レトロおしゃれなベルリンカフェめぐり vol.11 ~ Coffee Room
日本はもう春らんまんでしょうか。ベルリンの4月はまだまだ不安定なお天気が多いのですが、それでも長いこと待ちわびていた春がやってきた喜びでいっぱいです。
さて、私はこれまで本や雑誌でベルリンの素敵なお宅を数多く取材してきましたが、そうしたお宅のインテリアを注意深く見てみると、壁面を上手に使っているなと感じることが多いんです。例えば絵を飾ったり、壁面をペイントしてみたり。しかもただ漫然と飾るのではなくて、センスよく見えるポイントがあることに気がつきました。
今回はこの点について、ベルリンのプレンツラウアー・ベルク地区にあるカフェ「Coffee Room」にお邪魔して考えてみたいと思います。
Coffee Roomは日替わりランチもスイーツも充実した、どんな時間帯に行ってもうれしいカフェ。客席も、多目的なお客さんに対応できるよう、バラエティに富んでいます。
例えばランチを食べるお客さんには、重厚なダイニングテーブル席。コーヒーでゆっくりとくつろぎたいお客さんには、ソファ席。時間のないお客さんには、サッと済ませられるカウンター席。普通の家のダイニングとリビングが一つになったようなインテリアです。
考えてみれば、カフェは「食べる」というダイニングルームの目的と、「くつろぐ」というリビングの目的の両方を備えているわけですから、いろんな客席があるのは納得できます。
ちなみにベルリンのカフェでは、お店の人が席に案内する習慣はありません。空いている席に自由に座って大丈夫です。
Coffee Roomの店内を見渡すと、額装した絵を壁の一部に集中して飾っている部分に視線が留まります。
この「集中して飾る」というのが、ウォールデコレーションの最大のポイント。部屋全体をまんべんなく飾るよりも1ヵ所にまとめたほうが、メリハリがついておしゃれに見えるものなんです。
大きな絵の場合は、1点だけ飾ると空間が引き締まり、絵の存在感も増します。同じ大きさのフレームを2点以上飾る場合は、フレームの中心を横一列や縦一列に揃えるとスッキリします。
大小さまざまなフレームを飾るときは、1ヵ所にギュッとまとめるのがおすすめ。Coffee Roomでは壁の一面に集中させています。さらにフレームの素材が木材で統一されているので、数が多くてもゴチャゴチャした印象がありません。ちなみにCoffee Roomに飾っているフレームはユーズドの木材で作られた商品で、販売もしていますよ。
もうワンランクセンスアップを目指すなら、壁面ペイントと絵を組み合わせるのも方法です。絵を飾る部分の壁面をペイントすると、さらに絵が引き立ちます。ペイントする色は、空間の目的に合わせて選んで。たとえば落ち着きたい場所ならちょっと暗めのトーンにしてみたり、元気がほしい場所なら明るい色を塗ってみましょう。すべての壁面をペイントしなくても、一面だけでもお部屋がガラッと変わると思います。色の力は大きいんです。
壁面を飾るときは、その部分だけを見るのではなく、全体とのバランスをとることが大切。1ヵ所にまとめて飾って、そのほかの壁面はシンプルにしておきましょう。余白があるからこそ、デコレーションがきれいに映えるのですから。
Coffee Room
http://coffeeroom.berlin/
今回のレポートは、久保田由希さんが担当しました。
久保田由希
東京都出身。日本女子大学卒業。出版社勤務の後、フリーライターとなる。ただ単に住んでみたいという気持ちから、2002年にベルリンへ渡りそのまま在住。著書や雑誌への寄稿を通して、ベルリン・ドイツのライフスタイルを中心とした情報を発信している。新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)。
http://osanpoberlin.blog.fc2.com/
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