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インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

片づけは「出来て当たり前」の作業じゃない

片付けられないってことで自分を責めている女性ってすごく多いんですよ。「片づけられないダメなわたし」って。
それは「片づけなんていうのはしょせん家事労働。出来て当たり前な作業なんだ。その出来て当たり前のことができないなんて、ダメなわたし」という図式に陥っているからのような気がするんです。

でも、そうじゃない。
たとえば呼吸。呼吸って当たり前に出来ているでしょ?だから、なんの意識もしないけれど、ヨガを習ってみるといかに自分がへたくそな呼吸しかしていないかに気づくんです。
全部息を吐ききってこそ、たっぷり吸えるはずなのに、ほんの少しだけしか肺が動いてなくて、(胸を指して)ここらへんの空気がちょっと入れ替わっているだけだったって。
当たり前に出来ているつもりだったことが、じつは当たり前に出来ていなかった。それに気づくわけですよ。
ということは、片づけもそうなんじゃないか。

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

出来て当たり前って思っていたけれど、じつはとてもとてもトレーニングのいる、大変な作業だったんじゃないかって。そんな気づきがあったんです。

たとえば、今ここに300kgのバーベルがあったとして、もちあげられますか?
─ ぜったい無理です。

そうですよね。でももちあげられないダメな私って思わないでしょ?
─ 思わないですね。

じゃあ、8000m級の山を単独無酸素登頂するとしたら、登れない?
─ 登れなくても当たり前じゃないか、って思っちゃいますね。

でしょ?登れなくてだめなわたしとは思わないでしょ?
じゃあ、42.195kmを走るとしたら、走れます?
─ それは・・・トレーニングを積んだら、もしかしたら。

そうでしょ?おもしろいんですよね。この3つの質問をすると、最初の2つの質問は「できません」っていう。でも3問目には、「練習すればできるかも」ってみなさん必ずおっしゃるんです。

片づけも同じ。
まず靴の紐を結び、ジョギングからはじめたら、必ずいつかは42.195kmのゴールに到達できる、そういうものなんですね。
トレーニングがいるんですよ。トレーニングをしていないのに、片づけられないダメなわたしって言っているほうがおかしいの。42.195kmはトレーニングしたら走れるような気がしているんでしょ?だったらできるよって。

ただ家の中にどれだけモノが堆積しているか、どれだけ無意識に堆積させているかっていうことに気づいてないだけ。けっして片付けられないという本質的な問題を抱えているわけではないんですよ。

片づけが得意な人はたまたまそちらにそういう才があった、自分はそうじゃなかった、というだけのことなんです。
だって、わたしも得意じゃないですもん、片づけ(笑)。

減点法から加点法で自分をとらえる意識改革

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

わたしたちは、「目標設定しなさい」って育ち方、育てられ方をしますよね。もちろん必要なことです。でも、なまじ目標を設定したばかりに、その設定したポジションからまだそこに到達してない自分を責めるんです。

たとえば、テーブルの上にモノが山積みだと茫然としませんか?どこから手をつけたらいいかわからなくて。そして、目標をテーブルの上になんにもない状態って設定するわけです。
すると、一個とりのぞいても、目標からみたら、まだまだなんですよね。そうするといやになっちゃう。
目標を設定したばかりに、そこまで到達してない自分を責めて、まだまだダメだってやっちゃうんです。

そういう思考習慣、自分のとらえかたが蔓延しているなってすごく思うんですよ。
つい未来ばかりをみて、その勝手に想定した未来から常に今の自分を見下げる。そういうことにみんな陥っていないだろうかって。
断捨離はそういうとき、1個取り除いたから299に減った、前より1つ減った、って考えるんです。減点法じゃなくて加点法でとらえる。

目標として設定した何もない状態にはなっていないかもしれないけれど、前よりは1つ減ったでしょ。2つ減ったでしょ。ということは、前よりも一歩階段を上がれたんじゃない?目標に一歩近づいたんじゃない?二歩めも近づいたんじゃない?って。それが断捨離。
つまり、減点法から加点法で自分をとらえる意識改革でもあるんですよ。

そうやってトレーニングを積んでいくと、いきなり10個減らせるときがくるわけです。で、前より10個、15個減り、その分快適になっていく。もちろん目標、着地点はどんどん設定してください。でも、着手点、つまり「今の自分」だけをみてください。その繰り返し。そのトレーニングです。そしてそこで必ずほめるんですよ。自分で自分を。
つまり、自分を責めないでっていうところから断捨離は始まるんです。
逆にいうと、それだけ責めている人が多いんですよ。当たり前のことができない、ダメなわたしって。

