冬の寒い時期などは熱々の料理を食べたくなることもあるでしょう。そんなときに役立つのが鍋敷きです。鍋敷きがないと、熱い鍋やフライパンなどで食卓やキッチンカウンターを傷めてしまうかもしれません。
しかし、それほど熱い料理をする機会がないという人の中には「わざわざ鍋敷きを買わなくてもいいのでは」と考える人もいるでしょう。実際、身の回りにあるものを使って、鍋敷きの代わりにすることはできます。手軽に鍋敷きの代わりにできるキッチン用品や、屋外で役立つ代用品、簡単にDIYをする方法まで紹介します。

鍋敷きの代用品は、ただ鍋を置ければ良いというものではなく、安全に鍋を置くには素材や厚さも重要です。鍋敷きの代用品を選ぶ際は、特に次の3つのポイントに注意しましょう。

耐熱性の高い素材を使っても厚みが無く薄すぎると、鍋の熱が下に伝わってしまい、テーブルの天板の変色や焦げ付きの原因になりかねません。安全に使うための厚みの目安は、1〜1.5cm程度です。キッチン用品などで代用する際、1枚で厚みが不十分な場合は、複数を重ねて必要な厚さを確保しましょう。

食事の場の雰囲気をより良くするには、鍋敷きの代用品としての実用性だけでなく見た目の印象も大切です。直径24cmほどの鍋には、一回り大きい30cm角程度の正方形の木製カッティングボードを代わりに使用すると、見た目のバランスが良く安定感も増します。色鮮やかな布製のランチョンマットや布巾などを使うと、食卓が華やかになります。

牛乳パックも使い方によっては、鍋敷きの代用品になります。開いてから蛇腹状に折りたたんだり、複数枚を平らに重ねてテープで固定したりして、1cm以上の厚みを作ってから使いましょう。使い終わった後に汚れがひどくても、気兼ねなく処分できるため、後片付けが簡単で便利です。

デメリット・注意点
・1枚では厚みと強度が不十分
・内側のコーティングが熱で溶けるおそれがある
・安定性に欠ける場合がある

牛乳パックは、内側に施されているポリエチレンのコーティングは、高温の鍋に直接触れると溶ける可能性があります。アルミホイルや布巾を間に挟んで、鍋底にコーティングが付かないようにしましょう。また、何枚か重ねただけでは安定性に欠けるので、必ず平らな場所で使いましょう。

クッキングシートの多くはシリコーン樹脂で加工されており、製品によっては250度程度の熱に耐える性能を持っています。そのため、高温の鍋を短時間置いても、すぐに燃え出すといった心配はほとんどありません。紙製ですが他の紙類と比較して熱に強いため、緊急時に代用できます。

デメリット・注意点
・厚みがないので熱を遮断しきれない
・滑りやすく鍋が安定しない

クッキングシートの最大の問題は厚みが全くないことで熱を遮断しきれないので、テーブルの塗装を変色させたり、ワックスを溶かしたりする可能性があります。また、表面が非常に滑りやすく、特に底が平らな鍋は少し触れただけで動いてしまい危険です。

キッチンに常備されていることの多いキッチンペーパーは、最も手軽に用意できる代用品の一つです。厚手の物を何枚も重ねて折りたたむと、紙の繊維の間に空気の層ができます。この空気層が簡易的な断熱材の役割を果たし、短時間であれば熱が直接テーブルに伝わるのを防いでくれます。

デメリット・注意点
・濡れると熱伝導率が高まり危険
・薄く燃えやすい

キッチンペーパーは水分を吸収すると、熱が伝わりやすくなるため、必ず乾いた状態で使うのがポイントです。また、紙は非常に燃えやすい素材なので、火には気を付けましょう。

陶器の皿も、耐熱性が高いため、鍋敷きの代用品になります。オーブン調理に使える耐熱皿や、厚手の大皿は熱に強く、熱い鍋も安定して置けます。食卓にそのまま出しても鍋や料理、食器とよく合うでしょう。

