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花が咲いていない休眠期の冬も、やるべきことは意外とあります。
作業ポイントは、冬剪定、植えつけ、植えかえ、元肥、病害虫対策、水やりです。開花に向けて準備をしましょう。

冬剪定

剪定を怖がらないでください。四季咲きのバラなら、思い切ってバッサリ切ることが大切。
多少短くても長くても大丈夫、花はちゃんと咲きます。

初めての人は難しく考えず、すべての枝を「ヒザ下」に切り揃えましょう。それでOKです。
余力があったら、中央の枝だけ株元から切ってください。バラにとってはちょっとした刺激になって横枝が出やすくなります。
一緒に、枯れた枝や細枝も根元から切ってあげましょう。

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼ すべての枝はヒザ下でカットすべし。
▼ どれか一本は株元より切るとなお良し。
▼ 株の中央を空かすべし。

思い切った剪定が必須!基本は「ヒザ下で切る」

12〜2月は、冬剪定のシーズンです。この時期、バラは休眠期にあたるので、深く切りつめても枯れてしまうことがありません。
栽培の手引書には、『中剪定は〜、強剪定は〜』と目的に応じた指南が書かれています。何回かバラ栽培を経験した方は、それをもとに実践を積んでください。
花数を増やしたい、立派な一番花を咲かせたい、など目的や品種にあわせ、ベストな方法を探っていくのもバラと暮らす醍醐味です。

バラ栽培が初めての方、剪定の方法がイマイチ分らない......という方へ。
アドバイスは、「四季咲きならすべての枝をヒザ下で切る」。意外と簡単だと思いませんか?

さらに、「中央の枝を株元から切る」と、より元気で丈夫な株になるばかりか、中央を空かすことで、内側の枝が込み合わず、生長しやすいというメリットもあります。
まだ剪定していない人は、今すぐにハサミを持って庭に出ましょう。
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・四季咲き


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どれが中央の枝に当たるかは、上から見るとわかりやすい。

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理想的な切り方。芽の上5mmを目安に。

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豪雪地帯の場合、剪定は株元から5cm程度とかなり深めに切る。有機のマルチングでカバーして雪除けに。

・一季咲き

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系統によってそれぞれ異なるが、基本はツルバラの剪定を参考に、細い枝や、すべての枝先を30cmカットする。

まずはすべての枝先を切る!ツルバラの基本は枝の整理

ツルバラの剪定は、主に枝の整理のために行ないます。
いわゆる悪い枝(未熟な枝、3年以上の古い枝、細枝、生長すると込み合いそうな内側の枝)を間引くのが基本。
「忙しくて剪定ができない」という年は、全ての枝先を軽く切り戻してみるだけでも構いません。枝先は未熟で、花つきが悪い部分だからです。
そして、古い枝を株元からカットし、昨年伸びた新しい枝を母枝(中心)として誘引します。

とはいえ、誘引の際に這わせたいスペースに新しい枝がない、というときは、古い枝を使うことになるので、剪定する枝は、全体のバランスを見ながら行なうほうがよいでしょう。
誘引作業と剪定は、同時に行なうほうが効率的です。

生育期に古い枝を切ると、株全体が枯れることがあります。
加えて、作業中に芽を傷つけたり、落としたりするので、芽が膨らむ前に誘引作業は済ませたいところ。
誘引・剪定は12〜1月頃に済ませましょう。

ツルバラ

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼すべての枝先をカットすべし。
▼芽が動き出す前に行なうべし。
▼昨年伸びた枝をメインにするべし。

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残しておくべき枝と切ってよい枝の材料判断はハサミの手応えでも分かる。
良い枝は「パチン」とい堅い手応えと音、悪い枝は「クシャクシャ」「サクサク」というふかふかの手応えと音がする。

ツルバラの剪定は、昨年伸びた枝にたくさんの花をつけるので、その枝を中心に残し、混み合っていらない枝を整理するのがポイントです。時間がなくて誘引を解くこともできない!なんて年は誘引したまま、「すべての枝先」「明らかに古い枝」をカット。木立性のバラ同様、中央の枝を株元から切ると新しい枝が出やすくなりますので、これも誘引を解かずに株元にハサミを入れてしまいましょう。

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植え付け

植えかえ、植えつけも今!3月まではケアシーズン

植えつけ適期は2月下旬から3月中旬頃まで。大苗を購入したら、まず2時間ほどバケツに根を浸し、水を吸わせてから植えつけて。
鉢苗は根鉢を崩さず植えつければいつでもOKです。

鉢栽培は今が植えかえのシーズン。
生長に合わせ6号鉢は8号鉢、8号鉢は10号鉢へと、ふたまわり程度大きめの鉢へ植えかえます。
ただバラは乾き気味のほうが、根がしっかり張る植物。無理に大きめの鉢にする必要はありません。
根鉢を小さくして、新しい培養土に植えつけるなら同じ鉢でも大丈夫です。
 店頭にはまだ大苗が並んでいるはず。植えつけもまだ間に合いますので、お目当ての品種があったらぜひトライしてください。
その他、本格的な春が来るまでにしておきたい作業をまとめてみました。ちょっとの手間で、今度咲く花が大きく違ってきますよ。

