料理を効率よく進めるためにミキサーやフードプロセッサーを使っている人も多いでしょう。しかし、思っていたほど十分に使いこなせていないという人は、意外と多いのではないでしょうか。それに、ミキサーとフードプロセッサーは似ているようで、できることや機能、仕上がりが異なり、うまく使い分ける必要もあります。ミキサーとフードプロセッサーを日頃の料理に活用できるよう、2つの違いや上手に使うためのポイントなどを説明します。

フードプロセッサーとはどのような機能を持つのか、ミキサーとはどのような場面で使うと良いのかを最初に整理しておきましょう。

フードプロセッサーとミキサーの大きな違いは、食材を固体のまま刻んだり混ぜたりするのか、それとも液体と一緒に攪拌するのかという点にあります。フードプロセッサーには野菜などの食材を刻む機能があり、みじん切りや粗めのカットが手早くできて、主に料理の下ごしらえに使われます。

一方、ミキサーは液体と細かくカットした野菜や果物を一緒に入れて、スープ状やジュースにするのが主な役割で、入れたものを滑らかに混ぜられます。このため、フードプロセッサーとミキサーの違いを理解せずに、フードプロセッサーのように固い食材をミキサーで攪拌すると故障する可能性があります。

フードプロセッサーとミキサーは刃の形状にも違いがあり、フードプロセッサーは2枚刃タイプが多く、粗い食材でも細かくカットできるように丈夫に作られています。さらに、2枚刃よりも3枚や4枚刃の方が食材にまんべんなく当たるため、作業効率が高くなる点も特徴です。

一方でミキサーはフードプロセッサーとは違い、食材をペースト状にする機能を持っているため、刃は4枚タイプで構成されています。刃は鋭利で細かく、大きな食材を一気に入れてしまうと刃が回らない可能性があり、注意が必要です。

フードプロセッサーの容器は広くて浅めの形状が多く、食材を効率よく刻めるように設計されているのが特徴です。一方、ミキサーの容器は縦長で細めの形状が一般的で液体と食材を一緒に混ぜるのに向いています。

フードプロセッサーとは違い、ミキサーは容器が縦長になっているため、液体が下に集まりやすく、刃で攪拌できるためジュースやスープなどを滑らかに仕上げられます。また、液体を扱うのでフードプロセッサーのように浅く広い容器だと、攪拌したときにこぼれやすくなってしまいます。

フードプロセッサーとミキサーの違いの1つは水分の必要性の有無で、フードプロセッサーは水分なしでも使えますが、ミキサーは液体と一緒に攪拌しなければなりません。ミキサーとは違い、フードプロセッサーに水分が多めの野菜や果物を多く入れてしまうと容器から水分が溢れてしまう可能性もあります。

水分が多めの野菜などをフードプロセッサーにかける場合は、刃の回転速度や時間を調整することが大切です。一方、ミキサーはフードプロセッサーと違い、液体を入れないと刃に負担がかかり、故障する可能性があります。また、液体がないと滑らかな仕上がりになりません。

フードプロセッサーは、野菜を細かくみじん切りにしたり、肉をミンチ状にしたりする下ごしらえに主に使われます。仕上がりとしては野菜は均一に刻まれ、肉は細かくほぐれるので、サラダやハンバーグの種など調理に使いやすい形状になります。

また、フードプロセッサーの刃の形状は固い食材を刻むために作られており、液体になるまでなめらかに仕上げるのには向きません。一方、ミキサーはフードプロセッサーとは違い、液体と一緒に撹拌する機能を持つため、スープやジュースなどを滑らかに仕上げられます。

フードプロセッサーやミキサーのほかにも、野菜や果物を刻む家電にはブレンダーやジューサーがあります。
ブレンダーやジューサーとの違いを説明すると、ブレンダーはミキサーと同じもので、違いは呼び名だけです。実はミキサーは日本特有の呼び名で、欧米では一般的にブレンダーと呼びます。
また、日本では卓上に置くタイプをミキサーと呼び、手に持って操作するタイプをブレンダーと呼んで区別することもあります。基本的に機能に大きな違いはありません。

ジューサーはジュース専用の家電で、ミキサーで作るとろみのあるスムージーやスープではなく、果物や野菜を絞りジュースのような液体を作りたい場合に向いています。

フードプロセッサーやミキサーを上手に使えば、野菜や果物を刻んだり混ぜたりするだけでなく、料理やドリンク、お菓子作りなど作りたいものに合わせて、下ごしらえから仕上げまで幅広く活用できます。フードプロセッサーとミキサーを上手に使いこなすために、それぞれの特徴や活用法を知っておきましょう。

・サラダ用の野菜を均一に刻む
・ハンバーグやソースの材料を混ぜる
・パンやピザ生地を手軽にこねる
・とろろや大根おろしを短時間で作る
・バジルソースやペーストなどが簡単に作れる
・滑らかなスムージーを作る
・食材や調味料を途中で追加できる
・シェイクを作る
・繊維の多い食材もパワフルに処理できる
・離乳食や介護食を作る

