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専門家「風景」をつくるガーデニング術

2025年春、ツツジの旅・その6(久留米市世界つつじセンター・前編/ガーデン編)

居場英則

10月からスタートした、「九州・福岡県久留米市にツツジの庭園を見て回ったレポート記事」の第6回目。

今回は、このツツジを見に行く旅で、最も楽しみにしていた場所、「世界つつじセンター」を

ご紹介したいと思います。

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実は、この「世界つつじセンター」、このツツジを見に行く旅で、初日と最終日の2回見に行きました。

それほど、見事なツツジの風景が印象的でした。

隣接する「久留米ふれあい農業公園」の駐車場に車を停めて、中に入っていきます。

この駐車場は、大型の観光バスも停めることができるようになっていて、

この日も観光バスで来園された観光客の方が多くいらしていました。

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こちらが、「久留米市・世界つつじセンター」の入口です。(入場料は無料でした。)

こちらの施設は、平成元年4月、久留米市の市政100周年事業「世界つつじまつり '89くるめ」において、

世界各国から収集した貴重なツツジ類の保存育成、開発、生産販売を目的として建設されたそうです。

約1ヘクタールの敷地には、世界のアザレアなど、約1,600種 21,000本(整備時点)を植栽した母樹園や、

世界のアザレアなどの貴重な品種を保存する母木室、ガラス室、増殖用のミスト室などの施設があり、

国内最大級のつつじの品種を保有している、とのことです。

今回、2日間も訪れたこともあり、たくさんの写真を撮ってきたので、屋外のガーデン編(前編)と、

屋内・温室編(後編)の2回に分けて、この施設の魅力をご紹介していきたいと思います。

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園内に入って、まず目に留まったのが、こちらの石庭とツツジの競演。

荒々しい岩の後ろから、ツツジの花が豪快に咲いて、とても美しい風景です。

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アングルを変えて、もう一枚。

寺院の石庭で見られるような、丸く刈り込んだツツジではなく、自然樹形のまま、岩間で花を咲かせているのが

とても好みの風景です。

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出鼻からテンションが上がってしまって、何枚も同じような写真を撮ってしまいました。

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少し寄ってみると、こんな感じ。

岩の前後に配置されたツツジは、赤やピンクでも微妙に花色が異なり、まるで錦絵のような感じです。

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石庭の横からは、圃場のよう場所に遠路が張り巡らされ、そこかしこに大株のツツジが、

見事な樹形で花を咲かせていました。

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ピンクや赤のほか、白い花のツツジもランダムに配置されていて、まさに桃源郷のような趣きです。

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少し高いところからは、奥に巨大な温室が見えています。

温室の中の様子は、次の「後編」でご紹介したいと思います。

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手前の圃場のようなところから、奥の温室のところまで、所狭しと様々なツツジの品種が育てられています。

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駐車場(ふれあい農業公園)から入ってきた方向を見たアングル。

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こちらは、反対側(南側)の耳納山系を見たアングル。

緩やかに下っていく園路に沿って、多くのツツジが植えられています。

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このあたり(写真右側)には、まだ植えられた年数の経っていない幼株のツツジも見えています。

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こちらには、立派な樹形のツツジが並んでいます。

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この辺りも、交配して新たな品種のツツジを育てているのかと思います。

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この辺りは、逆にかなり大きく育ったツツジがまとまって植えられていました。

まさに山の中で咲いているような風景で、僕はこんな感じの風景に憧れます。

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そんな中で、僕の目に留まったのが、こちらのツツジ。

鮮やかなピンク色の花弁に濃淡があって、とても可愛らしい。

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花のアップはこんな感じ。

品種名が書いてなかったので、品種名が分からないのですが、とても美しいツツジでした。

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こちらは、白、ピンク、赤の花が入り混じった品種で、おそらく「常夏」というツツジ。

我が家の中庭で育てているのと同じ品種かと思います。

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この辺りは、自然樹形で、大きく枝を張り出した赤いツツジ(おそらく、筑紫紅)。

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こちらも、大株で、斜め上に張り出すように枝を広げた、見事な樹形のツツジです。

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この辺りには、遅咲きの品種でしょうか?

ほぼ満開のタイミングでしたが、この辺りのツツジは、まだ蕾が開いていない状態のものも多かったです。

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新品種でしょうか?、鉢植えで育成中のものが並べてありました。

この施設では、販売しているツツジはほぼなかったように思います。

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こちらも興味深い風景で、思わず撮影した一枚です。

斜面地に、折り重なるようにツツジが配置され、咲き誇っていて、とても重層感のある光景でした。

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アングルを変えてもう一枚。

鉢植えでも、立派な大株に育てられていました。

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屋外のガーデンをぐるっと回って、最初の石庭のところまで戻ってきました。

大きな岩(景石)を立てた前に、鉢植えのツツジが置かれています。

白いプラ鉢が目立っていたので、できれば地植えして欲しいところです(笑)。

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この景石も見事ですが、それを引き立てるツツジも見事です。

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一般的な日本庭園では考えられないほど、たくさんのツツジが岩(景石)の周りを取り囲んでいますが、

全部同じ品種ではなく、様々な色合いのツツジが織りなすハーモニーを感じます。

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石庭の向こうに、ちらっと三角屋根の温室が見えています。

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温室の側まで来てみると、こちらにも立派な大株のツツジたちが、何本も鎮座していました。

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こちらにも。

幹も相当太いですし、かなりの年代物と推測されます。

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いかがでしたでしょうか?、「久留米市・世界つつじセンター」

さすが、「世界」と名前が付くだけのことはある、素晴らしいツツジのコレクションです。


次回の「後編」では、温室の中をご紹介します。

温室の中でも、世界中から集められたツツジの仲間が多く育成・展示されていました。

乞うご期待ください!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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