「咲いた咲いた」の歌でよく知られた花、チューリップ。春を代表する球根植物です。可愛らしくも豪華な花は園芸初心者でも簡単に育てられるので、学校の花壇や公園などでも多く栽培されています。庭植えから鉢植え、切り花としても大変人気の花の１つです。

難易度　★
球根植え１０〜１１月　開花４〜５月　掘り上げ６月　７〜９月休眠

１０月頃に植え、冬を越して３月下旬〜５月に開花する秋植え球根植物。
花が終わると地下部分に新たな球根を作り、６月には地上部分は枯れます。

日本の高温多湿の環境下では、植えっぱなしにすると多くが地中で腐ってしまう事から、翌年も咲かせたい場合には、葉が枯れる梅雨前には球根を掘り上げ、ネットなどに入れ涼しい倉庫などで保管します。秋になったらそれを植えます。

ただ置き場所や病気など管理が難しい為、公共や大きな庭園などで植えられているものは球根の掘り上げをせず、毎年新たな球根を購入して植え付けています。

一年と割り切って毎年様々な色パターンで植え付けをするのも一つの方法です。
その場合は、花が終わったら球根を掘り上げて処分します。

夏が終わり秋の雰囲気が感じられるようになる９月頃、ホームセンターや園芸店でたくさんの種類の球根が一斉に売られ始めます。

球根から楽しみたい場合は、秋のうちに購入し、少し涼しくなる１０〜１１月には植えつけます。あまりに長い間放っておくと、芽や根が出てしまい、傷んだり、十分に育たなくなるので、遅くとも霜や雪が降る前には植え付けを終えるようにしましょう。

また暖かいうちに植えてしまうと、冬が来る前に芽を出してしまい、霜や雪で芽が傷んでしまうので、１０月までは待ちましょう。

もし購入するのを忘れてしまった場合は、１月頃から出回る芽出し球根と言って、芽の出始めた球根苗ポットが手に入るので、それを購入し植える方法もあります。

さらには２月頃に実際のチューリップに先駆けて、花付きのチューリップ鉢を購入する事も可能です。

最近では冷凍チューリップと呼ばれる、開花調整をした球根も比較的簡単に手に入るようになりました。チューリップが開花するためには一定期間、低温に当たることが必須条件です。
しかし、早い時期に冷蔵庫などで人工的に低温に当てる事で、擬似的な冬を経験した球根は、まだ寒い冬の時期から花を楽しむことができます。

開花時期が１２〜２月といった低温期なので、通常よりも長い時間花を楽しむことできます。

年末年始などイベントごとの多い時期に開花を楽しめるとあって、最近密かに人気です。

庭植えをする場合、球根の大きさ３つ分（１０〜１５センチ）の深さに植え付け、しっかり根を貼らせることもとても大切です。
球根の尖った部分が芽が出る方向なので、上に向け植え付けます。

庭植えの際は綺麗に並べて植えると面白みがないので、球根をバラバラ手で撒くようにして配置します。

また、下草を一緒に植える場合は、その隙間に下草を設置し、端から球根と下草を置いてある場所にそのまま植え付けるようにします。
そうする事で、すごく自然な雰囲気の花壇を作ることができます。

鉢植えで育てる場合は、培養土を使用し、深い鉢に植え付けたほうが根がしっかりと成長します。
庭植えのように球根３個分の深さに植え付けるのは難しいので、２個分ほどの深さに植え、 隣同士は１〜２個分を目安に間隔を開けて植え付けます。

球根同士をぎっしりくっつけ植えずに球根１個分離して植えます。
開花までの間、少し寂しい感じがするので、合間にパンジーやビオラを植えると冬のうちも華やかで、 また水やり忘れ防止にもなります。

一緒に植える下草とチューリップの色合わせを考えて植えると、素敵な感じにまとまります。

チューリップは基本的に日当たりの良い水はけの良い土地を好みます。地植えにする場合は、あらかじめ堆肥と腐葉土をすき込み耕しておきます。足元にパンジーなど一年草を同時に植える場合は、肥料分も混ぜ込みます。

芽が出始める２月に一度、蕾が開き始めたら２度目の肥料を施し成長を促します。

チューリップでカラーコーディネートをする場合、１〜３色ほどに絞り、色々な種類を混ぜすぎないのがポイントです。一年草や下草を組み合わせる時には、それらとの色合わせも考えて品種選びをするとおしゃれな雰囲気になります。

庭植えも鉢植えも乾燥防止にマルチングとして堆肥やウッドチップ、バークなどを表土敷き込むと、見た目もよくなり乾燥防止なるのでおすすめです。

開花後に花弁が落ちて葉にべったりくっつくと病気の原因になるので、咲き終わった花弁は取り除きましょう。

チューリップと言えばオランダのイメージですが、元はオスマン・トルコ帝国で栽培されていたものが１６世紀にオランダに伝わったとされています。

その後イギリスやオランダで品種改良が進み、その後チューリップの球根１つが豪邸が買えるほどの値段になるほど高騰し人々が熱狂しました。
直後価格が暴落し破産する人が続出、その経済的破綻は「チューリップバブル（チューリップ狂時代）」と言われました。

現在もオランダが球根栽培の世界的シェアを誇りますが、さまざまな国で品種改良は進められ、
日本国内でも新潟や富山は有名な産地で良質なチューリップの球根が毎年生産されています。

チューリップと一言に言っても、早咲のものから中生種、晩生種まであり、品種によって咲く時期が少しずつ違います。

また高さも品種によって違うので、それらを考慮した花壇計画ができるとさらに立体的で長く楽しめるチューリップガーデンを楽しむことが出来ます。

大抵チューリップの品種名と共に成長する大きさや咲く時期が記載されているので、それらを参考にします。

その他、原種も大変魅力的です。少し華奢で背丈も低く、よくあるチューリップより葉も細く繊細なイメージです。

原種を庭で楽しむ場合は、園芸種のようにたくさんの数を植えなくても、数個を園路やテラスの近くなどに少し植えるだけで、山野草が自然と出てくるような楚々とした雰囲気を演出でき、原種ならではの魅力が引き立ちます。また原種チューリップは掘り上げなくても数年は楽しめます。

おそらくウイルス病にかかっています。
ウイルス病は治らず、他のチューリップにも伝染するので、球根ごと取り除き処分します。

生育中にアブラムシが媒介者となり蔓延することが多いので、アブラムシがついたらすぐに殺菌殺虫剤で退治します。

チューリップの魅力はその色や花の形のバリエーションの多さです。まとめて売られている安価な一重咲きをベースにして、少し高価なフリンジ咲きなどを添えやアクセントとして取り混ぜて植えるのが比較的金額を抑えつつ、オシャレに演出できおすすめです。

合わせる下草はパンジー、ビオラの他に、忘れな草を植えてもいいし、ヒヤシンスやクロッカス、アネモネなどの他の秋植え春咲き球根を取り混ぜてもまた素敵です。

その他にも風にそよぐスティパやカレックスなどのグラス類やこんもりとしたボリュームの出るラベンダーの隙間に植え込んでもちょっと大人な雰囲気に仕上がります。

チューリップの花色合わせから初めて、慣れてきたら宿根草やグラスと組み合わせるなど色々試すと、色々なバリーションができるので、その年ごとに色々チャレンジしてみても楽しいですよ。