せいろは、短時間でヘルシーな蒸し料理を作れるとして、最近注目を集めています。自分も、せいろを使って蒸し料理に挑戦してみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。せいろを使うのは初めてだという人のために、せいろを使い始めるときの注意点や調理のポイントなどを紹介しましょう。

せいろは竹や杉などの素材で作られており、大きく分けて和せいろと中華せいろの2種類があります。どちらのせいろも「空蒸し」をしてから使い始めるのが一般的です。空蒸しとは、初めて使うせいろを食材を入れずに蒸すことです。使い始めの木製せいろは、素材特有の強いにおいや木くずなどの汚れが残っていることもあります。

空蒸しはせいろの表面に付着した木くずやゴミを落とすとともに、木の灰汁を抜いて素材特有のにおいを和らげる効果があります。また使い始めのせいろは乾燥しており、そのまま使うと急な温度変化によって割れたり変形したりすることも少なくありません。初めて使うときに、空蒸しで乾燥したせいろに水分を含ませておくことで耐久性もアップします。

空蒸しはせいろを初めて使う時に必要な準備ですが、具体的にどのような方法で行うのでしょうか。正しい空蒸しの方法を知っておくことで、素材の特徴を生かしながら、せいろを長く使い続けられます。

せいろの空蒸しのやり方
1.洗って水に浸ける
2.しっかりと拭いて乾かす
3.鍋でお湯を沸かす
4.空のせいろを載せて蒸す
5.水気を拭いて陰干しする

新品のせいろを初めて使う時は、まずせいろ全体を十分に水で浸します。使い始めのせいろは木材が乾燥しており、そのまま使うと急な温度変化によって繊維が収縮してしまい破損の原因になります。水にしばらく浸けておくことで素材の繊維を引き締められるので、使う時の熱や蒸気によって本体がひび割れてしまうのを防げます。

水に浸ける時間は素材や大きさによって異なりますが、サイズが大きい木製せいろであれば長くて30分程度が目安です。安いスギの木を使ったせいろの場合は短めに、ヒノキ製であれば少し長めに水に浸けると良いでしょう。せいろを洗うときは、洗剤を使わず水だけで洗います。

使い始めのせいろを水に浸けた後は、布巾で十分に水気を取ってから乾燥させます。乾燥が不十分だとカビが発生する原因になります。せいろは木や竹など天然素材でできているので、風通しの良い場所で自然乾燥させることが大切です。急な温度変化による変色や割れの原因になるので、食器洗い乾燥機や電子レンジで乾燥させるのはやめましょう。

干すときは、水切りカゴなどに立て掛け、こまめに裏表を返すと、短時間で隅々まで乾燥させられます。直射日光に当ててしまうと、せいろ本体がひび割れてしまう可能性があるので、日陰で干しましょう。

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使い始めのせいろ本体を乾かしたら、鍋の8割程度の高さまで水を入れてお湯を沸かします。お湯の量が少ないと空焚きになってしまい、せいろ本体が焦げ付く恐れがあります。特に浅い鍋は短時間でお湯が蒸発しやすいので気をつけましょう。沸かしている途中で水が少なくなってきたら、沸騰したお湯を継ぎ足します。

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鍋から蒸気が上がってきたら火加減を中火にし、空のせいろを鍋に載せましょう。せいろを載せる際は、鍋との間に隙間ができないようにするのがポイントです。隙間があると使う時に蒸気が逃げてしまい、上手く空蒸しができません。どうしても鍋とせいろの間に隙間が空いてしまう場合は、金属製の蒸し板を併用すると、より短時間で効率良く空蒸しできます。

空蒸しの時間は長くても15分程度にしましょう。新品のせいろは素材がまだ馴染んでいない状態ですので、初めて使う時に長時間蒸してしまうとひび割れの原因になります。

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空蒸しを終えたら、せいろ本体に付着した水気を丁寧に拭き取ってから乾燥させます。初めて使うせいろは空蒸し後に汚れや木くずなどが浮き上がってくるので、一度水で洗い流してから布巾などで水気を拭き取りましょう。手入れ後にすぐに使うのであれば、そのまま使い始めても問題ありません。

すぐに使わない場合は十分に乾燥させてから保管します。干す時は最初に水に漬けた時と同様、直射日光が当たらない所で自然乾燥させます。

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一般的なせいろは竹やスギなどのデリケートな天然素材で作られているため、初めて使う際は扱い方に注意しないと破損や変色などの原因につながります。新品のせいろを長く使い続けるため、次のような点に注意しましょう。

せいろを始めて使う時の注意点
・洗剤では洗わない
・しっかりと乾燥させる
・水に長時間浸けない
・お湯が沸騰してから載せる

初めて使うせいろを洗う際には、洗剤を使わずに水またはぬるま湯だけで洗うのが基本です。洗剤で洗うと木材に洗剤の成分がしみ込んでしまい、せいろ本体が劣化する原因になるため基本的に避けてください。特に杉製や竹製のせいろは、洗剤が浸透すると嫌な臭いが発生するリスクがあります。

せいろを初めて使う時は、空蒸しをしたら十分に乾燥させてください。竹や杉などの天然木材が使われている物は特に、洗った後に水気をよく切ってから乾燥しておかないと保管中に湿気でカビが生えてしまいます。そのため手入れ後は湿気がこもらない通気性の良い場所に置いて乾燥させてください。

水切りラックに乗せたりフックなどで壁に掛けて保管したりなど、せいろ全体を乾かせるように工夫すると良いでしょう。

清潔に使い続けるためにも、初めて使うせいろを水に浸すのは短時間にしてください。水に浸すのはせいろに付着している匂いや汚れを落とす上で必要ですが、長時間浸しているとカビが発生する原因になります。特に杉製のせいろは長時間水に浸けるのに不向きで、濡らし過ぎると強度が低下してしまいます。

せいろを初めて使う時は、必ず鍋の中のお湯が沸騰している状態でせいろ本体を載せましょう。沸騰前の冷たい水が入った鍋にせいろを乗せてから加熱すると、温度差によってせいろが傷む原因になります。また調理の際に沸騰前のお湯を使うと、食材に熱が均一に伝わらず加熱ムラが出てしまいます。

初めてせいろを使う時、空蒸し後の使い方や手入れ方法などに悩む人も多いでしょう。せいろを使った蒸し料理について、初心者に多い疑問を、その答えとともにQ&A方式で紹介します。

せいろの使い始めに関するQ＆A
・せいろの空蒸し後の使い方は？
・せいろはフライパンでも使える？
・せいろの洗い方・手入れ方法は？

A.1 空蒸しを終えたせいろを使う時には軽く水で濡らしてから、お湯を沸騰させた鍋の上に載せて使います。加熱ムラを防ぐためにも、調理の際は十分に沸騰させたお湯を使いましょう。野菜であれば直接せいろに入れても問題ありませんが、肉や魚などの脂が多い食材やにおいが強い物を調理する場合は、クッキングシートや蒸し布の上に乗せます。

そうすると、食材から出てくる脂がせいろ本体に付着するのを防げるので、調理後の手入れが楽になります。食材を入れたら蓋をして、強火から中火程度の火加減に調節して蒸しますが、時折、竹串などで刺して火の通りを確認しましょう。

せいろには、深型の「和せいろ」と、浅い「中華せいろ」があり、中華せいろは積み重ねて調理ができます。また、和せいろは、木蓋で蓋をして蒸気を閉じ込める一方、中華せいろの蓋は、網状に編まれていて、適度に蒸気が抜けます。初心者でも使いやすい、和せいろと中華せいろを1点ずつ紹介しましょう。