難易度★

本来の名前はフィカス・ウンベラータ。フィカス属に属する植物の１つです。
フィカスとつく名前の観葉植物は実は他にもあって、お馴染みのゴムの木やベンジャミン、ガジュマルなどが挙げられます。他の観葉植物同様、室内での管理をしますが、初夏から初秋にかけての暖かい時期には、屋外栽培も可能です。
基本的には春から秋にかけての暖かな季節に成長し、冬の寒い季節は成長が緩慢になります。室内で管理をしていると、ホコリが葉っぱの上に溜まるので、時々葉を水拭きしたり、葉っぱの裏表に霧吹きで葉水をかけて植物をより元気に健全に保ちます。

お日様は好きですが、直射日光は苦手です。レースのカーテン越しの明るく柔らかい光の当たる場所がベストです。
多くは室内栽培されますが、気温の高い時期（５〜９月くらいまで）に屋外で栽培も可能です。その場合、直射日光に当たると葉っぱが焼けてしまうので、置き場所は木漏れ日の当たるような、半日陰環境に置くと良いでしょう。室内で育てる場合は、東や東南向きの窓に近い、明るい部屋がおすすめです。窓からの直射日光でも葉焼けしますので、レースのカーテン越しで管理します。
比較的耐陰性は強い植物ですが、ほとんど日の当たらない環境に長期間置かれると、ヒョロヒョロと枝が伸びて間延びしたり、葉が黄色くなるので、ある程度の日照環境は必要です。エアコンの風が直接当たると、植物が痛むので直風の当たらない場所に設置します。

大きくなりすぎた時や、樹形を作りたい時に剪定が効果的です。好みの高さで良い感じに枝分かれをさせたければ、必ず剪定が必要です。幹をカットする事でいくつかの枝が出て、木のように枝がいくつも出る樹形になります。一本ただ上に向かって立ち上がるだけの苗を購入した場合は、成長初期に剪定を何度か繰り返して、好みの樹形を作ります。
枝を切る時期は、成長期初期の４〜６月に行います。剪定した後に、葉を吹いて回復する時間を十分に残してあげる事が大切です。秋以降冬にかけては木が寒さに耐えて、成長も緩慢になるので、その時期に大きな剪定は避けます。
枝をよく見ると節があり、その節に黒っぽい点があります。そこから新しい新芽が伸びるので、そのすぐ上を切れば、その箇所から枝が伸びてきます。どこへ枝を伸ばしたいかを見極めて剪定をする際に、この節と成長点を参考にするとより理想の枝振りに剪定できます。
幹を剪定すると、白い液体が出てくるので、布やティッシュなどで拭き取ります。洋服に着くと落ちにくいので気をつけます。また液が肌につくとかぶれる人もいるので、手袋をして剪定を行います。
切り落とした枝は、挿し木としても利用できるので、チャレンジしてみましょう。水を入れたコップに枝を挿しておくと数日で発根してきます。根がある程度生えてきたら、新たな観葉植物用の土と、今の枝サイズに見合った小さな鉢に植えます。

基本的に乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷりとあげます。湿乾のバランスがとても大切なので、しっかり乾いてからたっぷりあげるようにします。鉢底から出た水は貯めておかず、捨てます。常にジメジメ湿った状況になると根腐れを起こしますので避けましょう。
冬は成長が緩慢になります。秋口から徐々に水やりを控えて、冬は２〜３週間に１回程度でも大丈夫です。実際根が水を吸い上げる活動が緩やかになるので、徐々に土も乾きにくくなってきます。
肥料は成長期（４〜９月）に効くように緩効性肥料をあげます。肥料の種類によって効く期間が違うので、それぞれの肥料の効く期間を確認して施すようにします。

室内栽培をする場合、どうしても乾燥してハダニやカイガラムシなどが発生しやすくなります。こまめに観察する事で、発生初期に取り除いて大きな被害を受けないようにする事がとても大事です。
ハダニ予防に葉っぱへ霧吹きをするのはとても効果的です。成長期に定期的に行うと良いでしょう。カイガラムシは幹や葉についていたら、手や古い歯ブラシなどを使って地道に取り除きます。
専用の薬剤もあるので、薬剤散布をして防除する方法もあります。

植え替えは、最低でも２〜３年に一度、成長期に行います。特に４〜６月は、多少根にダメージを受けても復活しやすいので、おすすめです。植え替えをせずに放っておくと、鉢の中が根っこでパンパンになり、極端に乾きやすくなったり、うまく栄養が摂取できず葉が黄色くなったりします。
古い鉢から根を抜いたら、少し土をほぐして一回り大きな鉢に新しい観葉植物専用の土で植え替えをします。ハイドロボールなどで植えたい場合は、根をある程度ほぐしたら、水で洗いながら完全に土を取り除いた上でハイドロボールで植え付けます。
もし鉢を大きくしたくない場合は、根鉢を抜いたら、根っこをある程度大胆に切り詰めます。元のサイズの鉢に新しい土を入れて植え付けをします。その際に土の中に空洞ができてぐらつかないように割り箸などの棒で土を突きながら植えます。
根を大きく切り戻した場合は、根と葉の蒸散バランスが崩れるので、合わせて剪定をして枝を切りつめ葉を減らしてあげます。植え替え直後、特に根を切り詰めた場合は、明るい窓際から少し離れて少しいつもより木陰の状況で１週間ほど養生します。その状況で葉からの蒸散を抑えつつ、発根を待ちます。その後いつもの明るい窓際に戻します。

置き場所が急に変わるなど、環境が変わるとウンベラータが自分で葉を落としてしまう事があります。成長期であれば、またすぐに新たな葉っぱが吹いてきますので、引き続き通常通りの手入れをしていれば問題ありません。また真冬の寒さに当たることで、休眠状態になり葉を落とす事もあります。
耐寒温度は５度と言われ、それを下回ると成長を止めて休眠状態になります。それ以下の環境では枯れてしまうので、もし葉を落としたら、１０度前後の温度が保てる環境に移動し、乾かし気味に育てつつも、月１回程度水をやって現状維持を心がけます。温度が上がってきたら、水やりの回数を増やして成長を促します。温度の上昇と共に成長活動を始め、あたらしい芽が吹き始めます。

ウンベラータは基本的に日本の屋外での越冬は難しい植物です。
寒さを感じて葉を落とす事はありますが、まだ生きているか、ダメになったかの判断で一番わかりやすいのが、幹を触ってみる事です。しっかり硬い幹であれば大丈夫ですが、ぶよぶよと柔らかくなっているようだったり、完全に枯れて水分のない様な状況では、残念ながら復活は難しいでしょう。
もしまだ幹が大丈夫ならば、室内で乾かし気味に育てて冬を越しましょう。また春から芽吹いてくれるのを、少しの期間待って見て下さい。

花言葉は「夫婦愛」「永久の幸せ」です。リビングの家族や夫婦が集う場所に、シンボルツリーとしてウンベラータがあれば、雰囲気はもちろん、縁起も良いですね。

存在感のある観葉植物、ウンベラータ。室内のインテリアに合わせた鉢カバーに入れてあげる事で、でさらに見栄えも格段に良くなります。お気に入りの鉢に直接植えるのも良いですが、移動や植え替えが重くて大変になるので、このような大型の観葉植物は、プラスチック鉢に植えて、それをおしゃれな鉢カバーに入れて管理をしてあげるのがおすすめです。その方が、ちょっと外に出して葉水をあげたり、植え替えをしたりが、とてもしやすくなりますよ。