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専門家「風景」をつくるガーデニング術

日に日に慌ただしくなる我が家の春の庭

居場英則

ひとつ前の記事で、我が家の春の庭のざわめく様子をお伝えしましたが、

春はほんの少しの間で目まぐるしく庭の風景が変わって行きます。

本当であれば、日々変化する我が家の庭の様子をゆっくり眺めて観察していたいところですが、

現実には人間の方も何かと慌ただしくなる春(新年度)です。

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さて、今回は、前回に続き、我が家の庭の春のざわめきの続きをご紹介したい

と思います。

クリスマスローズが終わり、シャクヤクが赤い芽を一斉に吹き出し、

バラやクレマチスも続々と新芽を展開する中で、スロースタートで芽吹きが

始まった宿根草のギボウシや、開花目前となったツツジなどの様子を紹介

したいと思います。

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我が家の中庭は南向きですが隣接する建物の影響で日当たりの悪いシェード

ガーデンとなっています。

このシェードガーデンをここ数年でリニューアルし、宿根草のギボウシを中心

としたガーデンに作り替えました。

そんなシェードガーデンのギボウシたちが一斉に芽吹き始めています。

こちらは、小型品種の黄金丸(こがねまる)という園芸品種。

鮮やかなイエローリーフがとても美しいです。

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こちらは、キャサンリンという大型品種。

新芽が土の中から伸びてくる様子は、さながら竹の子。

ここから美しい葉が展開するとはなかなか信じられません。

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こちらは、はっきりとは品種が分からないギボウシですが、おそらくイワギボウシの仲間。

鮮やかなグリーンに斑が入っていますが、だんだんとこの斑がハッキリくっきりしてきます。

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こちらもシェードガーデンに植えている植物で、ギボウシではなく、ブルンネラ・ジャックフロストという宿根草。

複雑な模様が特徴的なシルバーリーフが、シェードガーデンによく映えます。

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よく見ると、そのブルンネラ・ジャックフロストに青い小花が咲いています。

青花好きなので、ホッと癒されます。

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こちらもシェードガーデンに、伊賀焼の陶管を使って高植えにしている植物で

フウチソウ(風知草)。

イネ科の植物の特徴で細い葉が、太い葉のギボウシと対照的です。

まだ生え揃っていませんが、かなりのボリューム感で葉が茂り、

シェードガーデンに、まさに「風」を感じる風景を作っることができます。

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一昨年頃から、ギボウシを大量にコレクションするようになり、おそらく

ギボウシだけで30品種以上は育てていると思います。

そのうち大半は鉢植えで育てていますが、その鉢植えのギボウシたちも

続々と芽吹いています。

竹の子のように新芽が伸びて、やがてその先からほどけて、くるくると巻かれた

葉が開いていくのです。

まさに生命の神秘を感じる瞬間です。

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こちらも鉢植えのギボウシで、ブルーマウスイヤー。

昨年手に入れたばかりの小型品種で、他のギボウシと違ってずんぐりむっくりしたフォルムがとても可愛らしい

ギボウシです。

立ち上げる新芽もとてもチャーミングです。

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こちらは、昨年秋に、大きくなり過ぎたために株分けをしたギボウシで、

小型品種のゴールデンティアラ。

密に茂り過ぎて、風通しが悪くなり、過湿のため根腐れっぽい症状が出始めた

ので株分けしました。

結構、大胆に株分けして、根にダメージがありましたが、それをものともせず

元気に育ってくれているようです。

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こちらは、我が家にあるギボウシの中では最大の品種で寒河江。

一番に新芽を上げ、今ではその大きな葉を横に広げて展開してきました。

その存在感のため、夏のガーデンでは、特に目を惹く植物です。

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こちらは、小さなテラコッタ鉢で育てているモミジの一種でイタヤカエデ。

本当なら地植えして大きくしたいところですが、我が家ではもうそんなに大きなモミジを育てるスペースがなく、

鉢植えのままで、ギボウシのシェードガーデン近くで、アクセント的に活用しています。

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我が家にも大きく育ったモミジが3本ほどありますが、普通は手の届かない高い位置で葉が茂るので、

モミジの葉がどんな風に出てどのように展開するのか、遠くて分からないのですが、

この小さな鉢植えのイタヤカエデを観察していると、手のひらのような形をしたモミジの葉が

どのように展開していくのか、まさに手に取るように分かります。

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近所の公園のソメイヨシノが散り始めると同時に、我が家の庭のツツジ類が一斉に開花し始めました。

こちらは、中庭のシェードガーデンに植えているドウダンツツジ。

満天星とも表記するドウダンツツジは、その名の通り、満天の星空のような白い小粒の花を咲かせます。

ただ、今年は例年に比べ、少し花数が少ないように感じます。

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こちらは、中庭の里山ゾーンと呼んでいるエリアに地植えしているヤマツツジ。

自然樹形が魅力的で、楚々とした風情で朱赤色の花をたくさん咲かせてくれるのでとても気に入っています。

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ヤマツツジの花もガク割れして、そろそろ開花です。

5月に咲き誇るバラの風景とは違って、どこか里山に迷い込んだような

風景が我が家の中庭に出現します。

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こちらは、ヤマツツジと同じ里山ゾーンに地植えしている西洋ツツジで、

エクスバリーという品種。

鮮やかなオレンジ色で、とても美しい花を咲かせてくれます。

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ひとつの大きな蕾が割れて、いくつもの小さな蕾に分かれます。

まだこの頃は隣にあるヤマツツジの蕾と変わらないような色をしていますが、

開花すると、色鮮やかなオレンジ色に染まり、とても美しいです。

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こちらは、今年3月にふらりと立ち寄った行きつけの園芸店の店先で見つけた

ツツジで、「常夏」という品種。

赤と白の花を一つの株で咲き分けるとネット情報では知っていたのですが、

ひとつの花自体に赤と白が半分づつ混じって咲いてるのもあります。

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こちらが、今年3月に衝動買いした山採りのツツジ常夏。

樹高3mくらいはある立派な株立ち樹形で、びっくりするほど安い価格だったので、

その時はまだどんな花が咲くかも分からない中で衝動買いしてしまいました。

もうほとんど植えるスペースもない我が家の庭ですが、今年の秋に、中庭に

植えている高木のソヨゴを引っこ抜いて、このツツジ常夏に植え替えようと

画策しています。

まだまだ庭のリフォームが続きそうです。

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こちらは、鉢植えで育てている牡丹で、「越の若紫」という品種。

シャクヤクは赤い芽を伸ばす一方で、牡丹は大きな蕾を抱えています。

バラが咲く5月の前、4月はツツジやチューリップに加え、このボタンもとても大きな花を咲かせ、

庭が一気に華やぎます。

5月はバラ一辺倒のゴージャスな庭になりますが、花柄摘みや消毒など、なんだか慌ただしくなってしまいます。

4月は「バラの前座」的な風景ですが、様々な花が競演して、とても賑やかな庭です。

一年の中で一番穏やかな気分で過ごすことができる、楽しい季節でもあるのです。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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