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専門家「風景」をつくるガーデニング術

美しきダリアの花、奈良県営馬見丘陵公園のダリア園

居場英則

ここしばらく気温もぐっと下がり、秋らしくなってきました。

秋に咲く花もいよいよ見頃を迎えますが、秋の花の王者といえば、やはりダリアではないでしょうか?

今回は、そんな美しいダリアの花の写真をご紹介したいと思います。

とはいっても、我が家の庭にはダリアはないので、僕の住む奈良県が運営する「馬見丘陵公園」の

ダリア園で咲くダリアの花をご紹介いたします。

「県営馬見丘陵公園」について、馴染のない方も多いと思いますので、少しご説明しておきましょう。

県営馬見丘陵公園は、奈良県の中央部にあたる香芝市・広陵町・河合町など2市3町にまたがる

標高70m程度の低い丘陵地で、付近は馬見古墳群などの古墳の集積地となっています。

高度経済成長の時代に、大阪のベッドタウンとして開発が進む中で、自然や古墳群を保全するため、

50haを越える広大な面積を誇る都市公園として整備されました。

四季折々に咲く花が植栽されて年中楽しめる公園ですが、中でもダリア園は様々な品種が育てられ、

僕も毎年のようにダリアが咲く季節になると訪れています。

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写真は数年前に県営馬見丘陵公園を訪れた時のものです。

ダリアの最盛期は10月。

毎年、この時期になるとフラワーフェスタが開催されています。

写真は、ダリアの花を敷き詰めたインフィオラータ(フラワーカーペット)の様子です。

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インフィオラータといえば、チューリップなどの花でつくられるイメージがありますが、

ここではダリアの花でもつくられていました。

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ダリア園は、広い公園内の北エリア、花見茶屋の近くの一角に作られています。

そんなに広いエリアではないのですが、満開のダリアの花が所狭しと咲き誇っています。

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ダリアは背が高く伸びる品種が多く、倒れないように支柱が取り付けられています。

矮性のダリアには支柱がないものもありますが、その多くは支柱付き。

支柱が林立して風景としては少し残念なのですが、花はキレイに見ることができます。

全体的に背が高いので、人は隠れてしまって、ダリア園の中は迷路のようになっています。

今回は「風景」としてではなく、「ダリアの花の造形」そのものの美さにフォーカスして、

以下、ご紹介していきたいと思います。


ダリアはキク科ダリア属の多年生草本植物の総称で、地下に根が肥大した球根(塊根)ができる植物です。

かつてダリアといえば、大輪咲き、ポンポン咲きのイメージでしたが、

品種改良により、最近では様々なバリエーションの花が次々に生み出されています。

ダリアは、3万品種以上もあると言われていますが、

今回は、県営馬見丘陵公園のダリア園の中で特に目についた、

美しい花の品種を選りすぐってご紹介したいと思います。

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こちらは、「エモリーポール」という品種で、世界最大の巨大輪ダリアと

言われています。

花が大きく重いので、支柱をしないと倒れてしまいます。

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こちらも「エモリーポール」。

「デコラティブ咲き」という咲き方になるそうです。

花弁ひとつひとつも大きく、とても存在感のあるダリアです。

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こちらも大輪品種で「エルマエリザベス」。

ダリアは、蕾から開花へ至るまでの過程がとても美しい植物です。

その花の変遷の様子を、このエルマエリザベスの変化を見ながら

ご覧いただきましょう。

写真は、蕾がほどけ始めた頃の様子。

どこかSF映画に出てくる未来の造形のようです。

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更に咲き進んで、外側の花弁が開いてきました。

中心部の花弁は、まだメタリックな雰囲気のままです。

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だいぶ色が落ち着いてきました。

この頃の花形が、一番美しい造形美を備えているように思います。

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そして、開き切った姿がこちら。

花弁が外に反り返って、花自体が一回り大きくなったように見えます。

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こちらも大輪品種で、「大朱盃」というダリア。

朱赤の花色がとても印象的な品種です。

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こちらは、その「大朱盃」の花の裏側。

あまりダリアの花の裏側を注意して見ることはないと思いますが、

ダリアの花の裏側は、こんな風になっているのです。

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こちらも大輪品種で「キューティ」。

開きかけの花の中心部に、何層にもわたって花弁が折り重なっているのが分かります。

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上の写真の少し前の状態。

見方よってはメカニックでもあり、サイケデリックでもあります。

地上のものとは思えないような不思議な造形です。

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こちらも大輪品種で、有名な品種のひとつ「リド」。

オレンジ地の花弁の先端が白く、花姿がとても整った品種です。

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咲き進むと、全体がオレンジ色へと変わって行きます。

「デコラティブ咲き」と言われる、とても豪華な咲き方をするダリアです。

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「リド」のアップ。

ひまわりにも似た、「太陽」を思わせる美しい花です。

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こちらは、一風変わった咲き方のダリアで「ショーンテル」という品種。

サボテンの花のような咲き方で、「カクタス咲き」と言われています。

黄色からオレンジへとグラデーションする花色と、細長い花弁が特徴的で

花火を連想させます。

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こちらも「カクタス咲き」のダリアで、品種名は「淑女」。

まるで海に棲む生物のような花姿をしています。

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こちらは、とても個性的な花姿の品種で「大正ロマン」。

絶妙なネーミングで、レトロな風情を感じる花です。

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咲き進むと白く色が抜けて、花弁の先に口紅をつけたような妖艶な姿に変わります。