デメリット・注意点
・急な温度変化で割れる可能性がある
・テーブルの素材によっては滑りやすい

陶器は熱い鍋を乗せた直後に冷たい水がかかるなど、急な温度変化でひびが入ることがあります。使用前に皿やテーブルが乾いているかを確認し、水気を拭き取ってから使うことが大切です。また、表面が滑らかなテーブルでは皿が安定しないので、皿の下に乾いた布巾やシリコンマットを一枚敷きましょう。

キッチンの常備品であるアルミホイルも、何枚か重ねて折りたためば鍋敷きの代用品として使えます。アルミホイルは、使い捨てできるのでとても手軽です。ソースや汁で汚れても後片付けが簡単で、衛生的に使用できます。キャンプといった屋外で鍋敷きを忘れたときなどにも便利です。

デメリット・注意点
・十分な厚みがないと熱が伝わる
・食卓の見た目を損なう場合がある

アルミホイルは非常に薄い素材のため、数枚重ねるだけでは厚みが確保できず、テーブルに熱が伝わる可能性があります。また、食卓のインテリアや見た目を重視する場面では、この代用方法はあまり向いていません。

ダンボールは内部の波状構造が空気の層を作るため断熱性が高く、鍋敷きの代用品としても優れています。ダンボールは、必要な大きさにカットするだけで手軽に使えます。汚れたら気軽に交換できる点も便利です。布を貼るなどリメイクすれば、キッチンや食卓のインテリアに合うオリジナルの鍋敷きアイテムを作れます。

デメリット・注意点
・水濡れに弱い
・繰り返し使うと潰れて厚みがなくなる

ダンボールは紙製品のため、水や湿気に非常に弱いのが欠点です。鍋からこぼれた汁などで濡れると、強度が落ちて鍋を支えきれなくなる場合があります。また、重い鍋を繰り返し置くと、内部の構造が潰れて断熱効果が薄れてしまいます。

読み終えた雑誌や参考書も、ページ数が多く十分な厚みを持つため、鍋敷きの代用品としてすぐに使えます。特にカタログや週刊誌のような厚い物は、安定感もあり熱を通しません。もし厚みが足りないと感じる際は、雑誌や参考書を何冊か重ねましょう。

デメリット・注意点
・インクが鍋底やテーブルに移るおそれがある

雑誌の光沢ある表紙やカラーページは、鍋の熱や水分でインクが溶け出す可能性があります。一手間かかりますが、鍋と雑誌の間に布巾を一枚挟んだり、テーブルとの間にキッチンペーパーを敷いたりしてインク移りを防ぎましょう。

重ねるだけで熱い鍋からテーブルを守ってくれる新聞紙も鍋敷きの代わりになります。鍋料理でテーブルが汚れてしまっても、使い終わった新聞紙はそのまま捨てられるので後片付けがとても楽です。キッチンに読み終えた新聞をストックしておくと、急な来客の際にも役立ちます。

デメリット・注意点
・インクが鍋底やテーブルに移るおそれがある

鍋から伝わる熱や、鍋底に付着した水分によってインクが溶け、テーブルや鍋に付いてしまう可能性があります。鍋を長時間置かないことや、鍋底が濡れた状態での使用を避けることが大切です。

新聞の折り込みや郵便受けに投函されたチラシは、数枚重ねるだけで食卓を熱から守る便利な鍋敷きになります。紙は熱を伝えにくく、万が一鍋の汁などで汚れても気兼ねなく捨てられるので、後片付けが楽なのも大きなメリットです。また、キッチンに常備しておけば、急な来客時にも手軽に使えます。

デメリット・注意点
・インクが鍋底やテーブルに移るおそれがある
・食卓の見た目を損なう場合がある

チラシは全面がカラー印刷のため、熱や水分でインクが溶け出しやすいのが特徴です。テーブルや鍋底への色移りを防ぐため、キッチンペーパーを間に挟むなどの対策をしてから使いましょう。あくまでも応急処置の方法なので、おもてなしの席など、食卓のインテリアや見た目を重視する場面には向いていません。

キャンプグローブは、焚き火などの高温作業で手を守るためのもので、、高い耐熱性と耐火性があるため、鍋敷きの代用品に適しています。素材は革やアラミド繊維などが主流で、熱い鍋やスキレットを直接置いても問題ありません。調理で熱くなった鍋を一時的に置く場所に困る際も、このグローブがあればテーブルを傷めずに済みます。

