全てが揃った時代にまだ見ぬ「便利」を追求!スペパ家具を生む二人三脚のものづくり

全てが揃った時代にまだ見ぬ「便利」を追求!スペパ家具を生む二人三脚のものづくり

<このストーリーを話したひとたち> 三留 学さん 足立製作所 専務取締役 徳田 周平 ディノス 家具収納室バイヤー

床面積の狭い日本の住宅環境を背景に、スペースパフォーマンス(空間効率)の高い家具に注目が集まっています。ディノスの近年のヒット商品の一つ「薄型突っ張りディスプレイ収納ラック」は、まさにそうしたニーズに応えた一品です。狭い洗面所にも設置できる超薄型。天井突っ張り式で安定感も十分。「痒い所に手が届く」この商品はどのようにして生まれたのでしょうか。家具収納室バイヤーの徳田周平と、開発パートナーである足立製作所の三留学さんが語ります。

バイヤーのひらめきと
メーカーの実現力

商品誕生の起点は、ディノスのバイヤーが三留さんに送った数枚のイラストや写真でした。そこに映っていたのは、細い角材を使って手作りされた、奥行きの浅い収納ラック。「開発当時、DIY文脈で注目を集めていたこういう商品を、突っ張り棒を使って作れないか、というのがリクエストでした」と三留さんは振り返ります。

細部まで詰められた企画というより、アイデアレベルからのスタート。それはバイヤーが開発パートナーに寄せる信頼の証であり、ものづくりの担い手として、三留さんの心が震える瞬間でもありました。

「総合通販ゆえか、ディノスのバイヤーさんは自分たちだけでは絶対に思いつかないアイデアや情報をお持ちです。それでいて、ガチガチに固める前の段階で相談を持ちかけてくれる。こちらからもいろいろと提案できる分、ものづくりとしては面白いです」

ディノスと足立製作所の付き合いは30年以上と長く、三留さんも過去いくつものディノス商品を手掛けてきました。バイヤーの徳田も、三留さんの“逆提案”の質の高さには、度々驚かされてきたようです。

「特に『この値段では売れないのでは?』などと価格のことまで含めて考えて提案していただけるのはすごいな、と。どれだけいい商品でも、高すぎて買ってもらえないのでは本末転倒ですからね」

バイヤーのひらめきと<br>メーカーの実現力
バイヤーのひらめきと<br>メーカーの実現力
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スペパはもちろん
いかにコスパを上げるか

三留さんが過去に手掛けた商品には、コミックラックやCDラックなど、類似の商品も含まれていました。今回の商品がそれらと違うのは、使う場所が洗面所であること。

「洗面所というのは基本的に、住んでいる人以外が見ない場所。そこで使うとなると、皆さんかなり金額にシビアになります。ですから、品質と価格のバランスがポイントになる。いただいたイラストは4本足だったのですが、この薄さなら柱2本でも立つだろうと考え、逆提案してこの形になりました」

棚板には、建物の外壁などに使われることが多いガルバリウム硬板を採用。ステンレスと比べて圧倒的に安価でありながら、サビに強く、湿気の多い脱衣所での使用に適しているという、こだわりの素材です。また、棚を支える金具は、過去の売れ筋商品で使ったパーツを加工して転用しました。「足立製作所は設計だけでなく製造も担っているので、思いついたアイデアをすぐに形にできるんです」と三留さん。自社工場ならでのはスピード感に自負をのぞかせます。

スペパと同時にコスパを突き詰める様々な工夫を重ねた結果、この商品はお客様の心をがっちりと掴み、ヒットを記録することになりました。「企画した前任のバイヤーは当初、シャンプーやバスタオルなどを収納する想定でしたが、お客様からはCDやDVDを収納しているという声も届いています。こちらの想定を超えて愛していただけているようで、とてもうれしいですね」と徳田は手応えを口にします。

バイヤーのひらめきと<br>メーカーの実現力
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全てが揃った時代に
それでもプラスアルファを

この商品には幅40、55、70センチの三つのラインナップがあります。安価で機能性の高い製品が市場に多く出回る今、商品ラインナップの豊富さはディノス製品が選ばれる要因の一つになっています。

それは徳田がディノスに入社を決めた理由でもありました。中途3年目の徳田は前職も大手家具メーカー。子供のためのランドセルラックを探す中で、ディノスと出会ったのだと言います。

「どこを見ても同じような商品しかない中で、ディノスの商品は痒い所に手が届くものでした。キッチンカウンター下の収納だけでも何十個というラインナップ。バイヤーの強い主義主張が透けて見え、ここでなら思うような商品作りができると思い、入社を決めました」

バイヤー自身が感じている、本物の不便や不満が起点になることが多いのがディノスのものづくり。だからこそニッチがニッチで終わらずに、多くの人のくらしを支えることにつながっているのでしょう。

「必要なものはだいたい揃っている時代ですが、それでも『この形ならまだ置けた!』というような、お客様にとって発見がある商品を作っていきたいです。何よりお客様にハッピーになってほしい。それに尽きます!」と力説する徳田。三留さんも大きく頷き、「これからも人のくらしを支えるものづくりをしていきたいです」と話していました。

バイヤーのひらめきと<br>メーカーの実現力
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ドア横のわずかなスペースも活用!
「薄型突っ張りディスプレイ収納ラック」
バイヤーのひらめきと<br>メーカーの実現力
わたしたちの「くらし、たのしく。」考
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