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鍋の中に高い圧力をかけて食材を短時間で柔らかく調理できる圧力鍋を使うと、時間がかかる煮込み料理もスピーディーにできあがります。食事作りを効率化するため、日ごろから活用しているという人も多いでしょう。しかし「圧力鍋は難しそう」と敬遠している人も多いのではないでしょうか。初心者でも圧力鍋を使いこなせるよう、圧力鍋の仕組みや基本的な使い方などを紹介します。

圧力鍋を使うと、調理時間が短縮するのは、鍋の蓋をしっかり閉じて内部を密閉することで鍋の内部の圧力を高めているからです。水が沸騰する温度（沸点）は通常100度ですが、気圧が上がると上昇し、気圧が下がると低下します。例えば、気圧の低い富士山の山頂では90度に達する前に水が沸騰してしまい、お湯が100度に達しません。 逆に、圧力を高くした圧力鍋の内部では水の沸点が100度以上に上昇し、115度から125度程度にまで達します。このため、通常よりも高温で食材を調理でき、調理時間の短縮につながり、食材もより柔らかくなるのです。

さらに、一般的な鍋は火を消すと急激に温度が下がりますが、圧力鍋は火を消した後も、長く100度以上の温度をキープできるため、余熱での加熱が可能です。このため、圧力鍋は時短だけでなく光熱費の節約にも役立ちます。

圧力鍋にはおもり式とスプリング式の2種類があり、それぞれ蒸気の噴出方法が異なります。おもり式はおもりで蒸気口を塞いで、蒸気の量を調節するのが特徴です。鍋が加圧されると蒸気がおもりを押し上げ、蒸気を噴出することで中の圧力が上がり過ぎないようにします。おもりが押し上げられると、音がなって蒸気の噴出を知らせる仕組みです。

一方、スプリング式は蒸気口にバネが組み込まれており、バネで圧力を調節します。蒸気がほとんど出ず、音もしませんが、圧力の表示を見ながら火力の調整をしなければならない点が、初心者には面倒かもしれません。

圧力鍋の正しい使い方を覚えれば、調理時間を大幅に短縮でき、忙しい人でも効率よく料理が作れます。料理の仕上がりや味わいも変わり、栄養的にも良い影響があるなど、さまざまなメリットを感じられるでしょう。圧力鍋を使うと、具体的に次のようなメリットがあります。

圧力鍋で得られる効果
・調理時間を短縮できる
・味や食感が向上する
・光熱費の節約につながる
・栄養素の損失を抑えられる
・料理のレパートリーが増える

圧力鍋は通常の鍋と比べ高温で調理できるため、より短い時間で食材にしっかり火を通すことができ、効率よく料理を作れます。通常の鍋では何時間もかかるような豚の角煮も、正しい使い方を知れば、30分から1時間ほどで驚くほど柔らかい角煮が完成するでしょう。

圧力鍋は蓋で内部を密閉し、中の圧力を高めて高温で調理できるようにします。このため、シチューや豚の角煮などの煮込み料理も短時間で調理が可能です。食材も柔らかくなります。
また、圧力鍋は魚料理にも最適です。魚の骨は、コラーゲンの網状構造にカルシウムが組み込まれた形をしていますが、圧力鍋で加熱すれば、コラーゲンが溶けて骨が崩れやすくなり、口に入れるとほぐれるような食感が楽しめます。

圧力鍋は通常の鍋とは違い、100度を超える高温で調理できるため、短時間で料理が完成します。このため、ガス代や電気代が半分程度に抑えられ、光熱費も抑えられるでしょう。また、圧力鍋は火を消した後も温度が下がりにくいので、余熱による調理も可能です。使い方の工夫で、さらに光熱費を削減できるでしょう。

圧力鍋は水蒸気を閉じ込めて中の圧力を高めますが、蒸気によって中の酸素が出ていくため、加圧が始まる頃には、鍋の中が低酸素状態になります。食材が酸素に触れると、酸化によって味や香り、栄養素が損なわれてしまいますが、圧力鍋なら酸化を防げます。正しい使い方で、食材のおいしさをより引き出すことができるでしょう。

