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小鳥さえずる緑の中に続く細い石畳。その先に佇む風情あふれるレトロな日本家屋で、かわいらしい赤ちゃんとともに笑顔で出迎えてくださったカヒミ・カリィさん。耳元でささやくような甘く優しいウィスパー・ヴォイスとミステリアスなルックスで、90年代に音楽界を席巻した“渋谷系”の歌姫として活躍、現在も多くのファンから支持されていらっしゃる方です。その素顔は、華やかな芸能界に身を置かれている方ということでつい構えていたわたしたちの心をあっさり解きほぐす、優しく穏やかなオーラに包まれていました。

ミュージシャンであると同時に妻、そして母として自然体な美しさを供え、多くの人が憧れるナチュラル&スローなライフスタイルを実践されていらっしゃるカヒミ・カリィさんに、今回のインタビューでは、40歳を超えて初めて経験された「結婚・出産・育児」が、そのライフスタイルや音楽、なによりもご自身にどんな変化、影響を与えたのか、じっくりと語っていただきました。 カヒミ・カリィさんだからこそ語ることのできる「出産と育児」のお話を、前後編でお届けします。

3つのQUESTION

Q1 人生のモットーはなんですか?

ちょっと笑えるんですけれど、「日々精進」です。どうしてかというと、わたしが精進するタイプの人だからじゃなくて逆だからなんです。だから、「日々精進」をモットーにするくらいじゃないと、ダメ人間な気がして(笑)。好きなことにも深くハマるタイプではあるんですけれど、ストイックではないんですね。だから精進。精進っていう言葉がすごく好きですし、お坊さんのような生き方に憧れたりすることもあります。

Q2 今、1週間自由な時間があったら何をしますか?

自由といっても、やっぱり子どもは切り離せないので・・・。あ、旦那さんはちょっとおいておいて(笑)。娘は冬生まれなんですが、裸でいるときに本当に気持ちよさそうなので、暖かくて真っ裸で過ごせる場所、山でも海でもどこでもいいんですけれど、裸になっても寒くなくて、誰もいないようなところで娘と過ごしたいですね。

Q3 ご自身とっての『♪』な瞬間〜自分にとって幸せ・うれしい・充実感を感じる瞬間〜を教えてください

やっぱり歌っているときですね。とくに今はプライベートで子どものために歌ってあげることができるのが、ものすごく楽しくて。子ども向けの適当な歌ですけど、オリジナルも増えましたし(笑)。あと、子どもによさそうな歌を探して歌ったり、ライブの曲を覚えるために歌った後子どもをなだめるためにまた歌を歌ったり・・・。歌を歌わない日はまったくないんです。そんな感じで(生活に)歌があふれているのは、まさに♪そのものな時間ですね。

ああ、自分は日本人なんだなあ。そう思うことが増えてきた

インタビュー(前編)ミュージシャン カヒミ・カリィさん

─ フレンチ・ポップスをイメージさせる曲調に加え、フランス語が堪能でいらっしゃるという背景があったからでしょうか。’97年からカヒミ・カリィさんがフランスで暮らし始めたとき、正直そのまま永住されるのでは?と思っていました。
今、こうして日本に戻られ、しかもこのように昔ながらの日本家屋を選んでお住まいになられたのは少し意外な気がしたのですが、なにか心境の変化のようなものがあったのですか。


昔から、“ちょっと変わった物件好き”なところがあるんだとは思います。 フランスに行く前も昔ながらの日本家屋に住んでみたいなとは思っていたんですけど、そういう物件ってなかなかないじゃないですか。でも、やはり和洋問わず、少し変わった物件を探して住むのが好きでしたね。

で、フランスに引っ越して・・・。向こうってすごく古い建物がたくさん残っていますよね。特別どうこうじゃなくても、百年くらい経っている建物がいっぱいあって、わたしもそういうところに住んでいました。それに、向こうには蚤の市やアンティーク街もあって新しいものとすごく古いものがいい感じでまざっていて、そういうところが美しいな、いいなと思っていたんです。

フランスに行って変わったところがあるとすれば、やっぱり自分は日本人なので、ときどき日本の・・・たとえばお風呂にはいるとお湯がジャーッと流れる感じだったり、食べ物や生活のことだったり、そんな日本のことが懐かしくなることがけっこうたくさんあって。たとえば日本食のおいしさとかにしても、それまでは“あって当たり前”というか・・・。でも海外に行くと、普通の旅行でも最後の日には和食屋さんに行きたくなったりしませんか?帰ってくるとまず、おそば屋さんに行ったりとか。

住むと、そんな風に思うことがよりポツポツと・・・。たとえば靴を脱いで部屋にあがるとか、そういうことでも違いが感じられて、ああ、自分は日本人なんだなって思うことが増えてきたなと思います。

その頃、ポンピドゥー・センター(パリ4区にある総合文化施設)では、時々日本の映画特集をやっていて、日本でも古すぎてビデオにもなっていないような映画をまとめて公開しているんです。小津安二郎さんの作品なども、まとめて観る機会があるんですね。面白くて通ってたんですが、そういうのを見ていると、やっぱり日本の古い建物もすごくきれいで素敵だなあと思って。(そういう建物は)ぜったいフランスにはない、日本にしかないものじゃないですか。