デメリット・注意点
・焚き火などで使用中は鍋敷きの代わりとして使えない

キャンプでは火の管理と調理が同時進行するため、グローブを手から外せない場面が頻繁にあります。その状況では鍋敷きの役割を果たせず、置き場所に困る事態になりかねません。あくまでも手が空いているときに限られる一時的な代用品と考え、他に使えるものを準備しておくと安心です。

焚き火に使う薪は現地で調達しやすく、木は熱を伝えにくいため、鍋敷きの代用品として使えます。太めの薪を2本平行に並べ、その上に鍋を置くだけで十分です。木は熱を伝えにくいので、熱い鍋を置いてもテーブルを傷める心配がありません。自然の物を使うので、アウトドアの雰囲気を損なうこともないでしょう。

デメリット・注意点
・同じ高さや太さの物を選ぶ必要があり、安定させにくい

薪の表面は平らではないため、鍋がぐらついて中身がこぼれるおそれがあります。できるだけ平らな面を使い、鍋が安定するのか、必ず確認しましょう。同じ太さや高さの薪を選ぶと安定しやすくなります。

DIYのメリットは、キッチンのインテリアや持っている鍋の大きさに合わせて、オリジナルの鍋敷きを自由に作れることです。麻紐やダンボールなど、異なる素材を使った鍋敷きの作り方を3つ紹介します。

麻紐を編み込んで、自分だけの鍋敷きを作れます。作るときのポイントは、芯に麻紐をきつく巻き、均等に編み込んでいくことです。編み方が緩いと鍋の重みや熱で変形しやすくなってしまいます。均一な力で編むと、見た目も美しく仕上がります。麻紐の代わりに細く丸めた古紙を使っても、同様に丈夫な鍋敷きが完成します。

麻紐を編み込むエコな鍋敷きの作り方
1.ボトルなどに麻紐を巻き付け、ドーナツ状の芯を作る
2.芯の数か所を麻紐で縛り、形を整える
3.長い麻紐を芯に巻き付けながら編み込む
4.編み終わりは、かぎ針などを使って糸始末をする

紙を蛇腹状に折るだけでも、簡単に鍋敷きができます。ポイントは蛇腹の折り目を均等な幅にすることで、折り方が不揃いだと完成した形が歪んでしまい、上に鍋を置いた際に傾くおそれがあるからです。好みの包装紙を使えば、キッチンのインテリアにも合うおしゃれな鍋敷きになるでしょう。

紙を立体的に折って作るアコーディオン鍋敷きの作り方
1.A4などの紙を長辺に沿って8等分に折り、端の1列は切り取っておく
2.残りの紙を谷折りで半分にし、全体に斜め方向の折り目を付ける
3.次にひし形1.5個分の間隔で、横方向の折り目を全体に付ける
4.折り目に沿ってアコーディオン状にまとめ、1段目のひし形模様を組み立てる
5.1段ずつ山折りと谷折りを入れ替えながら、最後まで立体的な構造を作る
6.両端の余分な部分を裏側に折り込み、厚紙で補強して完成

木材やダンボールを使っても鍋敷きを作れます。熱い鍋の熱がテーブルに伝わるのを防ぎ、重さで潰れるのを避けるため、数枚重ねて十分な厚みを出すのがポイントです。ダンボールは波状の中芯に空気層を含むため、もともと断熱効果がありますが、複数枚重ねることで、さらに効果が高まります。

木材やダンボールを加工したオリジナル鍋敷きの作り方
1.厚紙で好きな形の型紙を作り、ダンボールや木材に写す
2.型に沿ってカッターやのこぎりで切り出す
3.ダンボールの場合は、ボンドで数枚貼り重ねて乾燥させる
4.表面にボンドで、好みの布やタイルなどを貼って仕上げる

ディノスでは鍋敷きの代用品としても使える。おしゃれなキッチン用品などを数多く取り揃えています。そうしたディノスの商品の中から、おすすめの便利な商品7点を紹介します。