フードプロセッサーを使うと、野菜を細かく刻んだり、肉を混ぜてミンチ状にしたりと、下ごしらえを手早く済ませられます。野菜は均一にみじん切りにできるため、サラダや炒め物などさまざまな料理に使用できます。

さらにアタッチメントを取り替えればパンやピザ生地もこねられ、とろろや大根おろしも簡単に滑らかに仕上げることが可能です。手作業との大きな違いを実感できるでしょう。ミキサーとは違い、液体だけでなく固形食材の下ごしらえも手早くできる点が、フードプロセッサーの特徴です。

さらに、バジルソースやペーストも手早く作れるので、レシピのバリエーションを増やせます。

・サラダ用の野菜を均一に刻む
・ハンバーグやソースの材料を混ぜる
・パンやピザ生地を手軽にこねられる
・とろろや大根おろしを短時間で作る
・バジルソースやペーストなども簡単に作れる

ミキサーは、果物や野菜を簡単に液状にできるので、飲みやすいスムージーやジュース、滑らかなスープやポタージュを短時間で手早く作れます。途中で調味料や食材を追加しても混ざりやすく、離乳食や介護食など、柔らかく仕上げたい料理を手作業より楽に作れます。

またフードプロセッサーとは違い、ミキサーは繊維の多い食材や氷もパワフルに処理できるため、仕上がりがより滑らかになります。

・滑らかなスムージーが作れる
・食材や調味料を途中で追加できる
・シェイクを作る
・繊維の多い食材もパワフルに処理できる
・離乳食や介護食を作る

フードプロセッサーとミキサーは、どちらも野菜や果物を手早く加工できますが、仕上がりや機能には違いがあります。調理の際にどっちがいいのか、悩む人もいるでしょう。フードプロセッサーとミキサーを使ってできることや機能の違いを理解しておくと、どっちを使えば良いのか迷ったときも、目的に合わせた調理家電を選びやすくなります。

フードプロセッサーを使えば、玉ねぎのみじん切りや肉のミンチもすぐに仕上がり、包丁での長時間の作業をせずに下ごしらえができます。ミキサーとは違い、フードプロセッサーは均一に刻んだり混ぜたりできるので、料理を始めたばかりの人でも見た目や味にムラが出にくく安心して調理ができるでしょう。

また、ミキサーとは刃の形状や回転が違い、固い食材でも簡単に処理できます。さらに一度に大量の食材を扱えるため、週末にまとめて作り置きをしたい人や家族の人数が多い人に向いています。

・料理の時間を短くしたい人
・料理を始めたばかりの人
・一度にたくさんの食材を調理する人

ミキサーは果物や野菜を簡単に滑らかな状態にでき、毎朝のフレッシュドリンク作りも手間なく楽しめます。また細かくカットした後であれば、野菜や果物をまとめて処理できるので、スープなどを多めに作るときに便利です。

さらに、素材そのままの栄養を無駄なく摂取できるため、健康管理や栄養バランスを意識した食生活に役立ちます。

・ジュースやスムージーを手軽に楽しみたい人
・スープやピューレなどの調理をよくする人
・健康や栄養に気を使っている人

フードプロセッサーとミキサーはどちらも野菜や果物を短時間で効率よく下ごしらえできますが、仕上がりには違いがあります。この違いを理解していれば、用途に応じて兼用できることもあり、効率よく使いこなせます。どのような場面で、フードプロセッサーとミキサーを兼用できるのかを紹介しましょう。

フードプロセッサーはミキサーと兼用して使うことも可能ですが、仕上がりの滑らかさに違いが出ます。これはフードプロセッサーの刃が液体用に作られていないからで、ジュースやスープを作っても、ミキサーとは違い、滑らかには仕上がりません。

フードプロセッサーを使ったジュースは、果物の食感や繊維が多く残り、とろみの強い仕上がりになることを覚えておきましょう。

ミキサーをフードプロセッサーの代用にしたり、兼用したりすることは、あまりおすすめできません。本来の使用目的とは違う使い方を何度もしていると、故障する恐れがあります。その理由は刃の形状の違いで、ミキサーの刃は液体用に作られており、繊細で薄く鋭い作りになっています。

そのため、水分を入れずに固い食材だけで撹拌すると、刃が回転しなかったり、負荷がかかったりして、うまく切断できません。説明書をよく読んで、正しい使い方を心掛けましょう。

フードプロセッサーとミキサーのどちらかを購入しようと悩んでいる際には、それぞれの特徴や仕上がりの違いを理解しておくことが大切です。使い勝手のよいフードプロセッサーとミキサーを、それぞれの特徴とともに紹介しましょう。