難易度★
苗植え４月〜６月、９〜１０月　収穫４〜１０月　花期７月〜８月

簡単に育てることができるハーブの１つ。地面に植えると四方八方に広がり、手に負えなくなることも。鉢植えや花壇など囲われた場所をミント用と決めて育てるのがオススメです。

基本的にはお日様が大好きですが、強すぎる真夏の日差しで葉焼けすることもあります。朝日がたっぷりあたり、午後少し木陰になるような場所が一番適しています。

新しく出た新芽を収穫します。そのためにも小まめに剪定、収穫することで、枝葉が増え良い形に茂ります。そのままにすると、株内部が蒸れて葉が落ちたり、害虫の発生につながります。

ミントは交雑して雑種がでやすい植物です。また近くに植えていると、強い品種だけがはびこってしまう事も。品種の個性を守りたい場合、違う品種は近くに植えずに、鉢ごとに栽培します。また種ではなく挿し木で増やす事で、品種を維持します。

※ペニーロイヤルミント、コルシカミントなど、交雑しにくい品種もあります。

鉢植えはすぐに根がいっぱいになり、地植えでは広がりすぎるので、レンガなどで囲ったエリアをミント専用として育てるのがオススメです。そこがいっぱいになったら、根を半分ほど抜き取り、新たな土を入れるなどして、根詰まりしないよう育てます。鉢植えの場合は、深さはそれ程必要ありませんが、できるだけ大きな鉢を選ぶといいでしょう。

たくさんの種類がありますが、ペパーミント、スペアミント、アップルミント、パイナップルミントが多く出回る品種です。これらは葉を食用に使用できます。ですが、虫除けなどの効果があるとして使用されるペニーロイヤルミントは毒性があり、食用には向きません。コルシカミントはその他のミントに比べて丈が低く、グランドカバーに使われます。

・ペパーミントは、ほのかな甘味の中に少しスッとした清涼感のあるのが特徴。ウォーターミントとスペアミントの交配により作られ、ミントの代名詞にもなっています。生の葉をそのままサラダなどに使用するなら、この種類がオススメ。・スペアミントはもっとも清涼感のあるミント。殺菌・防腐効果のあるメントール成分が多く含まれ、お茶やモヒートなどのドリンクにオススメ。・パイナップルミントは、りんごのような甘みと清涼感を持つアップルミントの園芸品種で、葉に白い斑が入るのが特徴。カラーリーフプランツとして見栄えも良いです。・コルシカミントはグランドカバーにオススメ。ただ耐寒性がないので、そのうちに枯れてなくなってしまう事も。

放置すると、下枝部分が枯れ込んできます。ですので、どんどん枝を切り詰め収穫しながら育てます。晩秋もしくは春先に一度地面から５〜１０cm程に切り詰めると、春に下から新芽がたくさん出てキレイな姿に育ちます。

ミントはとても簡単に挿し木ができます。枝を切って下の部分の葉を取り水に挿すだけで、１週間もすると根が伸びてきます。それを地面や鉢に植えることもできますが、ポット苗に植えて少し大きく育ててから植えた方が確実です。時期の良い春もしくは秋に行います。

肥料は多くは必要ありません。葉が黄色くなった時は、鉢植えなどで根詰まりした時にそうなる事が多いです。新たに植える時は、鉢植えは培養土で、地植えは堆肥や腐葉土をすき込み、土の水はけ、水もちを良くしておきます。鉢植えは肥料分が流れやすいので、様子を見ながら、たくさん収穫したり、切り詰めた後には、薄めた液体肥料を施します。

庭植えは根付いてしまえば水やりは必要ありません。鉢植えは、乾いたらたっぷりが基本です。特に乾きやすい夏場は水が切れないよう気をつけます。また鉢植えの場合、根がいっぱいになった時にとても乾きやすくなるので、そうなったら株分けをして植え替えをします。

ペニーロイヤルミントの香りにカメムシを避ける効果があると認められています。さらに強健でよく広がる事から、田んぼの畔に植え、稲をカメムシから守る対策を取る自治体もあります。農薬を撒かずに害虫対策でき、さらには花も美しい事から、環境と景観に優しい減農薬の１つの方法として注目されています。

摘みたての葉は、お湯を注げばフレッシュティーに、水に入れるだけでもスッキリとしたミントウォーターが楽しめます。乾燥させてドライハーブとして保存すると長く楽しめます。西洋では、刻んだミントに酢と砂糖を混ぜたミントソースがラム肉の付け合わせとして使われます。

葉や茎が白いをまぶしたようになります。見つけ次第患部を取り除きます。葉が混み合い風通し、日当たりの悪い環境化でかかりやすくなります。発生初期段階であれば、少量の重曹やお酢を水で薄めたスプレーの散布も効果的です。

気づいたらたくさんの虫に食べられて葉がボロボロなんて事も。まずは日頃から観察して、葉が食べられていたら芋虫がどこかにいるので、探して捕殺します。あまりに被害を受けたら、下の方から切り戻してまた新しい葉をふかします。ヨトウムシは日中株元の土の中に潜んでいる事もあるので、少し土を引っ掻いてみると捕まえることができます。

風通しが悪く蒸れると、葉裏に茶褐色の斑点がでるさび病にかかる事があります。別の植物に感染るといけないので、患部を取り除き薬剤散布するか、蔓延しているようなら、株ごと抜いて処分します。特に発生しやすい梅雨時期には注意が必要です。

ミントは紀元前４０００年ごろから利用されたと言われており、紀元前３０００年には地中海沿岸で栽培が始まっていたと言われています。古代メソポタミアのバビロン王朝で紀元前１７５０年頃に記された世界最古のレシピと言われる粘土板が、フランスの歴史家、ジャン・ボテロによって解読され、そのレシピの中にミントの記述もあったとされています。古くから人の食に関わってきたハーブの１つである事は間違いなさそうです。

花を咲かせる直前が一番香り高い葉を収穫できます。花は通常夏に咲くので、その直前の５〜６月の晴れた日に収穫しましょう。そして、肥料をあげすぎると香りが落ちるので、肥料のあげすぎは注意します。

ミントは寄せ植えにはあまりオススメしません。成長も早くかなり強靭なので、他のハーブを押しのけて気づいたらミントだけになっているのが想像できます。できればミントだけで育てるのをオススメします。

簡単に育てられるミント。自宅で育てたミントを使って、色々な楽しみ方ができるのも、ミントの魅力の１つです。お酒が好きな人は、自家製モヒート、料理好きには、お肉の付け合せに作られるミントソース作りにチャレンジしても楽しいですね。もちろん摘み取ったフレッシュな葉をお茶にするのも簡単でオススメです。

そしてミントだらけになって手に負えなくならないよう、植える場所を必ず限定し、それ以上広がらないようにするのが鉄則です。もしくは減農薬のコメ栽培のように、この性質を十分に生かした植栽をするのもありです。性質を十分に理解して、ベストな場所に植える事がミント栽培成功のコツかもしれませんね。