木のまな板を使っていると、表面に黒い点や薄いカビが出てくる場合があります。毎日洗っていても、なぜカビが生えてしまうのでしょうか。木のまな板にカビが生える主な原因と、正しい汚れの取り方を紹介します。

木のまな板にカビが生える原因
・原因�@水分や食品のカスが残っている
・原因�Aキッチンの湿気
・原因�B間違ったお手入れ

木のまな板の手入れを怠ると、カビが生える場合があります。カビを放置すれば、衛生面の問題だけでなく、食中毒など体への影響にもつながります。毎日の料理を安心して楽しむためには、正しい方法で手入れを続け、清潔な状態を保つ工夫が欠かせません。適切でない汚れの取り方を実践すると、逆に雑菌やカビが繁殖する原因にもなるため注意してください。

食材をカットする際に包丁の刃を受け止めるまな板は、使用するたびに表面に細かな傷がつきます。調理後に汚れを洗い落としたつもりでも、こうした傷の間には細かい食材の残りかすや水分が残ってしまいます。

食品カスや水分は、雑菌やカビにとっては栄養源です。手入れが行き届かず放置すると、細かい所から徐々にカビが繁殖します。正しい汚れの取り方を意識して、まな板を清潔に保つことが重要です。

湿気が残った状態のキッチンに木のまな板を置いておくと、カビが繁殖したり木材が腐食したりする原因となります。木のまな板は、乾燥していて風通しの良い場所で保管してください。中性洗剤を使ってまな板全体を丁寧に洗浄した後、表面に水分が残らないよう十分に乾かすことがポイントです。

月に一度だけでも、風通しの良い場所で完全に乾かす時間を設けると、より長持ちします。雑菌やカビが繁殖しにくくなり、長く安心して使用できるでしょう。

木のまな板にカビが発生する主な原因は、洗い方のミスです。水洗いだけで済ませると、油やタンパク質汚れ、食材カスが木目に残りやすく、カビの原因になります。また、洗った後に乾燥させず、濡れたまま放置したり収納したりすると、木の繊維内に水分や湿気が残りカビの繁殖につながります。

木のまな板は、毎日きちんと洗っているつもりでも、木の性質や使い方によっては染みや汚れが少しずつ積み重なっていきます。そのまま放置すれば衛生面の不安につながり、調理にも影響を与えかねません。木のまな板の黒ずみを取り除く適切な方法を紹介します。

木のまな板のカビ・黒ずみの取り方
・熱湯をかけて殺菌する
・レモン汁やクエン酸で殺菌する
・重曹を使う
・キッチン用の塩素系漂白剤を使う
・サンドペーパー（紙やすり）で削る

木のまな板は、食器用の洗剤で洗って表面や木目に残った細菌や食材のタンパク質汚れを除去してから、食材の匂いやカビの発生を抑えるために熱湯で殺菌してください。熱湯での消毒は、調理のたびに行うのが理想的です。特に、生肉や生魚を切った後は表面に菌が付着しやすいため、必ず実践しましょう。

ただし、洗う前に熱湯をかけてしまうと食材のタンパク質汚れが固まり、かえって雑菌が繁殖するため注意が必要です。熱湯をかけた後に水分をよく拭き取り、キッチン用アルコール除菌スプレーを吹きかければ、より高い効果が期待できます。

熱湯を使った殺菌方法
1.食器用洗剤で洗う
2.両面に熱湯をかけて除菌する
3.水分をよく拭き取る
4.キッチン用アルコール除菌スプレーを吹きかける

アルコール除菌スプレーがないときは、クエン酸スプレーで代用できます。作り方は簡単で、スプレーボトルに42℃程度のお湯200mlとクエン酸小さじ1を入れ、よく振るだけで完成です。

手作りのクエン酸スプレーは保存性が低いため、使い残しはそのまま放置せず、必ず捨ててください。なお、クエン酸が手元にない場合は、レモン汁でも同じように除菌できます。天然由来の成分のため安心して取り入れられる手入れ方法です。

