
担当路線が中国の場合、深夜着、現地早朝発というスケジュールでステイとは決して呼べない短時間の滞在になることがほとんどです。ですが、前回の北京ステイは、珍しくお昼過ぎに到着し、翌日のお昼過ぎに出発するという、24時間強の滞在時間がありました。この時間を利用して、万里の長城に!と、誘われたのですが、寝不足もあり、今回はパスしてしまいました。こんな時でもないと、万里の長城に行く機会はないかもと思ったのですが・・・。 ちなみに、万里の長城までは、北京市内から車で約1時間。タクシーをチャーターするか、北京市内の前門もしくは、動物園から出ている観光用の路線バスで行くのがオススメです。万里の長城は、中国の距離の単位「里(1里=0.5キロメートル)」で数えると、1万里を超えることから、この名前がついたそうです。万里の長城に登った際はぜひ、登城証明書を発行してもらいましょう!
この日は、現地スタッフと夕食の約束をしていたので、その時間までは、仮眠して過ごすことにしました。いざ、タクシーで出発すると、帰宅ラッシュの時間だったからか、環状線は、車、車、車・・・。中国って・・・いや、北京って、学生の時の教科書で見る限り、自転車、自転車、自転車・・・のイメージなのに、実際は、どこの国とも変わらない風景。笑 高校生の時、イギリスで、「日本人ってサムライばかりなんでしょ?」と友人たちから聞かれたことがあるのですが、このような勝手なイメージと一緒ですよね・・・。笑 すみません、蛇足でした。とにかく車がたくさんですごかったのです。

タクシーで渋滞の中、走ること、約40分。日本大使館などがあるエリアに到着!
北京ダックをリクエストした私を連れて行ってくださったのは、「義和雅苑」というお店。北京ダックが有名なこのお店の店内は想像以上に、清潔で、キレイなところでした。

まず、ドリンクのメニューを渡されたのですが、驚いたことに、中国語しか書いてないのです。学生のころ、第二外国語で習った北京語を思い出すも、さすがに、飲み物のメニューには、苦戦。ジュース類はわかるものの、ワインに至っては、全くもって理解不可能でした。せめて、国名や、ワイン名だけでも英語表記があれば・・・。といっても、有名どころのワインは、全く置いておらず、お手頃ワイン中心で、見たことのないエチケットのお写真ばかりでした。そんな中、ワインリストの最初のページに、ど〜んと紹介されていたのが、中国粮油食品有限公司が所有する「GREAT WALL」(万里の長城)ブランドのワインたち。要するに、「中国」でつくられたワインということです。厳密には、北京のお隣の「河北省」だそうです。そして、さらに驚いたのは、この「GREAT WALL」(万里の長城)ブランドのワインは6段階くらいあり、他の国の、どのワインよりも高価だったことです!せっかくの北京なのだから、と、このワインをいただくことにしました!現地では、このワイナリーのワインが美味しく、値段が高いことでも有名だそうです。
皆さま、中国のワイン・・・どう思いますか?飲んだことはありますか?以前、私のセミナーで、「山東省青島」の「チャンユー カベルネ」という赤ワインを提供し、産地を当てていただくクイズをしたことがあり、その時の参加者の皆さまの反応が良かったのを覚えています。そのワインのぶどう品種は、「蛇龍珠」という中国で付けられた呼称で、ヨーロッパの主要品種、カベルネフランの一種だそうです。ですが、カベルネソーヴィニョンとカベルネフランの自然交配種との説もあり、謎に満ちたブドウなのです。その時の皆さまの反応としては、中国でワインがつくられていること自体に驚いているようでした。
お味はというと、セミナーの時の「チャンユー カベルネ」と同じく、今回の「万里の長城ワイン」も、悪くないのです。印象としては、フランス、ボルドーの若めのメルローが強め、プラス、カベルネソービニヨンを合わせた感じでしょうか。まだまだ、フレッシュな黒系果実のような香りで、重さはさほどないのですが、きちんと黒ブドウの感じがあるのです。若干、酸味を強く感じるのが、残念なところでしたが、ブラインドテイスティングしたら、「中国産」なんて言葉、出てこないのではないでしょうか。脂の多い中華料理に合わせてつくられているのかもしれません。
こちらのレストランのワインの提供方法は、ボトルから小さなデキャンタに少しだけ移し、そのデキャンタからグラスに注ぐ方法でした。最後までその繰り返しなのですが、大きなデキャンタがないからなのか、長城ワインのサーヴの仕方なのかわかりませんでしたが、斬新なサーヴでした。


メインの北京ダックは・・・というと、ジューシーで美味しかったです。メインランドでは、皮だけでなく、身もいただき、さばかれた後の骨の周りのお肉も調理してくださるのです。なので、まるまる1羽、無駄無く食すのです。最初にさばかれた頭のお肉がお客さま用ということでしたが、見た目にやられ、私は遠慮してしまいました。本来、脳みその部分も食すのだとか・・・。皮目の部分は、お砂糖を付けて食べ、弾ける食感を楽しみました。身もたくさんありましたので、お腹いっぱいいただいてしまいました。甘い濃いめのタレが、赤ワインと美味しいマリアージュでした。こんなに中国ステイを満喫したのも久しぶりでした。
日本ではなかなか入手できないかもしれませんが、機会がありましたら、ぜひ、中国産ワインを召し上がってみてください!!!きっと新たな発見があるはずです。

義和雅苑


大手メーカー 客室乗務員・ソムリエ
航空会社に入社後、ワインに興味を持ち勉強を始め、ワインの知識を乗務に生かす傍ら、ソムリエとしてフランス農務省の仕事も手掛ける。ワイン講座等の講師としても活動。
社団法人 日本ソムリエ協会 ソムリエ取得、WSET(Wine & Spirits Education Trust)資格取得、イカロス・アカデミー(CA養成学校)講師、チーズプロフェッショナル協会 チーズプロフェッショナル資格取得、絵本作家、SSI認定 唎酒師
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