うなぎの肝とはどこ?
栄養・食べ方は?
下処理方法や
人気レシピとともに紹介!
リード文
うなぎの肝は栄養価が高く、滋養強壮に効く食べ物として知られています。しかし、どこの部位なのか、どのように下処理をすればよいのかわからない人も多いでしょう。今回は、うなぎの肝の特徴や効能、下処理方法などを解説します。肝焼き、肝吸い、肝煮など、うなぎの肝の人気レシピもまとめました。
うなぎの肝とはうなぎの胃・腸などの内臓のこと
うなぎの肝は1尾につき1個しか取れない
@ビタミンA|〜免疫力の向上、目の健康維持、皮膚の健康維持〜
含有量(100g) | 4400μg |
1日の摂取量の目安 | 850μg |
1日の摂取量に占める割合 | 517% |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
ビタミンAは、体内の抵抗力と免疫力を高めるほか、目や皮膚の粘膜の健康維持に役立つ栄養素です。滋養強壮にも効くとされており、目にいいだけでなく、疲れにくい体づくりにも良い効果が期待できます。うなぎの肝のビタミンA含有量は、あらゆる食材のなかでもトップレベルであり、うなぎの肝を代表する栄養素と言えるでしょう。
ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。また、レチノールは、視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物資の合成に必要なため、薄暗いところで視力を保つ働きもあります。 |
AビタミンE|〜抗酸化作用、血管の
健康維持、老化予防〜
含有量(100g) | 3.9μg |
1日の摂取量の目安 | 6.5μg |
1日の摂取量に占める割合 | 60% |
ビタミンEは強い抗酸化作用をもつ栄養素で、血管の健康を保ったり、細胞の酸化を防いで老化を予防したりする効果が期待できます。血液中の脂質の酸化を防ぐ働きもあり、動脈硬化や血栓予防などにも有効です。ビタミンEが不足すると神経や筋肉、血管などの障害を引き起こすリスクがあるため、普段の食事からしっかりと摂取することが大切です。
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、脂質とともに腸管からリンパ管を経由して体内に吸収されます。抗酸化作用が非常に強く、生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の脂溶性成分を酸化障害から守るために、細胞膜のリン脂質二重層内に存在しています。過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防いだりする作用もあることが知られています。また、細胞の酸化を防ぐため、老化防止にも効果があります。 |
Bカルシウム|〜骨や歯の健康維持、筋肉の収縮をサポート、血液凝固の促進〜
Cマグネシウム|〜骨の健康維持、筋肉の収縮をサポート、血圧の調節〜
含有量(100g) | 15mg |
1日の摂取量の目安 | 340mg |
1日の摂取量に占める割合 | 4.4% |
マグネシウムは体内のさまざまな酵素の働きをサポートし、骨の健康維持や筋肉の収縮、血圧の調節などに役立つ栄養素です。うなぎの肝には、1日に必要なマグネシウムの4%程度が含まれています。一般的に、摂り過ぎたマグネシウムは尿中に排泄されるため、過剰摂取になる心配はありません。一方で、マグネシウム不足になると、不整脈や心疾患などの発症リスクが高まります。
マグネシウムは補酵素としてまたは活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けていています。エネルギー産生機構に深く関わっており、栄養素の合成・分解過程のほか、遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与しています。また、カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用もあります。 |
Dカリウム|〜細胞の浸透圧の調整、神経伝達のサポート、筋肉機能の調節〜
含有量(100g) | 200mg |
1日の摂取量の目安 | 2500mg |
1日の摂取量に占める割合 | 8.0% |
カリウムは主に細胞の浸透圧の調整をしており、ナトリウムの排出を促し、血圧の調整などにも関わる栄養素です。神経伝達や心臓機能のサポート、筋肉機能の調整など、体内で欠かせない役割を担っています。カリウムは尿酸結晶を溶けやすくする効果もあるため、痛風の予防にも有効です。
カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。 |
E鉄分|〜酸素の運搬、貧血予防、コラーゲンの生成〜
含有量(100g) | 4.6mg |
1日の摂取量の目安 | 7.5mg |
1日の摂取量に占める割合 | 61% |
鉄分は全身に酸素を運ぶ役割を担っており、不足すると貧血や立ちくらみ、疲労などの症状が出ます。うなぎの肝は鉄分が豊富で、100g食べると1日に必要な鉄分の半分以上を摂取できます。そのため、うなぎの肝は貧血気味の人に適した食材と言えるでしょう。また、鉄分はコラーゲンの生成にも関わっており、皮膚や関節軟骨などの健康維持にも働きます。
