自然を感じること

自然を感じること

青木 弘達さん
会社役員/公認心理師
青木 弘達さん

自然を感じること

東京から今のところに移ったのは約3年前のことだ。奈良県の山奥にある人口約800人のこの場所は、自然が豊かで山も川も近い。川は驚くほど澄んでいて、5mくらい上の道から魚影がくっきり分かるくらいだ。光の加減でエメラルドグリーンに光る川は、いつまで見ていても飽きない。特に気に入っているのは、刻々と様相変える日常だ。早朝のランニングでは、川から立ち上る靄が山を覆い、水墨画の風景のようになることが多々ある。そうかと思えば、靄が晴れ、山の緑の稜線と青い空のコントラストに目を奪われる。雨は殴打するような勢いの時もない訳ではないが、多くはシトシトと降り、気持ちを落ち着かせてくれる。その中を走ることもまた格別だ。山の中を歩くときは好んで足袋を使う。足裏から伝わってくる感触が、大地を感じさせ、身体を感じさせてくれるからだ。鳥や虫の声も移り行き、季節が流れているのを感じさせてくれる。以前は気づかなかったことばかり。私はこの自然豊かな村でメンタルヘルス関係の仕事をしているのだが、一番癒されているのは私かもしれない。

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