今や新製品が発表されるたびに話題をさらう日本の家電メーカー・バルミューダ。モノを通して素晴らしい体験や心豊かな暮らしを届けたいという理念に賛同し、ディノスでもこれまで数々のバルミューダ製品を販売。そのたびにヒットを記録してきました。そんなバルミューダが次に仕掛けるのは、ストレスを排除したワクワクの掃除体験。満を持してのデビューからすでに大人気のホバー式クリーナーの開発秘話や、製品の魅力をうかがいました。

編集部　バルミューダから待望のクリーナーがついに登場しましたね。開発しようと思われたきっかけは？

寺尾　これまでもご要望はあったのですが、実は私自身がそれまで掃除機というものを必要だと思えなかったんです。しまってある場所から出すのも運ぶのもかけるのも面倒で、できればやりたくない作業。ならばホウキやワイパーで十分じゃないかと。けれど試しに開発に着手してみたところ、浮遊するような感覚を生むホバーテクノロジーのアイデアがすぐに生まれました。
我々バルミューダは単にモノを作って売るのではなく、「モノを通じてより良い体験を提供する」ことを大切にしています。その信念にこのクリーナーの発想を照らし合わせた時、「これは掃除という体験そのものを変えられるかもしれない」と強く感じました。それが本格的な開発にGOをかけた理由です。

編集部　スティック型のクリーナーは数あれど、まず最初に心惹かれるのがバルミューダならではのこの端正なデザインです。

寺尾　家の中に置いて違和感がないというのは、家電として最低限守るべき“礼節”だと常々考えていて。それに加えてすぐに手に取りたいクリーナーだからこそ、見えるところに出しておけるデザインにはかなり注力しました。 このクリーナーは、例えばリビングの片隅や、廊下などの共有部に置いていただいてもいい。美しさというよりは「いかに自然な姿であるか」を重視して、1年がかりで完成させたデザインです。

編集部　まるでホウキのようなシルエットですね。持ち手部分ではなく下部にモーターが付いているのも珍しいのでは？

寺尾　デザインと使い心地、両方の観点から「下重心」のプロポーションにすることは最初から決まっていました。なぜかというと上の方に重心のあるモノって、見ていて不安定さを感じて緊張感を生むんです。家はリラックスするための場所。ただでさえ日々ストレスにさらされている我々現代人ですから、家でまで緊張したくないですよね。

編集部　視覚的に落ち着くことはもちろん、使い心地の面でも重心が下だと掃除機をかけるのがこんなにラクなんだって感動したんです。くるくる動かせて本当にストレスを感じない。掃除時間もぐっと短縮されますね。

寺尾　そうなんです、使い終わったあとに腕がほとんど疲れていないでしょう？また性能面での大きな特長はホバーテクノロジーによる自由自在な掛け心地です。
従来の掃除機は前後にしか動かせず、これはどう考えても不便だなと感じていました。人が使う道具は思い通りに動かせることがまず基本。ですから自由自在な動きにこだわり、従来の掃除機とは違う様々な変化点や技術的なイノベーションも多重に取り入れました。その結果、素早く・気持ちよく・きれいに掃除できるクリーナーが完成したんです。まるで床を舐めるように自在に動かしながらしっかりと吸引できるから、掃除にかける労力も時間もストレスも、大幅にカットできるというわけです。

編集部　電源を切った状態でも持ってみると、それなりの重さがあります。けれどスイッチを入れたとたん、浮いているかのように軽くて動かしやすい！どうしてなんですか？

寺尾　このクリーナーはスイッチを入れると内側に回転する2本のローラーブラシが床との摩擦を減らすことで、操作する人はほとんど重さを感じない設計になっているのです。カーペットやフローリングなど様々な床にきちんと密着してしっかりきれいにするには、ある程度の重さが必要ですし、ヘッドをあえてやや大きめにしたのも、掃除をラクにスピーディにするため。
掃除機って、家の中で実際に持ち上げて運んだりする時間はごくわずか。それよりも稼働している最中のスムーズさの方がずっと重要だと思いませんか。

編集部　確かにスムーズでストレスフリーで、ダンスするように軽やかに扱えるクリーナー。掃除機をかけていて楽しいと思えたのは初めてかもしれません。

寺尾　まさに私たちが提案したかったのはそこなんです。目指したのは“掃除体験のアップデート”。掃除って面倒ではあるけれど、イヤなだけの作業ではないなと開発していく中で私自身も気づき始めまして。掃除が終わったあとの達成感や気分のよさは、きっと誰もが感じると思うんです。そうした良い部分だけはそのままキープして、そこにたどり着くまでのストレスを最小化したい。部屋をきれいにすることが従来の掃除機の役割とするなら、このクリーナーは初めてそこに「気持ちよさ」をプラスした製品なんです。
私自身もこのクリーナーを使うようになって掃除が好きになったほど。億劫だった掃除機を、今ではしょっちゅうかけるようになりました。ですから掃除が面倒だと感じている全ての人に、ぜひ使ってみてほしいと思います。

編集部　自然界のような風を生むグリーンファンや、とびきり美味しいチーズトーストが焼けるバルミューダトースターに続き、むしろ掃除がしたくなってしまうクリーナーとは！バルミューダ製品はいつも「新しい体験」で使う人を楽しませてくれますね。

寺尾　今、世界中が見えないウイルスに脅かされている大変な時代ですが、この経験により全人類にとって家や部屋というものがより大切な存在になったのではないでしょうか。それに、どんな時代にあっても人は「しあわせな体験」を求めるもの。旅行やレジャーが制限されたとしても、家の中でもしあわせな体験はできる。バルミューダはそこを目指して歩んできた企業であり、その信念が間違ってはいなかったことを今あらためて感じています。
創業以来、使った時の気持ちよさや美味しさを提供したいと考えて製品開発を続けてきましたが、これからもバルミューダならではの素晴らしい体験を多くのお客様にお届けしていきたいと思います。