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専門家「風景」をつくるガーデニング術

実験集合住宅・NEXT21、建物緑化の魅力

居場英則

6月に入りましたね。

今年はいろんな植物の開花が例年より早かったように感じます。

そして、もう梅雨シーズンの到来ですね。

さて、ひとつ前の記事でも書きましたが、大阪ガスさんが建設・運営されている実験集合住宅・NEXT21。

建物が完成し、社員の方々が実際に入居されての居住実験が開始されて30年が経った建物です。

ご縁があって、少しこの建物に関わらせていただいています。

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ひとつ前の記事では、NEXT21の共用部分に植栽させていただいた、「つるバラ」が作る風景についてご紹介させて

頂きましたが、今回は、この大阪ガスさんの実験集合住宅「NEXT21」そのもの(全体)の「建物緑化」の魅力に

ついて、ご紹介させていただこうと思います。


NEXT21は、6階建ての共同住宅ですが、共用部の至る所に緑化が施されています。

今回は、屋上から1階に降りてくる感じで、建物の内部を巡りながら、この環境共生型住宅の魅力に迫ります。

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まず、こちら↑の写真、実験集合住宅・NEXT21の屋上です。

周囲は閑静な住宅街とはいえ、大阪の都市部なので、周囲には中高層の集合住宅やビルなどが立ち並んでいます。

そのビル群の中に、突然、緑に覆われた屋上が出現します。

正面に見えているのは、モミジ。

建設当時に植えられた高木で、高さ4mくらいはあるでしょうか?

目立たない様の地下支柱で支えられており、これまでの台風でもビクともせず、育っています。

ここがビルの屋上とは思えないほど、豊かな緑地空間です。

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もう一枚、こちらも屋上緑化の写真。

周囲にも同じような中高層の集合住宅はいくつも建っていますが、なかなかここまで屋上緑化や壁面緑化した

建物はほとんどありません。

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こちらは、屋上から、コの字型の建物の中央部、エコロジカルガーデン(1階)

方向を見下したアングルです。

途中階の5階と3階に、コの字の両側の廊下を結ぶブリッジが設けられています。

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こちらは、最上階の6階の共用廊下。

ここには、フジの木が数本植えられています。

そのフジのツルを、天井のない廊下の上に張られたネットに誘引しています。

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6階の共用廊下を反対側から見たアングル。

つるバラのメンテナンスのついでに、この6階のフジのメンテナンスも

お手伝いさせていただいています。

自宅近所の公園のグリーンサポート会で実施しているフジのメンテナンス同様、

夏剪定、および冬剪定&つる誘引を、住民有志の方々とワークショップ形式で

定期的なメンテナンスを実施しています。

数年前に調子を崩してから、なかなか春に咲かなくなってしまいました。

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こちら↑は、その6階共用廊下より、真下のエコロジカルガーデンを

見下したアングルです。

谷底のように、深い緑が1階から地下1階にかけてスロープ状に設けられています。

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こちらは、6階から5階へ降りる階段から見える風景。

5階のアルコーブ状の、ちょっとした広場的な空間です。

ちょうど南側に1ブロックいったところにも同時期に建設された建物があり、

その建物にも屋上緑化スペースが設けられているのが見えています。

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こちらは、5階の空中ブリッジ。

コの字型の住棟配置のため、両側の廊下をつなぐためのブリッジ(橋)が架けられています。

本当に空中に浮かんでいるように設けられているので、慣れるまでこのブリッジを渡るのには恐怖を感じます。

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5階の空中ブリッジの向かい側(建物西ウィング)の様子です。

先ほど見てきた、屋上庭園の緑が見えています。

さほど深さがない植栽枡に大きな高木が植えられている様子がよく分かると思います。

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1階降りて、こちらは4階のコの字型住棟の中央部付近から見たアングルです。

先ほどの、5階の空中ブリッジの様子がよく分かると思います。

両側の手すりがなければ渡れないくらい、ちょっとしたスリルを味わえます。

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こちらは、4階のコの字型住棟配置の中央部の住戸と、そのバルコニーです。

