春先の肌寒さも和らぎ、日に日に暖かくなる５月頃には、日本各地で田植えが始まります。冬の乾いた田んぼに水が引き込まれ、水面に空が映り、山が映り・・・そんな光景が季節の移り変わりを実感させてくれます。
なかでも、いくつもの小さな水面に水鏡のように周囲の色彩を映す棚田は非常に魅力的な景観です。
棚田は山間部の斜面で見られるものが一般的にも多いのですが、今回、ご紹介するのは日本海沿岸部に位置する山口県長門市の東後畑（ひがしうしろばた）の棚田です。 春先の肌寒さも和らぎ、日に日に暖かくなる５月頃には、日本各地で田植えが始まります。冬の乾いた田んぼに水が引き込まれ、水面に空が映り、山が映り・・・そんな光景が季節の移り変わりを実感させてくれます。
なかでも、いくつもの小さな水面に水鏡のように周囲の色彩を映す棚田は非常に魅力的な景観です。
棚田は山間部の斜面で見られるものが一般的にも多いのですが、今回、ご紹介するのは日本海沿岸部に位置する山口県長門市の東後畑（ひがしうしろばた）の棚田です。

東後畑の棚田を見下ろせる丘に立つと、棚田のさらに先には日本海が広く見渡せます。
そして夕刻の時には、水平線の向こうへ夕日が沈んでゆくのです。刻々と変わりゆく西空に呼応するかのように、棚田のいくつもの水面はその色彩を変えてゆきます。 東後畑の棚田を見下ろせる丘に立つと、棚田のさらに先には日本海が広く見渡せます。
そして夕刻の時には、水平線の向こうへ夕日が沈んでゆくのです。刻々と変わりゆく西空に呼応するかのように、棚田のいくつもの水面はその色彩を変えてゆきます。

夕刻時の西空の色彩は、その時の雲の状態や湿度など様々なものに影響されますので、棚田は一期一会の情景を刻々とその水面に映し続けているのです。

しかし、ここで終わらないところが東後畑の大きな魅力です。
日没後、西空が徐々に暗くなり始めると、今度は日本海へ繰り出したイカ釣り漁船の漁火が１つまた１つと灯り始めるのです。暗い海にポツリポツリと静かに浮かび上がるように光る漁火は幻想的でもあります。また１つ１つは小さな灯りでも、周囲がすっかり暗くなる時間帯だけに、その数が10、20と増え始めると視界の中で強い存在感を放ちます。 夕刻時の西空の色彩は、その時の雲の状態や湿度など様々なものに影響されますので、棚田は一期一会の情景を刻々とその水面に映し続けているのです。

しかし、ここで終わらないところが東後畑の大きな魅力です。
日没後、西空が徐々に暗くなり始めると、今度は日本海へ繰り出したイカ釣り漁船の漁火が１つまた１つと灯り始めるのです。暗い海にポツリポツリと静かに浮かび上がるように光る漁火は幻想的でもあります。また１つ１つは小さな灯りでも、周囲がすっかり暗くなる時間帯だけに、その数が10、20と増え始めると視界の中で強い存在感を放ちます。

空と海。そして棚田と漁火という人の暮らしが醸し出す生活景観。それらが織り成す色彩と光の美しさがこの季節、この時間帯の東後畑にはあるのです。
東後畑を訪れたら、日没前後の短い時間だけでなく、ぜひ時間の余裕を持って明るい時間から日もとっぷりと暮れるまで、棚田と日本海を眺めてみてください！ 空と海。そして棚田と漁火という人の暮らしが醸し出す生活景観。それらが織り成す色彩と光の美しさがこの季節、この時間帯の東後畑にはあるのです。
東後畑を訪れたら、日没前後の短い時間だけでなく、ぜひ時間の余裕を持って明るい時間から日もとっぷりと暮れるまで、棚田と日本海を眺めてみてください！

田植えの時期の田んぼの水面に空や山が映り込んだ情景は季節感も強く、被写体としてもとても人気があるようです。
そのため、美しい映り込みを期待して、田んぼに水が入るとすぐに撮りに行く方もいらっしゃいますが、できれば代掻き（しろかき）という作業が終わってからにしたほうがよいでしょう。
代掻きは、田んぼに水を入れた後に土をかき混ぜて、田んぼの底を平らにする作業です。代掻き前は土がかなり凸凹していたり、水入れ直後で泥状態だったりして、水面の美しい反射は期待できません。
代掻きの後、土が沈殿して底が平らになると鏡のように周囲の情景を反射する水面になります。
写真を撮影するうえで、「被写体のことをよく知ること」はとても重要です。
今年の田植え時期には、ぜひ代掻き前と代掻き後の田んぼの様子を観察してみてください！ 田植えの時期の田んぼの水面に空や山が映り込んだ情景は季節感も強く、被写体としてもとても人気があるようです。
そのため、美しい映り込みを期待して、田んぼに水が入るとすぐに撮りに行く方もいらっしゃいますが、できれば代掻き（しろかき）という作業が終わってからにしたほうがよいでしょう。
代掻きは、田んぼに水を入れた後に土をかき混ぜて、田んぼの底を平らにする作業です。代掻き前は土がかなり凸凹していたり、水入れ直後で泥状態だったりして、水面の美しい反射は期待できません。
代掻きの後、土が沈殿して底が平らになると鏡のように周囲の情景を反射する水面になります。
写真を撮影するうえで、「被写体のことをよく知ること」はとても重要です。
今年の田植え時期には、ぜひ代掻き前と代掻き後の田んぼの様子を観察してみてください！