他者受容、それも断捨離の大事なプロセス

─ やましたさんが断捨離をしてきて、一番最後まで取捨選択に迷ったモノは何ですか?
自分にとって難しかったのは本、でしたね。
どうして捨てられないかというと、知性あふれる私への執着がそこにあるわけです。本をたくさん読んで知性ある私。コンプレックスの裏返しなんですよね。そこへの葛藤があるから、ついとっておこうとする。そことの戦いでしたから。

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

─ なるほど・・・。わたしは、本のほかにも思い出深いモノ、たとえば写真やアルバムなどを捨てられないんですが。

「捨てられない」のでなく、じつは「捨てたくない」んじゃないかしら?
捨てたいのなら捨てればいいし、捨てたくないなら捨てないでとっておけばいい、それだけのことなんです。

ところが「捨てられない」っていう。そういうと、なんだかすごく自分で自分を責めているように聞こえませんか?

─ そうですね。本来捨ててもいいモノのはずなのに、自分がしがみついてもっているような・・・

そうでしょ?「もういらないし・・・」って、頭では捨てる必要性を感知しているわけですよね。ところが心が同意していない。
「まだ使えるかもしれない。高かったし、いつかそのうち・・・」って、心が捨てるのを拒否している。つまり「捨てたくない」わけですよ。でも、頭は捨てろといっている。頭と心がけんかしているわけです。そうすると疲れちゃう。だったら、捨てなきゃいいんです。
「ああ、わたしはこれを捨てたくないんだ」って自分で自分を承認してあげればいい。そうすると、心がちゃんと動き出して、自分が見えてくる、やがて判断できるようになるんです。
だから、無理にやらない。まして人のモノはぜったいにやらない。

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

─ 人のモノ・・・夫婦や親子の関係だと、たとえ相手の持ち物でも「これゴミだわ」って思うとつい捨てたくなりますが。

それは一切やってはならないこと。自分にとってはゴミ・がらくたでも、相手にとっては宝物かもしれないですから。

わたしたちは人のモノのほうが邪魔だし憎たらしく感じるから、その問題は常につきまとうんです。なわばり争いのようなもの。モノを置くことによって自分を主張しているわけですね。
とくに男性にとって、モノは自分を証明する証拠品のようなモノなんです。
だから奥様が断捨離にはまると男性は必ず「なんだ、俺も捨てる気か」って必ず言うの(笑)。
きっと、モノに自分を投影してるのね。

だからこそ、お互いの前提の違いに気づき、受け入れていく。
「また変なモノを集めてきて!」じゃなくて「あなたはこういうモノが好きなんだね」って受け入れる。他者受容、それも断捨離の大事なプロセスなんです。

自分で自分を承認するように、相手を承認する。
承認したって雰囲気が伝われば、相手は安心して、むやみやたらとモノにしがみつかなくなるんですよ。証拠品を集めて、自分を主張する必要がなくなるから。
殻がはがれるように、モノをためこまなくなる。そうなる可能性はいくらでもあるんです。

─ 「片づけろ」って言われることもなく、ただこちらが断捨離をしてスッキリしていく姿を見せたら、逆に気になるでしょうね。

そうそう。断捨離で空間が整っていき、「ごきげん」になっていく姿を見ていたら、「なんか面白そうだな。じゃあ俺も」ってなるんですよ。人間って楽しそうなことには興味をもつものなんだから。
「あなたのモノがあるから家が片づかないのよ!捨てなさいよ」って怒りしかなかったら、伝わるわけがない。
それに・・・他者を尊重するには、自分自身を尊重してないと出来ないんですよ。

だから、片づけられないダメなわたしとか、捨てられないダメなわたし、目標にはまだまだほど遠いわたしって、自分で自分を卑下することこそダンシャる。その発想を逆転させる。デフレスパイラルからエンジェルスパイラルに変えようとするのが大事なんです。そうすれば自分も、やがては周りも変わっていく。

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

断捨離3つのごきげん化計画

─ これからやりたいこと、夢はなんですか?

