お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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世界の状況はいま厳しいですね。不確実で心配が大きい。でも、草花はこれから

確実に芽を吹いて花を咲かせるので、それなら私たちにできることはいっぱいあるんだと思うと

家のなかに閉じこもっていないで庭やベランダ。オープン・エアの場所で過ごす楽しみもあります。

で、ただ眺めるだけでなく、考え方もベースにあると、目の前の景色も違って見えるんでは?

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ナチュラリスティック・ガーデンの解釈、一言で言えないのが弱みです。五箇条とかにしても

まだ足りない。植物を育てる上で環境に負荷をかけないのは第一の目標ですが、

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以前も話題にしましたが、ナチュラリスティック。

グラス類の植物をいれたらそうなるのかというと違う。

雰囲気は確かに「それっぽく」はなりますが、英語でいえば

"Wild planting in a strong design." が基本になります。

翻訳機的に直訳すると「ストロング・デザインの野生的な植栽」

でも、それもちょっと、言葉のニュアンス、違う感じがします。ちょっと丁寧にいえば

ナチュラリスティック・ガーデンは、
「デザインされた自然風の庭であり、野生的、自然な雰囲気でありながら、
力強い植栽のデザインが試される植栽だ」と言えるかと思う。
あるいは、植物の野生を生かした植栽というニュアンスも。

(写真 ↑ 3枚は中之条ガーデンズ、吉谷デザインのパレットガーデン最後の写真は

デザインに見事なインパクトを与えるヒオウギ。近くで植わっていたのを移植)

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だから、Piet Oudolf さんや Nigel Dunnett さんたち、パイオニア。Beth Chattoさんから学んだことが大きい。ただし、日本の気候をベースにこの二十年ほど、積み上げてきたもので。
デザイン力とは、見た目のフォルムやコンポジションなどの美的センスもさることながら
来年もさ来年も、風土環境にあって「美しく」生き延びていける植物の選択も重要。
この2エレメンツがあって、いろいろ解釈が広がる。
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(↑安曇野ゴーラウンドガーデン。グラス類が背景、スクリーン・プランツとなって手前に
丈夫なペンステモン'ハスカーレッド'葉っぱのフォルムと色で、美しいコントラストが生まれる。
なので、デザインの意図がはっきりしないでいると、
ただの野生的な野原に見えてしまうし、自然な庭。とも違う。
ただし、いつもいうけれども、白か黒か、ではなく、1か100か。でもなく
30%程度。とか、60%でもいいので、このナチュラリスティックの考え方を持って
庭に接したら、あとでじぶんの庭仕事量が減って逆に植物からもらう癒しの気分は倍増だ。
また、下手をすると思いきり元気にまっすぐ起立して雑草の生える路側帯にも
「美」を見出してしまうことがあり、これを美しいとか言ったら怒られるだろうけれども。
と、悩むこともあります。でも、たまたまかっこいい時がある。
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なので、12月に、ロンドンで見つけて「おお!ついにこんな時代が来た!」と
思ったメリルボーンの公共植栽には元気付けられたし、日本の雑誌の編集者の方に見せたら
「うわ!かっこいい!」と言ってもらえたので、以前の花壇ならプリムラやパンジーが
一列に植わっていたのがこのような設計になっていくことへの理解も広まりつつあるのかなと思います。
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ナチュラリスティック・ガーデンは、植物たちが少しの手助けで
自活していける庭を目指しています。(↑銀杏並木前のナチュラリスティック・ガーデン)
最初のうちは、まだ赤ちゃん、成長するまでは私たちの手助けなしに大人になれないので。
やはり最初の1年は、心配ですね。ああ、また心配のタネを増やしてる〜!
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最大の心配は、根付くまでの水やりですね。昨日もSALF 植栽管理ボランティアチームが
水やりに行ってくれました。水道がそばにないので近所の神社までもらいに行くのが大変です。
三日に一度は雨降って欲しいと。勝手な願いです。(↑宮益坂上交通島)

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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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