大人のカフェ時間

大人のカフェ時間

内藤 愛里さん
映像作家/珈琲愛好家
内藤 愛里さん

大人のカフェ時間

"何もしない"ができない私が、何もしないために行く場所が、近所のカフェ。私にとってカフェは、家と外の間。つまりオンとオフの間。家でダラダラする勇気はないけれど、外でバリバリ動く気力はない。そんな時、唯一自分に許すリラックス。それがカフェでの時間です。お店のこだわりのコーヒーを全神経で味わって、大好きなホットサンドにジュワッとかぶりつく。これが最高のひと時。そして気がつけばパンのタイプや焼き加減、具材などを記録して、結局体が動いているわけですが。最近は女子大生たちがカフェ巡りを楽しむようなかわいいお店が増えましたが、学生時代の私にとっては、カフェは働く大人の場所でした。かちっとしたスーツに少し気の抜けた姿勢で、何かを読んだり考え込んだり。ゆったり過ごしているように見えて、どこかせかせかした空気が滲み出ていた大人たち。今思えば、彼らも忙しい日々の中で、一生懸命"何もしない"をしようとしていたのかも。そう気づいてからは、私も大人になったものだと、カフェ時間がさらに幸せなものに。