2026.3.18 / つるバラ誘引風景京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)の四季
2026年も早3月中旬を過ぎました。
まだ三寒四温で寒い日もありますが、昼間の日差しはかなり春めいてきました。
さて、僕がデザインさせていただいた京都の中山間地域の京北の里山風景の中につくったバラ園、
「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」(長いので、以後「京北バラ園」と略して表記します。)も、
2026年春(5月中旬~6月中旬)のオープンガーデン開催に向けて、準備が始まっています。
今回は、そんな京北バラ園の様子を紹介したいと思います。
毎年、2月の末か、3月の上旬に、今年のバラ園の一連の業務について、スタッフと打ち合わせのため、
京北の現場に行っています。
今年は、2月の末に現地に行きましたが、雪はなく、温かいためか、バラ園前の梅の木が満開でした。
数年前に、結構バッサリ切られてしまって、樹形が乱れてしまいましたが、今年は美しい樹形に戻り、
しかもこれまでにないほど、たくさんの濃いピンクの花を咲かせてくれました。
この時期は、バラ園も公開していないし、京北を訪れる人も少ないので、
この美しい梅の開花風景を見ていただけないのはとても残念です。
濃い梅の花のアップです。
淡いピンクの梅も良いですが、僕個人的には、このくらい濃いピンクが好きです。
せっかくなので、バラ園の内側から、このゲート近くの紅梅がどんな風に見えるか、見ていきます。
京北は、鹿などの獣害があるため、バラ園の周囲を木塀で囲っています。
その木格子の塀には、和の趣きを出すため、平瓦が載っています。
塀の手前(内側)には、つるバラを誘引しています。
その木格子塀の上に、満開の紅梅が見えています。
バラと同じ時期に梅が咲いてくれると、どれだけ素敵か、そんな風にも思います。
こちらは、つるバラを誘引している、高さ約5mの大型アーチの中から見える紅梅。
アーチと一体となって見える風景がいいですね。
さらに引いていくと、こんな風に見えます。
このつるバラのアーチも、一般的な半円形のアーチではなく、「和の趣き」に調和するように、
左右非対称の家形(切妻屋根)のフォルムにデザインしています。
遠くに見えているのが、京北の山並みです。
こちらは、国道に面した駐車場側の木格子塀。
何種類ものつるバラが、この木格子塀に貼り付け、誘引されています。
オープンガーデン開催時以外は閉まっている、バラ園南西角のゲート方向を見たアングルです。
鳥居型のゲートに、平瓦を載せた木格子塀、そして紅梅が、和の趣きを引き立てています。
駐車場側の木格子塀には、大型のつるバラが誘引されています。
開花すると、こげ茶色に塗られた木格子塀とのコントラストで、とても風景になります。
バラ園入口(ゲート)から、東側方向を見たアングル。
中央に見えているのが、こちらも「和の趣き」に調和するようにデザインした、家形のパーゴラです。
ここにも何本かのつるバラを誘引しています。
また、オープンガーデン時には、見学者の方のちょっとした休憩場所にもなります。
今は、剪定・誘引・寒肥やりなどの作業の真っ最中のため、ゴチャゴチャしていますが、
オープンガーデン時には、綺麗になると思います。
こちらは、東屋前の「和バラ」ゾーン。
「和の趣き」のバラ園ということで、和バラも何種類か植栽しているのですが、
寒さ・暑さの厳しい京北では和バラは少し弱いせいか、なかなかうまくうまく育ってくれません。
冬の間は、スタッフが防寒対策で不織布を和バラにかけてくれています。
こちらは、家形パーゴラ(東屋)の裏側。
ここに配置しているつるバラ(ファンタンラトゥールとERコンスタンスプライ)は、
すでに誘引が終わっています。
こちらは、バラ園のメインの園路。
緩やかにカーブしながら、奥の「バラの滝」ゾーンへと導いてくれます。
この園路沿いには、バラの色を引き立ててくれるブルーのサルビアを植えています。
そのサルビアにも、防寒対策で不織布がかけられています。
冬の寒さが厳しい京北では、冬越しにいろいろ手間がかかります。
このあたりは、木立ち性(ブッシュタイプ)のイングリッシュローズコーナーと、
オールドローズの境目あたりになります。
昨年までと様子が変わっているのが分かりますでしょうか?
