肌掛け布団は中わた量が少ない、夏用の掛け布団です。肌掛け布団の中素材は、合成繊維や再生繊維、シルクなどさまざまです。側地の組成はガーゼやタオル、素材もコットンやリネンなど、こちらもバリエーションがあります。比較的早い時期から使用でき、真夏もエアコンと併用できるだけでなく、秋口まで使えるので近年人気の布団です。

側地の肌ざわりが好きなもので選んだり、中素材で吸放湿性が高いものを選んだりするとより快適に使用できます。

ダウンケットは、中素材であるダウン（羽毛）の量がシングルサイズで約0.15kg〜0.2kgと羽毛布団よりも少ない、夏用の羽毛布団です。
ダウンケットは軽いのにふんわりと暖かく、羽毛が持つ吸放湿性により、爽やかに眠れます。丸洗いできるものを選ぶと夏場汗をかいても衛生的で、快適に使用できます。

ガーゼとは、目を粗くして織ったものを指します。ガーゼケットは、ガーゼを二重・三重に重ねた作りのため、空気を含み軽いのが特徴です。通気性が高く丸洗いもできます。やわらかな肌ざわりなので、赤ちゃんの寝具にも多く使われます。

綿素材のガーゼケットも多いですが、リネン素材でさらっとした質感のものや、レーヨンなど再生繊維のとろっとした質感の製品もあるので、素材の好みで選んでください。

タオルケットは生地が薄手で、タオルと同じパイル地でできています。吸水・吸湿・放湿性に優れており、寝汗の不快感を抑えられます。薄手なので洗いやすくて乾きやすく、清潔な状態を手軽に保つことが可能です。タオルケットの素材は綿が一般的で、他にもレーヨン混素材でなめらかな肌ざわりのものもあります。

布団カバーによっては、夏の掛け布団として代用可能なものがあります。布団カバーを掛け布団に使用する場合、生地が二重になるので寒いことはありません。おすすめ素材は、綿やシルク、リネンなどです。布団カバーはオールシーズン使用可能で、使い勝手がよいのが特徴です。

夏場の睡眠中にエアコンをつける場合、エアコンによる冷えすぎを防止するためにも、夏でも中素材入りの掛け布団を使用しましょう。
肌掛け布団やダウンケットなど、中素材の量が少ないタイプの掛け布団がおすすめです。

ただし、エアコンの温度を下げすぎたり、一晩中つけていたりすると、乾燥や体温の過度な低下を招くおそれがあります。エアコンの設定温度は室温を26度以下に保てるよう設定するのがおすすめです。

エアコンをつけても、まだ暑さや寝苦しさを覚える場合もあるでしょう。寝苦しいからと布団を掛けないと、部分的に体が冷えてしまう可能性があります。夏でも掛け布団を使わないで寝るのは避けましょう。
布団を掛けるのが苦しいなら、長さが掛け布団の半分のハーフケットを使い、お腹だけは布団を掛け、冷え対策をしておくのがおすすめです。

夜間はエアコンを使わずに、扇風機のそよ風を感じながら眠る人もいます。扇風機を使用する場合、エアコンほど室温が下がらないから布団はいらないと考えるかもしれません。しかし、そよ風によって不均一に体を冷やすと、体調不良の原因にもなりかねないため、冷え対策は必要です。
扇風機を使う場合は、ガーゼケットやタオルケットなど、比較的軽めの素材を使用しましょう。

夏場の快適な睡眠環境は、室温は約25度、湿度は50％程度が目安といわれています。人は夜になると体温が明け方まで下がり続けます。その結果、夏でも肌寒さを感じることがあります。眠っている場所にエアコンの風が当たる場合は、寝た後に体が冷えてしまう可能性があり、対策が必要です。

冷え対策としては、適切な掛け布団を使用するのが重要です。寒がりの人は、自身の体質や好みに応じて、保温性の高い掛け布団を選びましょう。

夏の掛け布団は肌に直接触れることが多く、寝汗もかきやすいことから汚れやすい特徴があります。たとえ通気性がよくても寝汗をかくため、しばらく使った状態のものは清潔とは言えません。夏の掛け布団は丸洗い可能で乾きやすいものだとお手入れがしやすく、いつでも快適な状態を保てます。

素材に着目し、普段の生活のなかで負担なくお手入れができるものを選びましょう。

布団と身体の間にできる空間の環境を寝床内気象（しんしょうないきしょう）といい、一般に快適とされる寝床内気象の目安は、温度が33度前後、湿度は50％前後と言われています。快適な寝床内気象を保つには、寝具の湿度と温度のバランスが欠かせません。夏の掛け布団も素材を間違えると、寝床内の湿度が不快になり、寝苦しさを誘発します。

快適な状態を保つためには、よく汗を吸って乾きやすい、吸湿・速乾性に優れた素材がおすすめです。一般的にコットンやリネンなどの天然素材は吸湿・速乾性に優れており、快適な寝床内環境に導きます。

肌ざわりは季節や好みによって、よさが異なります。夏の暑い日であれば、リネンやシルクなどのサラッとした素材や、ひんやりとした冷感素材が多く好まれます。心地よい肌ざわりの布団にくるまることで、安心した眠りに導かれます。季節と好みに合った布団を選ぶよう意識してみましょう。

掛け布団の重さは体に圧迫感を与え、人によっては負担になることもあります。人は寝返りを打ちながら温度調節をしています。重さによって寝返りが打ちにくくなると、温度調節がしにくくなり、寝苦しさにつながります。リラックスした状態で眠れるよう、寝苦しさを感じない軽めの素材の掛け布団を選びましょう。

夏の掛け布団は夏だけでなく、毛布の代わりとして冬場に使うこともできるので、実は長く使うことができます。冬場も使うことを想定する場合、側地が接触冷感素材になっている掛け布団は避けた方が良いでしょう。

季節ごとに掛け布団を取り替えるのが面倒という人は、肌掛け布団と合掛け布団がセットになった2枚合わせ布団を選べば、季節によって使い分けしやすいのでおすすめです。夏は肌掛け布団1枚で使用し、春や秋は合掛け布団1枚で使用します。冬になったら、2枚合わせで使用することで、温かさを確保できます。

夏は汗をかく量が多く、布団はその汗を吸い取っています。汗を吸い取った布団はダニや雑菌の繁殖がしやすいので、清潔を保つためにもこまめに丸洗いしましょう。掛け布団が大きくて自宅で洗えない場合は、コインランドリーを利用することで解決できます。ただし、素材によっては洗えないものもあるため、品質表示をよく確認しましょう。

羽毛が中素材に使われた布団は、自宅で洗うのが難しいものも多くあります。洗えない素材は、晴れた日に干して乾燥させましょう。夕方になると湿気が高くなり、布団を干しっぱなしにしていると湿気を吸収してしまいます。干す際は、日が高く空気も乾いている午前10時〜午後3時ごろに干し、乾いたら素早く取り込みましょう。

汗を吸った布団には、雑菌の繁殖だけでなく、ダニやほこりがつきやすくなります。布団についたダニやほこりは掃除機で取り除きましょう。また、布団乾燥機の併用もおすすめです。掃除機を使う際は、ゆっくりと布団をなでるように吸い取ります。適度に手入れし、ダニの繁殖を防ぐようにしましょう。