難易度★★

ハオルチアの生育期は春と秋。春の４〜６月、秋の９〜１１月にかけて成長し、真夏と真冬は休眠します。
軟葉系と硬葉系に大別され、軟葉系はぷっくりと膨らんだ葉の先端に、透明感のある「窓」と呼ばれる部分があるのが特徴です。自生地では株の大部分を土や岩、木の隙間などに隠し、この窓の部分だけを地表に出す事で、光を効率的に取り込んでいます。
硬葉系は窓はありませんが、小さなアロエのようなツンと尖った硬い葉を持つのが特徴です。双方共、強すぎる直射日光にさらされ続けると赤く変色したりシワシワになってしまいます。少し遮光された明るい環境で管理をします。

基本的にお日様は好きですが、強すぎる直射日光にさらされるのは苦手です。
室内の窓辺で管理する場合はレースのカーテン越しのような環境が適しています。成長期に屋外管理する場合は、明るい木陰くらいの方が綺麗な透明感のある葉を維持できます。直射日光にさらされると、一気に赤く変色しますので、ちょうど良い環境が見つけられない場合は、寒冷紗を使って遮光した環境を作ってあげます。
そして風通しも大切です。高温多湿環境がとても苦手なので、室内栽培している場合、暑い時期は扇風機などで空気の循環を作ってあげると良いでしょう。寒さは苦手なので、冬は室内管理が基本です。

植え替えは、春の場合は４月、秋の場合は９月と成長期の早目の時期に行います。
植え替えする日に向けて、土をしっかり乾燥させておく事が大切です。鉢から抜き取った株は、優しく土を落とします。茶色くなった古い根っこがあれば、清潔なカッターやハサミで切り取り、虫などがついているようだったらそれも取り除きます。その際、外側の汚い葉っぱが付いているようだったら、それも取り除きます。手で簡単に取れます。
子株がついているようだったら、それも切り離します。（株分けは「株分けの方法」を参考に）一回り大きな鉢と、サボテンや多肉植物用の土でも構いませんが、できればご自分でブレンドするとより良い土が作れます。赤玉土（小粒）、鹿沼土、軽石（小粒）を１：１：２の分量で混ぜ、緩効性肥料少量を混ぜて土を作ります。
植え替え時に、根っこがしっかり鉢の下に向かって広がるように植えてあげる事、そして葉っぱの部分が土に埋まらないよう（深植えにならないよう）に植えます。土を入れる時は、隙間に土が入るよう細い棒で突いたり、鉢を揺すったりして隙間にもきちんと土が入るようにします。その後たっぷりと水をやってしっかり水を行き渡らせます。葉の隙間に水が溜まったままにならないように、風通しの良い場所においてしっかり乾かします。
植え替えは２〜３年おきに行います。（もしハサミなどで根を切った場合は、数時間切り口を乾かしてから植えましょう。）

水やりは、土が完全に乾いてからたっぷりあげましょう。ジョーロのハス口などを利用して、鉢の底からたっぷり出るくらいしっかり水をやります。葉の隙間に水が溜まってしまった時は、息を吹きかけて水を飛ばして溜まったままにならないようにします。また風通しの良い場所でしっかり乾かすのも大切です。休眠期の夏と冬は、極力水を控えます。
もし室内で育てている場合（室温が１５〜２０度）であれば成長期と同じように管理をします。
肥料は、緩効性肥料もしくは液肥を成長期にあげます。

コナカイガラムシやアブラムシが発生することがあります。これは見つけ次第取り除きます。
虫が広がると葉っぱ同士の隙間などなかなか取りづらく、虫の排泄物からすす病を併発して著しく見た目が悪くなったり、放置すると株自体が弱ってしまうので、早めの対処が必要です。
スプレー状の殺虫剤もしくは、浸透性の薬剤を根から吸わせる方法がおすすめです。
病害虫対策として、一番は適した環境に置く事、そして日々の観察がとても大事です。

軟葉系と硬葉系に大別されるハオルチアですが、実際はそれらの系統の中でもさらに細かく系統別に分かれています。
代表格は、ハオルチア「オブツーサ」。ハオルチア といえば、これが多く紹介されています。他にも三角形の窓が美しいコレクタやスプレンデンス、葉に産毛をまとった「ベヌスタ」、扇のように広がった葉が個性的な「玉扇」、葉を途中でスパッと切ったような面白い葉形の「万象」は人気の品種です。
硬葉系の代表格は、縞模様の美しい「一二の巻」がよく知られています。他にも、三角形の葉が交互に上へ上へと伸びていく「ビスコーサ」、亀甲模様がなんとも美しく硬葉系の中でも少し透け感のある「テッセラータ」など品種は多岐に渡ります。

子株が出てきたら、植え替えのタイミングで株分けも行いましょう。子株がある程度育っていると、手で簡単に取り外せます。
植え付けは植え替えを参考に行います。子株を切り離す時に、根に傷がついたり、ナイフなどで切り離した場合は、切り口からバイキンなどが侵入して病気になったり、腐ったりするのを避けるため、数時間半日陰で切り口を乾かしてから植え付けをします。植え付け後はたっぷりと水をやります。

ハオルチアの軟葉系はその窓の透明感が魅力ですね。窓がくすむ原因は幾つかあります。
水切れしてしまった。日光量が足りなかった。もしくは日が当たり過ぎた。冬寒すぎる環境下にあった場合もくすんだりします。どれか思い当たる節があれば、置き場所や管理方法を検討してみて下さい。また紫オブツーサなど緑のものに比べて少しくすんだ印象のものもあります。

ぷっくり膨らんだ葉の可愛らしさと同時に、透明感のある窓が光を通して輝く様子がなんとも美しいハオルチア。別名クリスタルプラントと呼ばれるのもうなずけます。

一見、奇抜な見た目から栽培が難しいように見えますが、乾燥にも強く、少ししおれてからでも案外復活しやすい性質の植物。だから、ちょっと水やりを忘れたぐらいでは枯れない、強健な植物とも言えます。
品種は多岐に渡り、一般的に多く出回るものから、マニアを虜にするような貴重なものまであり、値段も品種や希少さによって様々です。
ハオルチアの魅力にはまって、様々な品種をコレクションする人、名前をつけてペットのように可愛がる人、自分なりの交配品種を作る人もいます。１つ育てたら、あなたもきっとその虜になる事間違いなし？！かもしれません。