豚の角煮や牛すじ煮込みなど、普通の鍋なら時間の掛かる煮込み料理も、圧力鍋を使えば、半分の時間でできあがります。初心者の場合は、電気圧力鍋を使っても良いでしょう。電気圧力鍋も原理は同じですが、自動で温度などを管理するため、火加減を調整する手間が掛かりません。難しい料理も圧力鍋があれば簡単に作れるので、料理のレパートリーの幅も広がるでしょう。

圧力鍋は内部の圧力を高めて高温調理を行うので、使い方を誤ると蓋が飛んだり、中の物が噴き出したりして、大変危険です。このため、圧力鍋を使いこなすのは難しいと感じている人も多いでしょう。しかし、基本的な使い方を覚えておけば、安心して調理ができます。安全に調理を行うため、圧力鍋の基本的な使い方を紹介しましょう。

基本的な圧力鍋の使い方
・材料と水分を入れる
・蓋を閉めて強火にかける
・圧力がかかったら弱火で加熱時間を測る
・火を止め圧力が下がるまで放置する
・圧力が下がったら蓋を開ける

圧力鍋の基本的な使い方として、まずは適切な食材と水の量を守ることが大切です。取扱説明書などをよく読んで、量をしっかり確認しましょう。食材や水を入れすぎると、正常に加圧できなかったり、調理中に中の物が噴き出す恐れがあります。

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食材と適切な量の水を入れた後は、鍋底に火がしっかり伝わる程度の火加減で圧力をかけます。ガスコンロで圧力鍋を使うときは、炎が鍋底からはみ出さないように調整しましょう。しっかり加熱することで、鍋内の圧力が徐々に上がっていきます。

また、IHの場合は鍋の温度が上がりやすいので、火力の強さを取扱説明書で事前に確認しましょう。

加圧が進むと、スプリング式タイプの圧力鍋であればピンが持ち上がり、おもり式の場合はシューシューという音と共におもりが揺れ始めます。ピンが上がったり、おもりが揺れたりするのは、鍋内部に圧力がかかっているサインです。
圧力がかかったら、火加減で圧力を調整します。ピンの表示やおもりの揺れなどを確認しながら圧力を安定させましょう。火加減が上手な圧力鍋の使い方のコツです。

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加熱時間が過ぎたら、火を消してしばらく放置し、蓋を開けるタイミングを待ちます。圧力鍋は圧力が十分に下がるまで蓋を開けてはいけません。圧力が下がらないうちに蓋を無理に開けると、中の食材や水分が飛び出し危険です。安全のため正しい使い方を守り、必ず慎重に操作しましょう。

火を消した後は、しばらく放置して圧力が下がるのを待ちます。通常、圧力鍋には安全装置が備わっており、圧力がかかったままでは蓋を開けられないようになっています。圧力鍋のピンの表示が完全に下がり、蒸気が抜ける音がしなくなれば、蓋を開けるタイミングです。

無理やり開けてしまうと食材が出てしまう恐れもあるため、取扱説明書をよく読んで、開け方にも注意しましょう。

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圧力鍋は効率よく、短い時間でさまざまな料理を作れます。しかし、正しい使い方を守らなければ、思わぬトラブルで怖い目に遭うかもしれません。安全に使うための注意点や、やってはいけない使い方などを紹介します。

圧力鍋の注意事項
・材料や水分を入れすぎない
・入れてはいけない食材や調味料を確認する
・調理前に蒸気口の詰まりを確認する
・空焚きは絶対にしない
・完全に蓋が閉まっていることを確認する
・圧力がかかっている最中は絶対に蓋を開けない
・急な衝撃を与えたり動かしたりしない

圧力鍋での調理中は、中に高い圧力がかかっています。このため、食材や水分の入れすぎには注意が必要です。量が多すぎると、圧力によって中のものが噴き出してしまうことがあります。特に豆を煮るときは、量を少なめにすることが大切です。豆はアクが強く、煮汁が粘って吹き上がってしまうため、量が多いとふたの内側にくっついて圧力調整装置や安全装置を詰まらせてしまうことがあります。