この階だけは、共用廊下ではなく、住戸のバルコニーとなっているため、

横切ることはできません。

バルコニーの手すりに沿って、多種多様な植物が植栽されています。

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こちらは↑、3階の空中ブリッジです。

上に5階のブリッジが空中を飛んでいるのが分かります。

その5階の正面、ピンクのツツジが咲いている辺り、アルコーブ状に

廊下が広がった専用庭スペースなのですが、そこに下垂して咲かせるつるバラを

植栽しています。

すこし分かりにくいですが、正面に枝垂れているつるバラのツルが見えています。

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3階の廊下から、斜めに南側の空中ブリッジ方向を見たアングルです。

各階の手すりの内側の植栽スペースに植えられた植物が、重層的に重なり、

壁面の緑化率が非常に大きい建物となっています。

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こちらは、3階の共用廊下。

手すり側の中央にコンクリート製の柱があるのですが、その周囲に

つる性の植物が自発的に芽吹いて(植えたものではなく)、コンクリートの柱に

巻き付いて、上へ上へと伸びて行っています。

まるでジャックと豆の木のようです。

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こちらは、3階の共用部の一角ですが、コの字型の住棟配置でも

奥まった部分には外光がほとんど当たらず、なかなか植物が育てないエリアが

あります。

ここもそのひとつで、ずっと何を植えてもうまく育たなかったと

お聞きしていましたが、耐陰性の強いハランを植えてはどうかと提案したところ

上手く活着しました。

ハランの中でも斑入り品種を使っていますので、あまり重たくならず、

かなりの日陰にも関わらず、明るい感じの植栽スペースになっています。

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こちらは、2階の共用部。

1階のエントランスからつながるアプローチ部分で、ちょうど目線の先に、

シンボルツリーのエノキの大木が見えています。

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2階の共用部。

少し広く、住民が集まれるホール(ホワイエ)のような空間になっています。

ここから南へ正面に見える景色がこちら↑。

シンボルツリーのエノキの大木、そして3階の空中廊下。

他の集合住宅ではなかなか見られない景色です。

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少し右斜めに角度を振りました。

この実験集合住宅・NEXT21は、SI住宅(スケルトン・インフィル住宅)なのですが、

その構造がよく分かるアングルです。

一本の柱から、4本の斜め柱を伝って、上層階へ小さな柱がつながっていきます。

柱・梁・床などの躯体構造以外は、外皮(外壁)などは、いわゆる「インフィル」として交換可能なパーツで

構成されています。

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コの字型の建物の内側(中心)には、「エコロジカル・ガーデン」と呼ばれる中庭空間が配置されています。

ここは1階から地下1階へ、緩やかな斜面となっていて、そこには森のような深い緑が集約されています。

この都市の緑は、様々な鳥や昆虫などの動物を呼び込む装置となっています。

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エコロジカル・ガーデンの中庭は、緩やかな勾配を活かして、せせらぎ(小川)が設けられています。

その周辺には、様々な在来種の植物(低木、地被類など)が植栽されています。

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せせらぎは何度も蛇行しながら、低いところへ流れていき、最後はポンプアップされて、また元の場所から

このせせらぎに水を供給しています。

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建物中央のエコロジカル・ガーデンから、コの字型の建物(西ウィング)を見上げたアングルです。

中庭を囲む三方の共用廊下には、様々な植物が植栽され、立体的な緑地空間を構成しています。

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そして建物1階。南側の道路から、見上げたアングルです。

大きすぎて、全部は画角に入りきりません。

様々な植栽に覆われて、まさに「天空の城 ラピュタ」状態です。

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写真手前左側に見えている大木は、敷地内に植えられたもので、

NEXT21のシンボルツリーのエノキです。

大きく育ちすぎて、毎年冬にかなりの枝を剪定されるのですが、

それでも春になるとこのあり様です。

エノキの下に設けられたベンチで、中庭(エコロジカル・ガーデン)を

見ながら、ぼうっとするのもなかなか良いです、

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もう一度、NEXT21を見上げると、青空に飛行機雲が伸びていました。

なかなか絵になる一枚です。


いかがでしたでしょうか?、実験集合住宅・NEXT21の建物緑化。

なかなか他では見られない豊かな緑地空間が、都市の真ん中に広がっています。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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