もともと建築自体が好きで興味はあったんですけれど、フランスに行ってより気持が深まったという感じかもしれません。

今回日本に戻り、結婚、妊娠して引っ越そうというとき、最初は普通にマンションか近代建築の一軒家に住むだろうと思っていたんですが、不動産を探して最初に見つけたのがこの物件だったんです。ここは珍しいので競争率が高い物件らしいんですけれど、広告が出た瞬間に見つけたようで、たまたまわたしが第一号だったんです。

─ まるで“運命”みたいですね。
そうなんです。すごくタイミングがよくて、すごくうれしかったですね。 見に行ったらお庭もこんなにきれいだし、平屋建てというのも子どもがちっちゃいときには階段がないほうがいいんじゃないかなって思って決めたんです。

日本家屋というか・・・もちろん日本のいろいろなモノも大好きなんですけれど、海外のモノでも手作りのモノや民芸的なモノはすごく好きですね。

インタビュー(前編)ミュージシャン カヒミ・カリィさん

そういうモノって、たとえばテキスタイル(織物・布地、あるいはそのデザインパターンのこと)だったりにしても、ネイティブアメリカンが作った昔の物と日本の昔の物がなんとなく似ていたりしませんか。

すごく昔のもので、当時は国同士の交流なんてなかったかもしれないのになぜかすごく共通点のあるものがあったりする・・・そういうところに興味があります。国が違っていても、人が似たような気持ちで作っているからでしょうか。並べて置いても不思議に違和感がなかったりとか。そういうのって面白くて、好きだなって思います。

一番大切なのは、たぶん食べ物そのものよりもそれをいただくときの愛情や気持ち

─ ほかにもフランスに行かれたことで、気持に変化が起きたことなどありましたか。
じつはわたし、フランスに引っ越す前は(体質的に)お肉が食べられず、食に対してもとてもストイックな時期があったんです。でもフランスは本当に肉食文化なので、そんな状態だと不便だったり、なにより自分自身がつまらない。それで、少しずつお肉を食べるようになったんです。最初は身体に負担がかかって胃痙攣を起こしたこともありましたけど、今はもう大丈夫です。

オーガニックやマクロビオティックにしてもストイックになりすぎると、誰ともご飯を食べに行けなくなってしまったり、作って頂いたものを食べられず残してしまったりして、ちょっと淋しかったりしますよね。それが本当に身体にいいことだといえるんだろうか、と思うようになり。

食べ物って栄養だけではなくて、(食べるときの)コミュニケーションというか、気持があって身体も作られていると思うんです。そのバランスがすごく難しいと思うので、いろいろ自問自答したりしていました。

今はそう・・・娘ができたことで、自分だけじゃなく子どもや旦那さんに作る料理についても、より考えることが多くなったかもしれないですね。
食べ物はやっぱりすごく大切ですから、なるべくいい素材のモノを気をつけて選んだりしています。でも、すべて無農薬のものじゃないと食べないとか、白米や肉は絶対食べないとか、そういったことはまったくないです。まず、いただけるっていうのが大切で幸せなことだなと思います。
外でも出していただいたものは残さないで全部頂きたいです。
そんな感じです。

─ そういう気持ちって、これから成長していくお子さんに対しても影響が大きいでしょうね。
そうですね。
わたし自身は、子どものころから普通にお菓子を食べたりコーラを飲んだりすることもあったので、今の食生活はデトックスのような感じ・・・自分で意識していいものをいただくことで身体を浄化させるような感じなんです。
でも、子どもの場合は逆。生まれたときが一番まっさら、無垢じゃないですか。だから、保存料や着色料といったものをなるべく与えたくないですね。そういう意味では、わたし自身よりも娘のことのほうが気を使いますね。

どなたか忘れちゃったんですけれど、ずっと前にエッセイを読んでいた時、その方が小さいときの話で、着色料がついたお菓子を食べたくてお母さんにどうしても食べたいって言ったら、お母さんがそのお菓子を水に入れて色だけ落として食べさせてくれた。それをわたしは大人になった今も感謝しているし、自分も自分の子どもにそういう風にしている、っていう話を読んだことがあるんです。

インタビュー(前編)ミュージシャン カヒミ・カリィさん

それが、なんかすごくいいなあって思ったんですね。絶対に食べさせないっていうんじゃなくて、子どもがどうしても食べたいって思った、その気持ちも大事にしてあげている。なんかそこにすごく愛情を感じたんです。一番大切なのは、たぶん食べ物そのものよりもそういった愛情や気持ちのほうなんじゃないかなって。

─ 食べ物以外のことでも、そんな風に考えたりなさいますか?
食べ物は直接身体にいれるものだし、そこから身体が作られていくので一番大切だとは思いますけれど、たとえば環境だったり、着る物だったり、洗剤とかそういうものでも、同じなんじゃないかなとは思います。
とくに環境は(影響が)大きいと思いますね。環境がわたしたちにどういう風に影響があるかっていう本を読んだりするのも好きなので、食に限らずいろいろ考えるんですが・・・。
ただ、とにかくわたしはハマリ症なので、これと思うとそこだけに集中しやすいんですよね。だからなるべくバランスよくというか、あんまりストイックになりすぎないよう心がけています。