クエン酸で殺菌する方法
1.まな板を洗剤で洗う
2.表面にキッチンペーパーを置く
3.クエン酸スプレーを全体に吹きかけ、20分程度置く
4.水拭きしてから乾かす

刃による傷が増えている場合は、重曹をまな板の表面にすり込むように使うと効果的です。細かい傷の内部に残った汚れや黒ずみを簡単に取れる方法で、除菌や消臭の効果も期待できます。また、粗塩を表面にまぶしてタワシでこすりながら水洗いする方法でも、除菌の効果を得られます。

重曹を使う方法
1.傷のある部分に重曹をふりかける
2.たわしでかき出す
3.水で洗い流す
4.清潔なふきんで水気を拭き取る
5.乾燥させる

塩素系漂白剤であるキッチンハイターは、黒カビの除去や除菌に高い効果を発揮しますが、木のまな板に使用する場合は注意が必要です。

木製の物は変色するおそれがあるため、漂白剤を使用する際は、まず目立たない箇所で変色しないかを確認してください。木の変色を防ぐために、短時間で洗い流します。

塩素系漂白剤を使った漂白方法
1.まな板の目立たない部分で変色しないかのテストを行う
2.カビの目立つ部分に漂白剤をかける
3.5分以内に水で流す
4.十分に乾かす

しつこい黒ずみは、サンドペーパーを使って削る落とし方もあります。まず＃120程度の粗めのサンドペーパーで表面を削り、その後＃240程度のやや細かいサンドペーパーで整えていきます。木目に沿って磨くのが、美しく仕上げるポイントです。古い木屑は洗い流し、カビ予防のためにもよく乾かしてください。

ペーパーを手で直接持って作業しても問題ありませんが、木片などの平らなものにあてて作業すると、木の面を凹ませず均一に磨けます。

サンドペーパーで削る方法
1.目の粗いペーパーで削る
2.目の細かいペーパーで全体の凹凸を整える
3.削り屑を水で洗い流す
4.よく乾かす

木のまな板を長く使い続けるには、表面にカビが現れる前に防ぐことが何より大切です。頑固なカビは簡単に漂白できず、特に木製のまな板では素材の性質上さらに除去が難しくなります。衛生的な状態を保つための手入れのポイントと汚れの取り方を紹介します。

木のまな板にカビを生えさせない予防方法
・使用前は水で濡らす
・使用後は洗剤でしっかり洗い殺菌する
・風通しの良い場所で立てて乾かす
・湿気の少ない場所に保管する
・定期的にアルコール消毒する

木のまな板は使用前に水で濡らすと、表面に薄い水の膜ができ、汚れが染み込むのを防いでカビの発生を抑えます。この薄い膜は、食材の汚れだけでなく、生魚やニンニクなどの強い臭いもブロックしてくれます。

ただし、水滴が残ったままの状態では食材に余計な水分がついてしまうため、使用前には必ず清潔な布で拭き取ってください。

まな板を洗う際は、ぬるま湯や水を使って中性洗剤で汚れを落とすのが基本です。その後表面を除菌すると、さらに清潔な状態を保てます。

肉や魚などのたんぱく質は、60℃以上の熱で固まるため、熱湯を使うのは避けてください。たんぱく質の汚れがまな板のキズの中に入り込み、カビの繁殖を招いてしまいます。熱湯をかけて殺菌する場合は、洗剤で洗ってからにしましょう。

木のまな板は水に弱く、吸水性が高いため、乾燥が不十分だとカビや黒ずみが発生しやすくなります。まな板を倒して置いておくと設置面が乾きにくく、湿気がたまりやすくなるため、風通しの良い場所に立てて保管してください。まな板を立てる際は、たまに上下を入れ替えると、水がたまるのを防いで全体をまんべんなく乾かせます。

