レトロおしゃれなベルリンカフェめぐり vol.8 ~ CAFE KRAFT(カフェ・クラフト)
1年のうちで最も寒い季節ですね。私が住むベルリンは、北海道よりもずっと緯度が北にあります。氷点下の日だって珍しくありません。こんな季節は外に出るのも勇気がいりますが、思い切って厳寒のドアを開ければ、ピンと張った空気もまた爽快です。
【注文カウンター。ブルー・グレーの壁と黒いボードのバランスが絶妙】
でも長時間歩くのはつらいので、目指すところはやっぱりカフェ。今回ご紹介するのは、DIYテイストの感じられるCAFE KRAFT(カフェ・クラフト)。こぢんまりとした店内には、古い家具、新しい家具、DIYで手作りした家具がミックスされています。そう聞くとなんだか雑然とした空間を想像されるかもしれませんが、ちょっと写真をご覧ください。センスよくまとまっていませんか?
このインテリアのポイントは、色と素材を絞っていること、DIYの手作り家具が新旧の家具をつなぐ役割を果たしていること、ブルー・グレーの壁が全体をまとめていることだと思います。
家具の色は、木材の茶色と、カウンターやメニューボードに使われている黒。素材は木材を中心に、カウンターのスツールなどにポイント的にメタルを使用しています。
【メタリック素材は、木製カウンターと合わせてバランス良く】
手作り部分は、注文カウンターと窓際席のカウンターの寄木細工。これは高価な床材に使われるヘリンボーン模様です。本物の床材を利用したのかと思いましたが、ヘリンボーン模様に木材のパーツを組み合わせて作ったのだそうです。
【ワイヤーで固定したテーブル。ワイヤーを外せば、壁にぱたんとつけられる省スペース設計】
注文カウンター前の小さなテーブルも手作り。天板と壁をワイヤーでつなげていて、使わないときはパタンと壁につけられる仕組みになっています。省スペースで済むので、小さな部屋で使えそうなアイデアですね。
【古い引き出しを利用したチェスト】
砂糖やスプーンが乗った引き出し付きの棚も、やっぱり手作り。これは茶色い古い引き出しの周りを新しく囲ったもの。白と茶、新旧のコントラストが素敵です。その上に飾ってある「K」のパネルは、黒いボードに細い棒を貼ったものですが、どこかアーティスティック。
【自転車の車輪のようなシェードのランプ。マイクロロースターのパッケージを飾っている】
そして室内の壁全体をブルー・グレーにペイントすることで、ミックスインテリアにまとまりが出ています。壁の一面だけをペイントすると、視点をそこに集める効果がありますが、すべての面を塗ると空間全体が一つにまとまります。
ブルー・グレーのような暗いトーンの色を選べば、モダンで都会的な印象に。茶色の家具もよく映えますし、家具にも高級感が増す気がします。
差し色の黄色が引き締め役。
そして注文カウンターの背後にある「K」の文字の黄色が、差し色として効いています。こうした小ワザがあると「あ、センスいいな」と思いますね。
【ラテとバナナブレッド。ヘリンボーン模様のカウンタートップが温もりと「きちんと感」を出している】
【文化財保護になっている建物の1階。ドア枠はオリジナルのまま手を加えていないそう】
ちょっと店内を見渡しただけで、CAFE KRAFTはインテリアのアイデアの宝庫です。こうしたひらめきがどこから湧いてくるのかオーナーのマルコさんに聞いたところ、「ピンタレストなどの写真などを見て、アイデアを集めたんだ」とのこと。
やはり素敵なものをたくさん見て考えることが、とても大事なんですね。というわけで、私はまたまたいいカフェを探しに行ってきます。
CAFE KRAFT
http://www.cafe-kraft.com/
今回のレポートは、久保田由希さんが担当しました。
東京都出身。日本女子大学卒業。出版社勤務の後、フリーライターとなる。ただ単に住んでみたいという気持ちから、2002年にベルリンへ渡りそのまま在住。著書や雑誌への寄稿を通して、ベルリン・ドイツのライフスタイルを中心とした情報を発信している。新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)。
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