鉄分は、ヘモグロビンとなって酸素の輸送に関与するほか、筋肉中に酸素を蓄えるミオグロビンの構成成分になります。他に、肝臓や脾臓、骨髄などにフェリチンやヘモシデリンとして20〜30%貯蔵されています。赤血球の鉄分が足りなくなるとこの貯蔵鉄が使われます。 |
F葉酸|〜赤血球の生成、貧血予防、胎児の先天異常のリスク低減〜
含有量(100g) | 380μg |
1日の摂取量の目安 | 240μg |
1日の摂取量に占める割合 | 158% |
葉酸は血液の材料である赤血球の生成に深く関係しているほか、あらゆる細胞の生産や再生をサポートしている栄養素です。不足すると貧血を引き起こすリスクがあります。また、妊娠中の葉酸不足は、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害につながると言われています。うなぎの肝には葉酸が豊富に含まれており、60〜70gの摂取で1日に必要な葉酸をすべて補うことが可能です。
葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるビタミンです。また、代謝に関与しており、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助けることから、体の発育にも重要なビタミンです。葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分であるといえます。妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。 |
うなぎの肝焼きの栄養素と効果・効能
うなぎの肝吸いの栄養素と効果・効能
うなぎの肝串の栄養素と効果・効能
うなぎの肝の味は独特な苦味・旨味が特徴
うなぎの肝をまずいと感じる人の意見
うなぎの肝を美味しいと感じる人の意見
うなぎの肝の下処理方法・手順
ポイント・コツ
うなぎの血や苦玉の中に入っている胆汁には、イクチオヘモトキシンと呼ばれる神経毒が含まれており、皮膚につくと炎症や発疹などを引き起こすおそれがあります。そのため、毒を含む血や胆汁が皮膚についたときは、すぐに水で洗い流すことが大切です。
苦玉をそのまま潰すと毒を含む胆汁が吹き出す危険性があるため、苦玉は水の中で潰してください。そうすることで、毒を含む胆汁が皮膚や目、衣類などに付着するのを予防できます。また、うなぎを洗うときは水をこまめに替えながら行うと、臭いを軽減できます。
うなぎの肝の下処理のポイント・コツ
・苦玉は水の中で潰す
・血や胆汁が皮膚についた場合はすぐに水で洗い流す
・水洗いするときはこまめに水を替える
うなぎの肝焼き
材料
・うなぎの生肝:50〜100g
・醤油:大さじ1
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ1
・砂糖:大さじ1
作り方
まずは、うなぎの肝の定番の食べ方である肝焼きのレシピを押さえておきましょう。
1.苦玉や浮袋を取り除き、しっかり洗って下処理をする
2.生肝をアルミホイルを敷いた天板に並べる
3.トースターで5分ほど焼く
4.小鍋に全ての調味料と焼いた肝を入れ、弱火で5分ほど煮る
5.肝だけを取り出し、再度トースターで3分ほど焼く
6.4をもう一度小鍋に戻し、タレに絡めたら完成
うなぎの肝の下処理をしっかりと行えば、自宅でもプロ風の肝焼きを簡単に作れます。オーブントースターで調理するレシピのため、より手軽にチャレンジできるでしょう。タレを2回に分けて絡めることで、よりコクのある味わいに仕上がります。
うなぎの肝煮
うなぎの肝吸い
材料
・うなぎの肝:6個
・三つ葉:1/2束
・かつおだし:500cc
・塩:小さじ1/2
・薄口醤油:小さじ1
作り方
うなぎ料理の名脇役とも言えるうなぎの肝吸いのレシピは、次のとおりです。
1.下処理したうなぎの生肝を下茹でする
2.ざるにあげて流水で洗い流す
3.かつおだしに塩と薄口醤油を入れ、沸騰させる
4.3に2のうなぎの肝を入れ、再び煮立ったら火を止める
5.4をお椀に入れ、三つ葉を盛り付けたら完成
シンプルな味付けで、かつおだしとうなぎの肝の旨味を存分に味わえるレシピです。下茹でしたうなぎの肝は、冷蔵庫で1〜2日程度保存できます。事前に肝の下処理だけ済ませておくと、その後の調理が楽になるでしょう。
うなぎの肝ポン酢
材料
・うなぎの生肝:1パック
・水:適量
・ポン酢:大さじ2
・鷹の爪:1本
作り方
うなぎの肝ポン酢は、肝を茹でて調味液に浸けこむだけで簡単に完成します。
1.肝についた苦玉や浮袋を取り除いてよく洗う
2.小鍋にお湯を沸かし、1を2分ほど茹でる
3.ざるにあげて水気を切り、ポン酢と鷹の爪を入れた調味液に浸け込む
4.味が染み込んだら完成
うなぎの肝は甘辛い味付けのレシピが多いですが、ポン酢でアレンジすることでさっぱりとした味わいを楽しめます。茹で上がったあと、すぐ調味液に浸けることで、より味が染み込みやすくなります。シンプルな味付けのため、下処理は特に丁寧に行うのが美味しく仕上げるポイントです。
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