これまでは、バラの廻りに芝生を植えていたのですが、徐々に雑草に侵食され、汚くなってきました。
スタッフが草刈りを定期的にやってくれているのですが、それでもなかなかキレイにならず、
今年は、バラ園オーナーの意向で、雑草を一旦全部めくり取って、新たに芝生を敷き直すことになりました。
なので、このあたりは、まだ芝生を貼る前の、綺麗な土だけの状態になっています。
そして、このあと芝生を敷き込むのですが、何もしないと、バラの株元まで芝生が侵食して、
今度はバラ苗が弱ってしまうため、バラの株元に芝生が入って来れないように、
瓦でバリケードを作ってもらっています。
これまでは、黒い樹脂製のエッジ材をバラの株元に円形に差し込んでいたのですが、美観上、あまり美しくなく、
「和の趣き」も考慮して、瓦を垂直に差し込んで輪を作り、芝生が入ってこないようなデザインを提案したところ、
バラ園オーナーの了解もいただいて、実施することになりました。
造園業者の職人さんが、ひとつひとつ手間を掛けながら、作ってくれました。
そんなこともあり、今年の京北バラ園は、これまでになく美しい仕上がりになると思います。
あと、昨年の京北バラ園では、モグラやカミキリムシの被害で、枯死するバラが続発しました。
せっかく大きく成長したバラが一気に枯れこみ、とても悲しい思いをしました。
枯れて歯抜けになった場所にも、新たにバラを補植していきます。
ヘッドガーデナーの判断で、しばらくは鉢のまま、地面に埋め込んで育てる予定です。
こちらは、八連のアーチ。
奥の方から徐々に誘引が進んでいますが、この時点では、まだ手前のつるバラの誘引は終わっていませんでした。
バラ園の中央部から、南西のゲート方向を見たアングルです。
バラ園の大部分を占めるオールドローズエリアの地面が、雑草を含んだ土が撤去され、
綺麗な砂地になっているのが分かります。
反対方向を見たアングル。
奥に、京北バラ園の代名詞の、棚田の段差を活かした「バラの滝」ゾーンも見えています。
中央に見えているのが、バラ園のシンボルツリーの株立ち樹形のエゴノキです。
そのエゴノキの足元廻りには、いくつもの岩(景石)を並べています。
その岩(景石)の後ろ側から、岩を越えて手前側につるバラを引っ張って誘引しています。
こんな感じです。
他のバラ園では、あまり見ない誘引方法だと思います。
横から見ると、こんな↑感じ。
これは、バラ園全体のコンセプトにも通じることですが、バラの花を、
バラ園横の上桂川を流れる水に見立てて、
岩(景石)を越えて、瀬を流れる水を表現するための演出(誘引方法)なのです。
こちらは、岩(景石)がないところの誘引方法です。
泉が湧き上がるような誘引方法です。
木で支柱を作っていますが、葉が展開し、花が満開になれば、
この木の手中はほとんど見えなくなります。
このあたりは、大型のオールドローズのつるバラです。
大きな景石を乗り越えて流れる「瀬」を表現するような誘引です。
同じ場所を横から見ると、こんな↑感じです。
こちらは、後方から見たアングル。
逆サイドからの誘引のアップ。
なかなか見ごたえのある誘引でしょう?
