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レトロおしゃれなベルリンカフェめぐり vol.19  ~ Tante Emma

2018.02.02 / カフェディノス編集部

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壁紙が印象的な店内。


前回のvol.18ではウォールカラー、つまり壁のペイントがもたらす効果について書きました。今回はそこからさらに一歩進んで、壁紙を使ったインテリアをご紹介しましょう。見本となるのはベルリン・クロイツベルク地区にあるカフェ、Tante Emma(タンテ・エマ)です。店内はレトロな雰囲気。さまざまな年代の家具がミックスされていますが、全体的には70年代スタイルを意識しているそうです。
ここのインテリアの主役は、何といっても壁紙でしょう。壁紙は1色でペイントした壁よりもさらに大きなインパクトを見る人に与えます。洋服でも、無地のものよりも柄物のほうが主張が強いですよね。壁紙もそれと同じことです。


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店内奥にも壁紙が。

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壁紙の逆サイドは落ち着いた色味で。

IMG_7165.jpgDJブースもあります。

どのくらいのインパクトを与えるかは、壁紙の色柄次第といえます。モノトーンの柄だったり、柔らかな色なら、控えめな印象に。逆にタンテ・エマのようなはっきりした色柄の壁紙は、室内に入った瞬間にその部分に目が釘付けになると思います。壁紙が主役というわけです。

主張の強いデザインの壁紙を上手に取り入れるには、コツがあります。まずは、どこか一面だけに張ること。すべての面に張ってももちろん構いませんが、主張の強い色柄に囲まれると圧迫感を感じるものです。広い部屋ならいいのですが、そうでないのなら一面だけに留めるとバランスがよくなります。

壁紙を張る面は、室内に入ったときに最初に視線が行く面にすると効果的。通常は扉と向かい合う面ですが、日本の間取りでは掃き出し窓があって壁の面積がわずかだという場合がよくあります。そのときは、残りの壁の中でどこか一面を決め、そこを部屋の主役にしましょう。主役の面が常に目に入っていると、部屋で過ごす時間がとても気持ちよくなると思います。室内の「主役コーナー」を作るのに、壁紙は最適です。

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茶色の椅子は、東ドイツ時代のデザイン。

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年代もテイストも異なる家具も、壁紙効果で違和感なくまとまります。


一面だけに張った壁紙は空間を区切り、コーナーを作る働きがありますが、逆に壁紙内の空間をまとめる効果もあります。タンテ・エマに置かれている家具の年代やスタイルはよく見るとバラバラですが、背景に壁紙があることで、バラバラな家具も一つの世界にまとまってしまうのです。白い壁が背景だと、家具それぞれのスタイルの違いがもっと目立ってくるものです。


IMG_7170.jpg50年代の特徴的なデザイン。壁紙の色に対して補色に当たる赤が効いています。

壁紙と家具は、似たようなテイストを組み合わせるのが無難ではあります。でもベルリンのカフェを見ていると、そんなことはおかまいなく、大胆に組み合わせていることも多いのです。自分の好みで選べば、何かしら統一感は生まれるものだと思います。壁紙の中に使われている色を家具でも繰り返したり、家具に壁紙の補色を選ぶのも一つの方法です。

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70年代デザインは、派手でサイケデリックなテイスト。

IMG_7188.jpg50年代デザインの椅子は丸みを帯びていて愛らしいフォーム。

洋服のコーディネートを考えるように、楽しみながら考えてみてください。もし貼ってみて気に入らなかったとしても、壁紙ははがせます。そうやって一つひとつ経験を重ねていくのも、インテリアの楽しみではないでしょうか。

Tante Emma
http://www.tanteemmaberlin.de/Tante_Emma.html

この記事を書いていただいたのは、久保田由希さん

東京都出身。日本女子大学卒業。出版社勤務の後、フリーライターとなる。ただ単に住んでみたいという気持ちから、2002年にベルリンへ渡りそのまま在住。著書や雑誌への寄稿を通して、ベルリン・ドイツのライフスタイルを中心とした情報を発信している。きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)、『心がラクになるドイツのシンプル家事』(大和書房)ほか著書多数。

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