ただ笑っているだけが落語と思ったら大まちがい。痛烈なほど面白い落語が、ふと気がつくと人間の心の深いところにある何かを垣間見させる---これが小三治落語の魅力かも知れません。その世界には特殊なケースの人ではなく、ごくあたり前の我々の身近なところにいる暖かい血の通った人物がいます。哀しみも歓びも現代人と共通する生きた人間がいるといってもいいでしょう。
最も実感のある高座を聴かせてくれる柳家小三治。近年の充実ぶりと進境には目を見張るものがあり、ますます脂の乗る小三治から、その先の芸風がとても楽しみです。この『独演会』では、上・中・下を”通し“で演じ切る「子別れ」から、わずか十数分ながらも爆笑に次ぐ爆笑を巻き起こす「小言念仏」まで、壮年期の脂の乗り切った全17席を収録。江戸の世界が生き生きと甦ります。
収録内容
[DISC:1]
1.子別れ(こわかれ)(一)
[DISC:2]
1.子別れ(こわかれ)(ニ)
[DISC:3]
1.猫の災難(ねこのさいなん)
2.粗忽の釘(そこつのくぎ)
[DISC:4]
1.大山詣り(おおやままいり)
2.厩火事(うまやかじ)
[DISC:5]
1.味噌蔵(みそぐら)
2.小言念仏(こごとねんぶつ)
[DISC:6]
1.茶の湯(ちゃのゆ)
[DISC:7]
1.鼠穴(ねずみあな)
[DISC:8]
1.文七元結(ぶんしちもっとい)
[DISC:9]
1.芝浜(しばはま)
[DISC:10]
1.百川(ももかわ)
2.厄払い(やくばらい)
[DISC:11]
1.宗論(しゅうろん)
2.出来心(できごころ)
[DISC:12]
1.提灯屋(ちょうちんや)
2.かんしゃく