反り返る花弁の縁にピコが残り、百合の花のようなとても印象的な花です。

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こちらは「サフラン」という名がついたダリアで、「スイレン咲き」品種です。

鮮やかな蛍光ピンクがとても印象的です。

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スイレンの花のような花弁の開き方が特徴です。

ガーデンの中でひと際輝く、ダリアです。

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白系統のダリアも美しいです。

こちらは、「銀映」という品種。

全体的に白色ですが、うっすらとピンクや紫色が乗ってとても上品なダリアです。

赤やオレンジなど、秋色のイメージのダリアの中で、こうした淡い色合いのダリアもとても美しいです。


ここまでは、背丈の高い大輪品種や中輪品種のダリアをご紹介してきましたが、

ここからは、僕の好みの背丈の低い(矮性の)中輪~小輪品種のダリアを紹介したいと思います。

背丈の低いダリアだと、支柱なしで自立して育てることもできますので、

ガーデンの中でもナチュラルな風景をつくりやすくなります。

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こちらは、「ブライダル」という品種。

写真のように、腰の高さで咲く品種で、支柱はありません。

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こちらも「スイレン咲き」品種で、美しい花形をしています。

数株まとめて咲かせると、花も群になって風景をつくります。

一輪の美しさを愛でる大輪系のダリアも良いですが、個人的には

このような群になって咲かせるタイプのダリアが好みです。


次のダリアは、県営馬見丘陵公園で見たダリアの中でも、

最も美しい花ではないかと、驚きを覚えたダリアです。

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「調和」という品種名が付いた、白と赤のツートンカラーのダリアです。

一見すると、ダリアとは思えないような「和」の雰囲気を持っています。

黒い背景の中に、赤と白が浮かび上がり、葉の緑とも相まって

素晴らしい調和を醸し出しています。

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このダリアも、腰の高さで咲き、支柱もなく、こんもりと茂り、

まとまった風景を作っています。

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赤と白という日本国旗を想起するような配色と整った花姿から、とても日本的な風情を感じます。

椿のような印象を与える、大変美しいダリアです。

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花には個体差もあるようで、こちらの花は白の部分が大きく、

より鮮烈な印象を与えます。

是非、育ててみたいと思うダリアですが、この品種の球根を

売っているところが見つからないのです。


続いても、とても美しいダリアです。

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こちらは、「円満」という品種。

背丈はとても小さいのですが、花は大きく「ボール咲き」という咲き方で

まさにボールの形(球体)をしています。

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ひとつひとつの花弁の形が美しく、鱗(うろこ)のようです。

しかもアプリコット色のグラデーションが、人々の目を惹きます。

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まさにパーフェクトな花形を持つダリアです。

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この「円満」という品種は、とても背丈の低い品種で、

このダリア園の中では一番小さかったです。

少し樹勢は弱いように感じました。

また、花が大きく重いので、背丈は低いですが、支柱は必要なようです。

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続いて、こちらは「春の錦」という品種。

こちらも着物の柄かと見間違うほどの美しい花です。

花には個体差があって、オレンジ色単色のものから、

オレンジ色から白へグラデーションするものもあります。

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まさに息をのむ美しさというのは、こういう風景なのではないでしょうか?

自然が作り出す「美」に感心するばかりです。

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光が差し込み影ができると、より立体感が増します。

美さにしばし見とれてしまいます。

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こちらは、有名品種で「セクシーポーズ」。

「ポンポン咲き」品種です。

淡いピンクを帯びた花色が、艶やかなネーミングに通じます。

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こちらは、「うず潮」という品種。

「スイレン咲き」になるでしょうか?

中心部がほのかにピンクを帯びて、とても色気のあるダリアです。

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こちらは、「声望」という品種で、花の中心部にボタンアイのような

黄色い芯があるのが特徴です。

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こちらは、「花衣」という品種。

マットな花色が特徴的で、写真は光を浴びて花自体が発光しているように

見えています。

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こちらは、「宝梅」という品種。

小輪の「ポンポン咲き」品種で、特に赤紫色の渋い花色が気に入っています。

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こちらは、「オレンジクッション」という品種。

切れ込みのある花弁がとても印象的で、渋みのあるオレンジ色に

秋の趣きを感じます。

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こちらは、「祝杯」という品種。

先に紹介した「調和」と同様、こちらも赤と白のツートンカラーの花ですが、

透明感のある「調和」に対し、こちらの「祝杯」はマットな感じ。

こちらの方が、より椿に似た「和の趣き」のダリアです。

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最後は、こちら「彩」という品種のダリア。

「コラレット咲き」という珍しい咲き方をするダリアです。

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一見すると、ダリアとは思えないような不思議な風景をつくっています。

艶やかで、とても目を惹く品種で、庭植えしても他の植物とよく調和してくれそうなダリアです。


如何でしたでしょうか?、奈良県営馬見丘陵公園のダリア園のダリアたち。

まだまだ紹介しきれない美しいダリアの花がたくさんありますが、誌面の関係上、今回はここまで。

ダリアの花は、花色や花形など、その咲き方も多種多様で、とても魅力的です。

また、ダリアの花はとてもフォトジェニックで、写真に収めるだけでもとても楽しいです。

関西在住の方でしたら、是非一度、奈良県営馬見丘陵公園のダリア園にも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?

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【 奈良県営 馬見丘陵公園・ダリア園 について 】

   住所:奈良県北葛城郡河合町佐味田2202

    TEL:0745-56-3851

     ※ 詳しくは、以下↓の県営馬見丘陵公園のHPをご覧ください。

      http://www.pref.nara.jp/1780.htm

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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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