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「笑いには治癒力がある」――そのことを世界的に最初に提唱したのは、アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズ氏であると言われています。彼は、強直性脊椎炎という難病を、笑いで自然治癒力を高めるという方法も用いながら治し、その体験を『笑いと治癒力』(岩波書店刊)という本にまとめました。
その後日本でも、岡山県の伊丹仁朗医師と大阪府の昇幹夫医師らの研究(1992年)によって、笑いがNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させることがわかってきました。NK細胞は、体内でガン細胞やウイルスに感染した細胞を死滅させる働きを持っています。つまり、笑いには病気に対する抵抗力を高め、免疫機能を正常化させる効果があるということです。
また、笑うことによって脳の血流量が増え、脳が活性化することも、群馬県の中島英雄医師の研究などからわかってきました。こうした効果を期待して、医療現場では、心や体の病気の予防や治療に、笑いを取り入れる試みも行われています。 |
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年齢を重ねれば重ねるほど、女性の美しさは顔立ちだけではなく、表情で決まると言ってもいいでしょう。
よく笑えば、表情筋が鍛えられるため、はつらつとした若々しい印象を保つことができます。逆に無表情でいる時間が長いと、表情筋が衰えて顔がたるんだ印象になり、老け顔に見せてしまいがち。
自分の顔を鏡でチェックしてみましょう。
疲れた表情をしていたり、眉間にシワがよっていたりしたら、要注意!
笑顔をつくるように心がけましょう。 |
急に笑おうとしてもうまくいかない人は鏡をのぞいたときに、口角を上げて微笑む練習をするといいでしょう。
顔の筋肉がやわらかくなって、きっと笑顔が出やすくなるはず。微笑みをうかべるだけでも脳が刺激され、心と体にもいい効果をもたらします。 |
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私たちがストレスを感じたとき、体の中ではコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは、ストレスホルモンと呼ばれ、ストレスから体を守る働きをする非常に大切なホルモンですが、コルチゾールの分泌が多いと不安や緊張が高まり、慢性的に分泌され続けると、免疫力が低下し、体の抵抗力が弱まってしまいます。
大笑いした後では、このコルチゾールの分泌が減少することが、大阪府立健康科学センターの研究でわかっています。つまり、笑いにはストレスを軽減してくれる働きもあるのです。つらい状況でストレスを感じ、「笑っている場合ではないとき」にこそ、笑ってみましょう。コミュニケーションがスムーズになったり、脳が活性化して、よいアイデアが浮かんだりするかもしれません。 |
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- 歯磨きをするように、笑いを生活の一部に
- 「にもかかわらず笑う」という姿勢が大切
- 鏡の前で笑顔を作る練習をする
- 自分に合った笑いを見つける
- 笑いを生み出す空間を作る
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監修:医学博士 市来真彦
東京医科大学精神医学教室講師・霞ヶ浦病院メンタルヘルス科長。日本笑い学会理事・関東支部長。千葉大学医学部卒、同大学院修了。平成16年に音楽とユーモアと精神医学を研究・普及する、(有)エム・エイチ・ピー:Mental Health Promotionを設立。精神科医としての治療の傍ら、ミュージック・ベルの独りパフォーマンスを中心に音楽と笑いのライブなどを行う。 |
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