専用のスタンドに立てて置くほか、穴の開いたまな板であればフックに掛けて保管することも可能です。

木のまな板は、湿気の少ない場所で保管しないとすぐにカビが発生してしまいます。特に湿気がこもりやすいシンク下は、カビが繁殖しやすいため避けてください。

また、日当たりの強い場所に置くことも避けましょう。木は水分を含みやすく、乾燥や温度の変化にも弱いため、直射日光によって急激に乾燥や加熱が進むと反りやひび割れの原因になります。水がかかりやすい蛇口周りや、温度の変化が激しいレンジ周辺も保管場所として適していません。

まな板の表面の黒ずみは、クロコウジカビ菌というカビの可能性があります。木のまな板にカビが生えると簡単には漂白できないため、アルコール消毒で予防することが重要です。まな板を洗って拭き上げた後、全体にキッチン用アルコールスプレーを噴霧して手入れしてください。

アルコールはすぐに揮発するため、拭き取る必要はありません。一般的なアルコールスプレーは人体に害のない成分を主体としており、安心して使用できます。除菌は少なくとも週に1回を目安に行い、気温や湿度が高く衛生面が気になる場合は頻度を増やすとより効果的です。

木のまな板は温かみのある見た目で、刃当たりも優しく、長く愛用したい道具の一つです。しかし、日々の調理で水や食材に触れることから、どうしてもカビが心配になります。手入れや汚れの取り方を工夫するだけでなく、最初にどのような種類のまな板を選ぶかによっても、カビの発生しやすさは大きく変わります。

まな板に使われる木材によって、カビの生えやすさが異なります。天然の抗菌作用を備えた青森ヒバには、ヒノキチオールという成分が含まれており、カビの繁殖を抑える効果があります。また、ヒノキは水はけが良いため素早く乾き、カビが生えにくいのが特徴です。

カビにくいまな板で使われる木材
・ヒバ
・ヒノキ

自立する形状のまな板や、フックで掛けられる穴付きのまな板は、使用後に干して乾燥させやすく、カビの発生を抑えるのに適しています。また、木のまな板は、加工方法によって大きく一枚板タイプと接ぎ板タイプの2種類に分けられます。一枚の無垢材から作られた一枚板タイプは、水分を吸ったり放出したりする調整が自然に働くため、カビが発生しにくいのがメリットです。

木のまな板にはさまざまな形状や素材があり、どれを選ぶかで使い勝手が大きく変わります。調理のしやすさや洗った後の乾きやすさに着目して、5つのまな板をピックアップしました。日々のライフスタイルに合わせて最適な一枚を選べるよう、購入の際の参考にしてください。

木のまな板は毎日の調理に欠かせない便利な道具ですが、長く使ううちにカビや黒ずみが目立ってくる場合があります。どのタイミングで交換するのが適切かを知っておくと、清潔に保ちながら安心して使用できます。木のまな板の交換時期や、使い方に応じたまな板の選び方を紹介しますので、買い替えを検討する際は参考にしてください。

木のまな板は、一般的に5〜7年で寿命を迎えます。日々のメンテナンスを正しく行えば長い期間使い続けられますが、いくら手入れをしても汚れや傷が取れない時は買い替えのタイミングです。また、薄いまな板は、使い続けているうちに反り返ってしまうことがあります。反り返りが戻らない場合も、交換を検討しましょう。

状態の悪いまな板を使い続けていると、雑菌やカビが繁殖して食中毒のリスクが高まったり、食材を切りにくくなったりして危険です。定期的に交換するよう意識してください。

プラスチック製のまな板は、軽くて扱いやすく、手入れも簡単な点がメリットです。価格が手頃でデザインも豊富なため、頻繁に新しいまな板に買い替えたい人に向いています。色やサイズのバリエーションも多く、キッチンの雰囲気に合わせて選べるのもポイントです。

重い木のまな板が苦手な人や、日常的に漂白剤を使って清潔を保ちたい人は、汚れの取り方が簡単なプラスチック製のまな板のほうが扱いやすいと感じるでしょう。