照明の熱、光、空気
忘れられない舞台からの景色
海宝さんとミュージカルの出会いは、彼がまだベビーカーに揺られていたころまで遡ります。3歳上の姉が『アニー』に出演していたため、劇場は物心がつく前から身近な場所でした。楽屋裏で出演者やスタッフにかわいがられる中で、ミュージカルが好きな気持ちは自然と育まれていったといいます。
「当時の家での遊びといえば、もっぱらミュージカルごっこ。実家のホームビデオには姉と一緒に歌って踊る映像が残っています」。小学校に上がる直前、劇団四季のミュージカル『美女と野獣』のオーディションを受けたのも「記念みたいなもの。遊びの延長という感覚でした」。ところが結果はまさかの合格。家族も驚く7歳のデビューを飾ります。
小学4年で『ライオンキング』のヤングシンバ役に抜擢され、父ムファサとともに舞台に踏み出したときの光景が今でも忘れられません。「照明の熱、光、満員の客席。あれこそが自分の好きな、ステージでしか味わえない感覚なんだと思います」。当時の海宝さんにとって舞台は、好きという純粋な気持ちで突き進める場所だったようです。
子役時代を終え、「一度は別の道を考えたこともあった」という海宝さんですが、高校卒業間際に受けた『ミス・サイゴン』のオーディションに合格したことで、迷いを断ち切り、大人の俳優として生きていく覚悟を決めます。