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼根鉢は2/3より小さく!
▼初心者が根を水で洗うのは厳禁。
▼植えかえ時肥料は不要。

・地植え

1. 60cm程度の植え穴を掘り、用意しておいた腐葉土や乾燥牛糞、堆肥などの有機物をスコップ2杯以上加えよく混ぜ合わせる。
※植えつけの際に根が乾かないように気を付けて。
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2. 苗の接ぎ目が地表から3cmくらい上に出るよう底土を調整しながら、肥料を配合した土と根は直接触れないよう注意し、苗を中央に置く。
裸苗の場合は根を広げて伸ばしながら植える。広げた根の上にかぶせていく。
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3. 水やりのための溝(ウォータースペース)を残しておく。バケツ2杯分の水を少しずつ、時間をかけて静かに回しかける。
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4. 水が引いたら残りの土を再び戻し、接ぎ目が地表からやや出るくらいに盛り上げ、土を押さえておく。

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・鉢植え

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植えかえ

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼根鉢は2/3より小さく!
▼初心者が根を水で洗うのは厳禁。
▼植えかえ時肥料は不要。


鉢栽培はこの休眠期が植えかえのチャンス。作業中に根が切れても2月下旬までは大丈夫です。
根に比べ大きすぎる鉢を与えてしまうと、土の保水性が高まり根腐れするのでご注意を。
また植えかえの際、根を水で洗う人もいますが、バラにとっては激しくアカスリされるような行為です。避けてください。

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根鉢を1/3落として。古い根は取り除く。この時期、土が崩れ落ちても問題なし!

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植えかえるのは同じ鉢か、2回り大きめの鉢で。

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大きな鉢の場合、抜くのが大変であれば図のようにシャベルで土を1/3以上取り出し、新しい土を入れればOK。

元肥

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼植えつけ・植えかえ後1ヵ月から。
▼初心者は置肥が安心。
▼株元に肥料を近づけない。


肥料は、地植えでも鉢植えでも初心者の人には置肥がおすすめ。
特に、鉢植えでは肥料を土に混ぜ込んでしまうと根を傷めることがあるので注意が必要。
置く場所も、株元から離して置くのが鉄則。緩効性の有機肥料は、根にも株にもやさしくおすすめです。
植えつけ・植えかえの1ヵ月後から始めます。

・地植え
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・鉢植え
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鉢植えなら鉢の縁に。庭植えなら株元から40cmほど離れた位置に。
有機肥料が犬やネコに食べられてしまう環境では10〜20cmほどの深さに埋めてもいい。

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病害虫対策

病気対策のカギは先手必勝!健康管理に気を配って

マルチング材の取りかえ時期です。
有機物素材を使用しているなら、古いマルチング材は捨てずに、そのまま土に漉き込んで。肥料だけでは補えない、栄養素を補給することができます。

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼有機物のマルチング材を使用。
▼古いマルチング材を土に漉き込む。
▼新芽5cmでウドンコ病対策を開始。


病気になってから手を打つより、予防に努めるのが大切。普段から最低限の健康管理に気を配ることで、健全な生育が期待できます。
マルチング材を毎年取りかえるのもそのための作業です。
また、新芽が5cmぐらいになったら、ウドンコ病対策として、市販の薬剤の予防散布をスタートさせます。
休眠期も、水やりは朝に行いましょう。特に、植えたばかりの頃は乾燥厳禁!
常に若干湿っているぐらいが理想です。

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漉き込む際に土を耕すことで、土中に空気を含ませることもでき一石二鳥。

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有機物のマルチング材とは、バークチップ、敷きワラ、腐葉土など。
落葉した葉も使えますが、明らかに病気になっているものは取り除いて。

水やり

水やりは休眠期でも朝に!
地植えは植えつけたばかりの苗なら1週間に1回(2年目以降は不要)、鉢植えなら1週間に1〜2回と、犬の散歩のような毎日の日課の水やりは厳禁です。
過湿は根を腐らせます。常に若干湿っている程度が目安です。
とはいえ、鉢栽培の場合、あまりに乾いてると、芽が動き出していざ水やり開始!となっても土が水を吸わなくなります。冬もバラと会話をしましょう。

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼水やりはいつでも朝に。
▼植えつけ直後の乾燥は特に厳禁。
▼乾燥しすぎたらバケツに浸ける。

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土が乾き過ぎて、水を与えても底からすぐに流れ出るようだったら、2〜3時間鉢ごとバケツに浸ける。
空気が抜けて、水が土中に行き渡るはず。コガネムシの幼虫対策にも有効。

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Garden&Garden 特別編集

「大好きな草花に囲まれて暮らしたい」「もっと自分らしい庭をつくりたい」そんな思いを持ったガーデナーに向けて、等身大のガーデンライフをガーデニング季刊誌 Garden&Gardenにて提案。 「いかに使うか」や「どう過ごすか」で、庭やベランダがもう一つのリビングに大変身。インテリアを楽しむように、自分にあった素敵な空間をつくるヒントを発信しています。

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