開花の時にどんな風になっているか、是非、この誘引時の写真と現地で見比べていただきたいです。
少し引いて見るとこんな感じになっています。
こちらは、オールドローズのつるバラを木格子塀に誘引しているエリア。
低めの木格子なので、左右に扇子を広げるような開帳型の誘引です。
こちらは、ヘッドガーデナーの遊び心に溢れた誘引が見どころの、安曇野という日本の小輪のつるバラです。
球体のような、立体的に咲かせる誘引がされています。
こちらは、木立性のバラの剪定後の様子。
細かく珊瑚のように枝分かれした樹形が美しいです。
こちらは、バラ園の建設当時からお世話になっている、京北の造園施工職人のMさん。
今回もバラの株元周りの瓦の設置や、芝生の張り替えなどをしてくださっています。
雑草の表土をはぎ取ったあとに、新しく芝生を張り替えている様子。
画面右側は、芝生の張り替えが終わったエリア。
左半分が、これから芝生を敷いていくエリアです。
このあたりは、芝生の敷き込みが完了したエリアです。
瓦で囲ったバラの株元周りの処理も、とてもいい感じに仕上がっています。
京北バラ園は、バラを植えていない場所も結構ありますので、その部分の土面が、青い芝生になると
とても映えると思います。
バラ園全景を横から見たアングル。
手前のエリアの芝生敷き込みが終わって、徐々に奥の方へ作業が進んでいきます。
こちらは、京北バラ園の一番の見どころ、棚田の段差を活かした「バラの滝」ゾーン。
近くを流れる上桂川の堰(六ヶ堰)を流れ落ちる水を、バラの花で表現したエリアです。
群星・群舞という白と淡いピンクの花が咲く日本のつるバラをミックスして
配置しています。
滝のように花をさかせるために、長く伸びたツルを手前に曲げるように
クセ付けをしています。
奥は、まだこれから(手付かずの状態)です。
このような形で、かなりきつくクセを付けています。
開花時には、この麻ひもを外して、自然に枝垂れるような風景になります。
反対側方向を見ると、こんな感じ。いくつかの束に縛ってクセ付けしています。
刈り取った稲を乾かしているような風景です。
擁壁側に麻ひもで引っ張っているのが分かりますでしょうか?
このあたりも、ここ何年もやっているので、様々なノウハウが詰まっている誘引方法です。
こちらは、「バラの滝」の裏側です。
棚田の段差(約70cm程度)を活かして、さらにブロックを積んで花壇を持ち上げて、
高さ1.5mほどの段差を作っています。
クセ付けが終わっているエリア(手前)と、まだ手付かずのエリア(奥)の違いです。
クセ付けをせず、何もしないと、奥のように噴水状に立ち上がって咲いてしまうのです。
現地のスタッフの皆さんが、苦労しながら、群星・群舞の枝を、バラ園側に倒すように、
クセ付け作業をして下さっています。
こちらは、八連アーチへ大型のつるバラの誘引風景です。
アーチの一番高いところは、約5mほどもあるので、一般家庭にあるアーチとは
比べ物にならない巨大な造作物です。
ヘッドガーデナーのRさん。
高い脚立に登って、刺と格闘しながら、誘引して下さっています。
奥には、バラ園入口で咲く紅梅が満開です。
とてもいい風景です。
こんな感じで、高所での作業もいとわず、皆さん頑張ってくださっています。
僕はというと、バラのことはヘッドガーデナーやスタッフさんにお任せして、
バラ園中央にあるシンボルツリーのエゴノキの剪定を行うことにしました。
結構、ボウボウに茂っているので、枝抜き剪定を行いました。
ところが、途中で、バランスを崩して、高さ2mほどの脚立の上から落下してしまいました。
骨折を覚悟しましたが、奇跡的に無傷で済みました。
何とか、脚立からの落下後も作業を続けて、エゴノキの枝抜き剪定を終えました。
高い枝までは脚立が届かないため、中段くらいまででしたが、だいぶスッキリとはしたと思います。
余談ですが、京北バラ園では、この冬、家形パーゴラ(東屋)に設置するガーデンファニチャーを新調しました。
これまでは、変に洋風のチェアとテーブルを使っていましたが、
バラ園オーナーの意向で、新しいものに買い替えることにしました。
「和の趣き」のバラ園ということもあり、どことなく「和」を感じることができるガーデンファニチャーが
良いなと思って、いろいろ探した結果、ディノスさんが取り扱われている、
イタリア製のガーデンファニチャーに決まりました。
「和」なのに、イタリア製?と思われるかもしれませんが、黒色の樹脂製で、フォルムがシンプルで美しく、
こげ茶色の木格子塀や東屋との相性も良いので、とても気に入っています。
とりあえず、梱包から出して並べただけで、今は東屋廻りも美しくないので、
またバラの開花時にちゃんと撮影してご紹介したいと思っています。
いよいよ京北バラ園「六ヶ畔・花簾庭」のオープンガーデン日程も決まりました。
(また後日、詳細をこちらにお知らせする予定です。)
今年の京北バラ園は、これまでにない仕上がりで、きっと美しい風景を作り出せると思っています。
乞うご期待ください。
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