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水郷の街、柳川(福岡県)の庭園・その1「旧戸島氏住宅と庭園」

居場英則

少し前の記事で、今年7月に福岡県に仕事で出張した際に訪れた緑化事例の記事を書きました。

今回はその続編で、同じ福岡県でも中心部市街地の博多から少し離れた、「水郷の街」として知られる

「柳川」へ足を伸ばした際に見てきた庭園についてご紹介したいと思います。

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柳川は、福岡市の中心・博多の市街地(天神)から、西鉄天神牟田線で約45分の、筑後地方の主要都市です。

市内を掘割が縦横に流れることから、「水郷の街」と呼ばれています。

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柳川は、かつて柳川藩10万9000石の城下町として栄えた街です。

その城下町に作られた掘割は、大きなものから小さなものまで多数あり、

その水路を「どんこ船」で巡るのが、柳川の観光目玉となっています。

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僕が柳川を訪れた今年の7月中旬は、九州地方が記録的な暑さで、

観光客が楽しみにしている「どんこ船」も、日陰のない運行ルートのためか、

この日はいつもの運行ルートではなく、短い距離の往復になりますと観光案内所で言われて、

乗るのを躊躇ってしまいました。

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実際、暑さと日差しで、全く「どんこ船」に乗る人もおらず、水路は閑散としていました。

このあたりは、水路に面してお宮さんが建っていました。

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まず、最初に向かったのが、「旧戸島氏邸・庭園」。

江戸時代後期に建てられた侍屋敷で、一時は、柳川藩主・立花家も所有した建物で、福岡県指定有形文化財に

指定されています。

また、庭園は国指定名勝となっています。

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こちらは、「旧戸谷氏邸・庭園」前の歩道。

この辺りだけが、低い生垣が歩道の両側に設けられていて、少し異質な雰囲気を漂わせていました。

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こちらは、手前の空き地から見た「旧戸島氏邸」の建物。

生垣に囲まれて、茅葺き屋根の母屋が見えます。

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もう少し近づいてみましょう。

綺麗に整えられた茅葺き屋根の建物は、数寄屋風の造りになっていて趣きがあります。

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こちらが玄関です。

見学は、ここからではなく、建物の裏側からアプローチするようになっています。

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解説によると、数寄屋風の意匠の中に、「月」や「月見」がテーマとしてあったらしく、

玄関正面の壁には、三日月型のデザインが施されています。

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入場料を払って、建物の中へ入らせていただきました。

武家屋敷とはいうものの、当初から隠居後の生活のために設計されているようで、

各部屋の間仕切りや建具など、随所に数寄屋風の意匠が施されています。

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別アングルです。

続き間が、建具で複雑に繋がっています。

昔ながらの日本家屋の構成が、とても懐かしい感じがします。

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こちらの木製建具には、梅の花が描かれていて、とても印象的でした。

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そして、本題の庭園が障子の向こうに見えてきました。

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手前には、建具で仕切ることができる畳みの空間がつながり、その奥に半屋外(いわゆる「中間領域」)の縁側。

その縁側は、細い柱で支えられた「下屋(げや)」に守られている感じ。

そしてそのさらに奥に、瑞々しい緑の庭園が広がっています。

まさに、日本家屋の美しさが凝縮されたような空間です。

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こちらが、国指定名勝の「戸島氏庭園」。

主座敷から広縁越しに眺める池泉鑑賞式の庭園となっています。

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柳川の街に張り巡らされた「柳川城堀」の水を引き入れ、その流れがL字型にカーブを描いて、再び柳川城堀へと

排水されていくように設計されているそうです。

池の手前には、「州浜(すはま)」が設けられ、対岸には護岸の石組も見えています。

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下屋(げや)と広縁で構成される、いわゆる「中間領域」と呼ばれる空間。

軒裏の美しい仕舞いの下屋、そしてその下屋を支える細い丸柱に、部屋と外部空間との境の薄い建具(障子)。

そして、外部空間の犬走りとその奥の庭園。

まさに、日本家屋の美を表現した空間です。

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こちらは、下屋と広縁の反対側。

こちらには、軒下に手水鉢も設置されていました。

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そのさらに奥の渡り廊下的な空間。

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建物が複雑に雁行していて、部屋が角部屋になって、とても心地良さそうです。

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こちらは、部屋の中から、玄関方向の前庭を見たアングル。

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ズームレンズで、少しクローズアップしてみます。

障子が開いたところから前庭が見えるとともに、その隣の壁面に穿たれた窓からも、切り取られた庭が見えます。

この辺りのチラリズムも、なかなか粋な感じです。

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こちらは、玄関横の前庭。

踏み石が並べられた簡素な前庭です。

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こちらは、玄関横からのアングル。

こちらも、細い丸柱が、簡素な軒を支えていて、とても美しい意匠です。

最初は、柳川藩の中老・吉田兼儔の隠宅として江戸時代後期の寛政年間に

建築されたそうですが、その後、藩主・立花家に献上され茶室として

用いられたとのこと。

明治以降は、立花家から旧柳川藩士の由布氏、そして戸島氏へと所有が移り、

庭園が国指定の名勝になったようです。

その後、建物も柳川市に寄贈され、解体修理が行われた後に、文化施設として

公開されています。

とても素朴な庭園と建物ですが、一見の価値あり!です。

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「旧戸島氏邸・庭園」を後にして、再び、水路(掘割)の見える場所に移ると、

炎天下の中、「どんこ船」で観光されている風景に出会いました。

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細い水路に掛かる橋に迫っていきます。

このままでは橋にぶつかってしまう、どうするのだろうと見ていると・・・。

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なんと、観光客も船頭さんも、腰を屈めて橋の下を潜っていきました。

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急いで橋の反対側へ行ってみると、何事もなかったように、

どんこ船は水路を進んで行きました。

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結局、僕は「どんこ船」には乗らず、陸から水路を眺めるだけでした。

この後、柳川名物の「うなぎの蒸籠蒸し」を食べて、次なるスポット「柳川藩主立花邸・御花」へ向います。

次回の「柳川藩主立花邸・御花」の大名庭園も素晴らしいです。

乞うご期待を!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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