「家族になることになりましたよ。集合してくださーい」

インタビュー(前編)ミュージシャン カヒミ・カリィさん

─ 40歳を超えての初産、不安や恐れを感じることはなかったのでしょうか。
産む怖さみたいなものはまったくなかったんです。そういうところは楽観的で。

今は医学も発達していて高齢出産の方も増えていますし、ちゃんと産んでる人がいるんだからわたしにだってできないことはないんじゃないかな、っていう感じで。

妊娠する前もけっこう飄々としていましたね。子どもがいたらいいな、って思うことは昔からあったんですけれど、とりあえず今はいないし、いないからできること、たとえば旅行だったりとか、それを思いっきり満喫しようと。それで同年代の友達が子育てに追われているときに、わたしはサハラ砂漠に行ってキャンプをしたりしていました(笑)。

今こうして子どもができてみると、あのときそういうことをやっておいてよかったなって思います。そのせいか、子どもがいてもいなくても、そのときの自分にできること・・・今の自分が今の環境で楽しめることを見つけて最大級に楽しむようにしたいなと思っています。

子どもがいても、それが重荷になって遊べないとか、家事に追われる大変さもあるでしょうし、結婚していることや子どもがいることが幸せかは、人それぞれですよね。それよりもっと中身が大切なんじゃないのかな。その辺は難しいけれど。

結婚は、いまだに不思議なんですよね。名字が変わったことも、時々忘れますし(笑)。「主人が・・・」って言うたびに自分でも驚いたりして、「ああ、わたし結婚してるんだ」って今でも思うんです。

─ 3人の生活はいかがですか?
ケンカをすることもありますし、娘が大泣きして大変だったりとか、まあ珍道中ですけど、全体的にみると本当に楽しいです。

結婚してからいっしょに住み始めたっていうのもありますし、子どももすぐ突然出来たっていう感じだったので、なんだかこう・・・、わたしと主人と娘が、ある日突然ある場所に集合して「家族になることになりましたよ。集合してくださーい」ってスタートしたような(笑)。そんな不思議な感じなんです。

まるで旅先で偶然知り合った人たちと、そのまま旅を続けるような感じがしています。それぞれの人生はそれぞれで確立されていて、その中で、わたしと彼と娘の人生の旅が交差して3人が出会い、いっしょに旅をすることになった、というか。
特に娘は成長したら自分自身の旅にひとりでどこかへいくことになるでしょうし。

インタビュー(前編)ミュージシャン カヒミ・カリィさん

たぶんそう思うのも、彼はタップダンサーでニューヨークにずっと一人で住んでいて、わたしもミュージシャンで、おたがい表現するのが仕事でもあり・・・。おたがい一人で生きてきたという意識があるので、きっと娘もそういう風になるかもしれないなと思います(笑)。

パッケージツアーで一人旅が合体したような・・・バックパッカー的3人組。なんだかものすごく自由な感じです。

初めての妊娠・育児という経験のひとつひとつをありのままに受け入れ、自然体で楽しんでいるカヒミ・カリィさん。その根幹にある豊かな感性は、彼女の音楽やライフスタイル、すべてに通じるアーティストならではのものといえるかもしれません。後編では、「結婚・出産・育児」という経験がカヒミ・カリィさんの音楽や仕事、なによりご自身にどんな変化をもたらしたのか、そしてカヒミ・カリィさんが考える母と子の関係について、より踏み込んだお話を伺います。

後編はこちらから

カヒミ・カリィさんプロフィール

カヒミ・カリィさん

'91年デビュー。以降、国内外問わず数々の作品を発表し、90年代に大流行した“渋谷系”ムーブメントの歌姫として君臨、人気を博す。'97年フランス・パリへ移住。'98年、'99年には全米ツアーを行う。
英語・フランス語が堪能で、NHKFMのパーソナリティー、連載コラムや映画コメント執筆、字幕監修なども手掛ける。近年、菊地成孔氏や大友良英氏らのセッションにも参加し話題に。2007年ライブDVDを、2008年にはビクター80周年記念コンピレーションCD「Music For Nipper」をプロデュース。音楽だけでなく、そのナチュラルなライフスタイルも多くの女性から支持されている。
2009年12月には、夫であるタップダンサー・熊谷和徳氏との間に、和(にき)さんを出産。2010年6月、妊娠中の経験を生かしてプロデュースしたオーガニックなボディケアライン『Preens』を発売。また、同6月ニューアルバム「It's Here」発売。
2010年9月3日4日にはビルボード東京にてアルバム発売記念ライブも決定。
オフィシャルサイト:http://www.kahimi-karie.com

※平成24年10月1日現在の情報です。

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応募締切:2010年8月31日(火)
※当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。(発送は2010年9月上旬予定)

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