

「四季の庭」(フォーシーズンズ・ガーデン)と言っても、やはり冬の季節はほぼ花がない、淋しい季節ですが、

花はなくても、「冬」を感じられる風情が庭のそこかしこにあります。

そんな我が家の冬の情景をご紹介してみたいと思います。


● つるバラの誘引が終わった前庭風景

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まずは、こちらの写真から。

我が家の庭は、前面道路に面した「前庭」と、建物に囲まれた小さな「中庭」に分かれています。

こちらの写真は、前面道路側から見た前庭、そして玄関アプローチです。

最も道路に近い花壇に、我が家のシンボルツリー、樹高約5メートルの株立ちのエゴノキを植えています。

そのエゴノキの右側を回り込むように、中庭へと続く玄関アプローチがあります。

エゴノキの左側は、駐車場です。

そして、前庭に面した建物の外壁や、外構の小壁など、ありとあらゆる壁面を使って、つるバラを誘引しています。

毎年、12月に入ると、つるバラの誘引を一度解き、古枝の整理をして(剪定して)から、

再度、建物に這わしたワイヤーに誘引して行きます。

大型のランブラー品種や、棘の多い品種のつるバラの誘引は、かなり手間がかかりますが、

これをやり終えると、ようやく年を越せます(笑)。

写真は、誘引作業が終わってきれいに片付いた年末の前庭風景です。


● 誘引作業が一段落して、ひっそりと静まり返る中庭風景

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こちらは、我が家の中庭です。

コの字型に建物に囲まれた中庭は小さな空間ですが、ここにも壁という壁にはつるバラを誘引しています。

写真左側のガラス張りの建物はサンルーム。

このサンルームのガラスの壁面にも、つるバラを誘引しています。

右側の建物の壁面を使ってつるバラを誘引し、足元花壇には木立性のバラを植え込んでいます。

前庭のつるバラの誘引が終わると、この中庭のつるバラの誘引作業に取りかかります。

写真は、ほぼその誘引作業が完了した様子で、庭のすっかりきれいに片付いています。

凛とした空気感が漂う、この季節の庭の風景がとても好きです。


● 剪定・誘引後の小壁の様子

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こちらは、中庭を上の写真とは逆方向から見た写真です。

玄関ドアには正月のしめ縄が飾ってあります。

我が家がある奈良は、盆地で、同じく盆地の京都と同様、「夏暑く、冬寒い」地域ではあるのですが、

ここのところの地球温暖化の影響か、寒くても雪が降り積もるということはほとんどありません。

たまにうっすらと雪が積もる程度です。

中庭には、秋に植えたチューリップや水仙などの球根植物のテラコッタ鉢がところ狭しと並んでいます。

そのテラコッタ鉢の土の上だけに雪が残っています。


● 伊賀焼の水盤も凍てつく

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こちらは、玄関ドアの足元に置いているお気に入りの伊賀焼の水盤。

もともと焼き物が好きで、たくさんの食器や鉢などを持っていますが、この緑色の釉薬がかかった大きな水盤は、

伊賀焼の有名作家さんの窯元に訪れた際に、庭先に置いてあったものを譲っていただいたものです。

バラシーズンには、切ったバラの花を浮かべて飾ったり、クリスマスローズやチューリップの花も浮かべたりして

遊んでいます。

寒い冬は、水盤に張った水が凍って、水盤に縁には白い雪がうっすらと積もっています。

こういう何気ない風情がとても好きです。


● どか雪に埋まる前庭風景

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ほとんど雪が積もることがない奈良ですが、数年に一度、

どか雪が積もることがあります。

写真は、3年前の2014年の2月の写真です。

この日は、庭も道路も一面の雪景色でした。

我が家のシンボルツリーの株立ちのエゴノキにも雪が積もって美しい景色を

作り出してくれました。

エゴノキのすぐ後ろの小壁の足元は、宿根草のアジュガを植えたロックガーデン

なのですが、そこも一面真っ白です。

雪国の方は、これくらいの雪は雪のうちには入らないと思いますが(汗)、

奈良ではこんな雪でも交通は麻痺するし、大変なことになってしまいます。


● 雪だるまのある玄関アプローチ

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どか雪が降っても、午後には雪も溶け出してべちゃべちゃになってしまいます。

近所の子供たちは、珍しい雪景色に興奮気味(笑)。

学校から帰ったら、雪だるまを作って遊んでいました。

我が家の玄関先にも頭のとれた雪だるまが置いてありました(汗)。

こんな風景も冬ならではで、とても愛おしいです。


● 大雪の中庭風景

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こちらは、大雪が降った時の中庭風景。

中庭も雪で真っ白です。

土が露出している部分は雪が積もることはあっても、それ以外の石張りの床はめったに雪が積もらないんですが、

この時は軒のない地面は一面の雪景色です。

数年に一度の風景なので、雪が降り積もった日は、カメラをもって庭に出て写真を撮るのが楽しみです。


● 鉢植えのバラに積もる雪

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こちらは、つい先日、

心配していたほど雪は積もらず、土の部分にだけ、うっすらと雪が積もりました。

写真は、我が家の前庭、玄関アプローチ横のロックガーデン付近です。

ここに、この時期は鉢植えのバラを並べています。

8号スリット鉢で育てているのですが、スリット鉢がむき出しのままでは美しくないので、

同じ形のテラコッタ鉢を鉢カバーとして被せています。

バラはこの時期、休眠しているはずですが、見えないところですでに活動は始めていて、芽が動き始めたりしています。

なので、日中良く日が当たるこの場所に、鉢植えのバラを置いて、お日様貯金させているのです。


● 春を待つ球根植物とパンジー&ビオラたち

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こちらも、つい先日の雪がうっすらと積もった日の我が家の中庭。

この時期、中庭にはチューリップや水仙、ムスカリなどの球根植物を植えたテラコッタ鉢が並んでいます。

一番奥がチューリップ、中程がムスカリ。

ムスカリはもう既に葉を展開しています。

一番手前には、パンジーやビオラを植えた鉢が並びます。

秋に植えた、これら球根植物の多くは、まだ地上部に何も顔を覗かせていませんが、すでに活動を始めていて、

もう間もなく地上に新芽を上げて来るはずです。


● よく見ると、水仙の新芽が・・・・

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こちらは、水仙の球根を植えた小さなテラコッタ鉢のアップです。

よく見ると、小さな新芽がいくつも地上に顔を出しています。

芽生えのシーズン到来です。

花が咲くのはもう少し先になりますが、期待感を抱かせてくれますね。

春はもうすぐそこまで来ています。

一年で一番華やかな季節まであと少し。

楽しみで仕方ありません。


冬は花もないし、どんよりと曇った日が多いので、写真も淋しい感じですが、

この時期が一年で一番清々しい季節かもしれません。

植物たちが春を待つ、凛とした空気感が支配する庭に身を置くと、

自分自身も背筋がピンと伸びるような気がします。


我が家のフォーシーズンズ・ガーデンと銘打った今回のテーマの「冬編」、

いかがでしたでしょうか?

次回は、一年で最も華やかな季節、3月〜5月の春の我が家の庭風景をご紹介します。

乞うご期待!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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