糸鋸で1本ずつ金を細く切り出す「千本透かし」。
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威風堂々“お宝”ヴィンテージ 深紅の血赤珊瑚
1883年創業の「大倉珊瑚店」に、先代から大切に所蔵されてきた日本産の血赤珊瑚を使ったジュエリーが令和に蘇りました。素材自体も職人の緻密な手仕事も、今では叶わない贅沢な逸品です。
昭和30〜40年代に制作されたリング。珊瑚は丁寧に磨きなおし、K18の枠も新品仕上げを施してモダンな趣に。リングの枠の裏側に施された「千本透かし」と呼ばれる職人技も見事。
◆日本で採取される赤い珊瑚を赤珊瑚といい、土佐沖から五島列島まで水深約100〜300mで採取されます。
赤珊瑚のカラーの幅は広く、その中で濃いカラーを血赤珊瑚と言い、世界で最高のものが日本で採取されます。
原木の芯は白く、ルースにすると多くは白いフが出てしまうため、大変歩留まりが悪くロスの多い素材といえます。
もともと血赤珊瑚の希少性は大変高く、キズがなく、白いフのないルースはなかなかとれません。
この大きさとこのカラーは当時としても大変稀少性の高いものだったと思われます。
◆この珊瑚のルースは先々代の時代、昭和30-40年代に高知の工房で原木から木取りをしながら1点1点製作していきそれをリングに仕上げたものです。
◆このリングは十分な高さをだすために、思いきり周りをカットしています。
シャープで厚みのある贅沢なつくりが、大倉珊瑚の特徴をよくあらわしているリングです。
18金リングの枠の細い千本透かしの職人の技も見事です。