ちょっと妄想的な話になるんですが(笑)、断捨離3つのごきげん化計画っていうのがあるんです。

まず、1つめは、「ごきげんな人」を作る。それが着地点、目標で、着手点はもてなし。
まず自分をもてなしてごきげんになろう、と。人をもてなそうと思ったら、まず掃除をするじゃないですか。
だから、同じように自分をもてなすため、ごきげんになるために、まず健康で安心、しかも開放感に満ちたスペースづくり、居場所づくりをしていこう、と。


そこからはじめて、「ごきげんな地域」を生んでいきたいんですね。
つながりがあって、開放的で、しかも安全な地域。地域有縁社会。それを着地点にして、着手点は町並みを再生していこうじゃないかと。住んでいることに誇りがもてるような町並み、そこにいることに気がつこうよと。それが2つめ。

それがさらに進んだら、「ごきげんな地球」。
森林の保全と海の浄化、都市の緑化が果たされたごきげんな地球を願っているんです。そのための着手点は間伐材の活用かな。
植えられたまま放置された人工林がちゃんと間引きされて、呼吸を取り戻していけるように。家にモノがたくさんあったら息が詰まる。だから断捨離をして、呼吸空間を取り戻す。それといっしょですよね。森が、地球が深い呼吸をできるように。

そんなイメージがあるんです。だけど、あまりにも壮大すぎて(笑)
でも、やるのはここからよ、と。目の前の「わたしのごきげん」からからスタートして、ここにいくぞ、って思っています。

読者からのQUESTION

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

「今まで、いろんな方々が断捨離されている様子をみてきたなかで、一番思い出深いエピソードを教えて下さい。」

断捨離をされる方に起きることって、取捨選択もその人オリジナルだし、その結果もその人オリジナルで、すべて面白いんですよ。
ただその中でも、まったく思考が停止していた、感覚が鈍化していた人が、断捨離をしながら自分を回復していくプロセスが垣間見えるエピソードが好きですね。

たとえば、あるセミナー受講生さんの話なんですが・・・。
「ほかは片づけんだけど、食器棚だけはどうしたらいいかわからない。もうぎちぎちで、つまりきっている状態で、ここだけがどうしてもできない」っておっしゃるんです。
聞いてみると、食器棚の中身が全部、お姑さんがこれはいいモノだからってくれたモノなんですよ。引き出物でこんなモノをもらったとか、とにかく一式全部お姑さんの好みがつまっている。
でも彼女はそれが自分の好みでないってことにさえも気づかないくらい、感覚が麻痺していたんです。
ただぎちぎちにつまっている食器棚をみて茫然としている状態で、「こんなにいらないのはわかっているんだけど、どうしたらいいのかわからない」って。

で、セミナーを受けた後、彼女は改めて食器棚に向かい合って、食器を全部出したんですね。そうしたら、食器棚がつまりきっていたから、(食器が)すっかり汚れていて・・・それを磨きながら、涙がこぼれてきたっていうんです。
「ぎちぎちにつまって、こんなに汚い状態のままにしておいた食器棚。わたしは自分のこともこんな風に扱ってたんじゃないか」と、そう思えてきて泣けてきたって。
そうやってきれいに磨いた食器を今度は戻そうとするわけですね。すると今度はひとつも気に入った食器がないってことに気がついた。
お姑さんがくれたモノだからって20何年間考えないようにしていたけれど、はじめて向かい合ってみたら、ひとつも気に入ったモノがなかった。そして食器をちっとも楽しんでいなかった自分がいたと。

インタビュー(後編)クラター・コンサルタント やましたひでこさん

それで、とりあえずそこで食器を半分にした。前よりはお気に入りが残ったわけですね。そうしたら家族が、「お母さん、こんないいグラスで水が飲めるってうれしいね」って言い出したと。
そのとき初めて、自分の好みで生活を築いていいんだってことに許可を出せた。小さいようだけど大きな喜びを取り戻せたって。

お姑さんと同居しているわけでもないのに、振り回されて、自分で自分をしばってがんじがらめだったんですね。
でも、そういう状態にいた自分に自分で気がつき、自らの手でモノをしぼりこんでいきながら自分をとりもどし、回復させていった。それはほんとに本人しかできないこと。そういう話が心に残っていますね。

前編はこちらから

やましたひでこさんプロフィール

やましたひでこさん

東京都出身。現在石川県在住。大学在学中に入門したヨガ道場で、心の執着を手放す行法哲学「断行・捨行・離行(だんぎょう・しゃぎょう・りぎょう)」に出会う。
その後、この考え方を応用し、だれもが実践できる片づけ術「断捨離」を提唱、2000年頃からクラター(ガラクタ)・コンサルタントとして「断捨離セミナー」を全国各地で開催してきた。セミナー参加者は年々増えてきている。
著書に『新・片づけ術 断捨離』(マガジンハウス)、『ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術』(宝島社)、最新刊『新・生き方術 俯瞰力』(マガジンハウス)がある。

公式サイト 断捨離.COM : 日々是ごきげん 今からここからスタート
http://www.yamashitahideko.com/

※平成24年10月1日現在の情報です。

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