食材や水を入れる前にレシピを確認して、適切な水の量を確認するなど正しい使い方を守りましょう。

魚や肉を柔らかく仕上げてくれる圧力鍋は非常に便利ですが、使ってはいけない食材もあります。安全のためにも事前に確認しておきましょう。カレーやシチューを圧力鍋で作るときは、圧力をかける前にルウを入れてはいけません。ルウを入れると、とろみが出て圧力鍋の蒸気口をふさいでしまう可能性があります。野菜や肉などの具材を調理した後、ルウを入れて普通に加熱しましょう。

また、餅や麺類のように加熱すると膨張しやすい食材も、蒸気口などを詰まらせる恐れがあります。危険なので安全面を考えて避けましょう。

圧力鍋に不向きな食材や調味料
・カレールウやシチュールウ
・餅
・麺類

圧力鍋の調理では、蒸気口を詰まらせないよう使い方に気を付けましょう。蒸気口が食材や汚れで詰まってしまうと、圧力で蓋が飛んだり、中身が噴き出したりする危険があります。調理前には必ず蒸気口を確認し、汚れていればきれいに洗いましょう。

圧力鍋は蒸気を内部に閉じ込め、圧力を高めています。このため、空焚きは絶対にしてはいけません。空焚きをすると、パッキンなどが破損し、蒸気が漏れてしまうようになってしまうかもしれません。水は最低でも１カップは入れましょう。水分が少ないと蒸発して空焚き状態になってしまうことがあります。必ずレシピを確認して水分量など正しい使い方を守りましょう。

圧力鍋の使い方で最も重要なのは、蒸気口や本体に異常がないかをチェックし、調理前に蓋がしっかり閉まっているのを確認することです。蒸気口が詰まっていると、蒸気が抜けず、中の圧力が高くなり過ぎる恐れがあり、蓋が飛んだり、中身が噴き出したりするかもしれません。また、蓋が正常に閉まっていないと、蒸気が漏れて圧力が上がらなかったり、圧力で蓋が飛んだりする恐れがあります。

加圧中に蓋を開けてしまうと、圧力で内部の高温の蒸気や水分が一気に噴き出してしまいます。火を止めた後、圧力鍋のピンが上がっていたり、蒸気が漏れていたりしてる間は、圧力が下がりきっていません。ピンが下がり、蒸気も出ていないことを確認してから、蓋を開けましょう。圧力鍋は正しい使い方をしないと、やけどやけがをしてしまうことがあります。

圧力鍋の加圧が始まったら、鍋を動かすのはやめましょう。急に動かすと勢いよく蒸気が噴き出して、やけどをする恐れがあります。

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圧力鍋は使い方だけでなく、手入れも正しい方法で行うことが大切です。鍋本体やパッキンなどは、中性洗剤を使ってやさしく洗いましょう。また、蓋に水を軽く流して、ピンやノズルに汚れや詰まりがないかを確認します。洗った後は、水切りかごなどでしっかり乾燥させてから収納しましょう。

圧力鍋の手入れの仕方
1.パッキン、本体、ピン、ノズルを洗剤であらう
2.ピンとノズルが詰まっていないか水を流して確認する
3.パッキン、本体、ピン、ノズルを乾燥させる
4.蓋を裏返して鍋に重ねて保管する

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圧力鍋は誤った使い方をすると、鍋が壊れるだけでなく、けがややけどをする恐れもあります。このため、初心者の人は不安を感じてしまうかもしれません。自分に合った、安心して使える圧力鍋を選ぶことが大切です。初めて圧力鍋を買う人や選び方のポイントが分からない人は、次のような点に注意して、圧力鍋を選びましょう。

圧力鍋を選ぶ際のポイント
・コンロ式か電気圧力鍋を選ぶ
・加圧方式を選ぶ
・容量（サイズ）を選ぶ
・素材で選ぶ

コンロタイプの圧力鍋にはおもり式とスプリング式があります。おもり式はシューシューと蒸気と共におもりが揺れて、音が鳴るので、圧力がかかっていることをしっかり確認できます。一方、スプリング式は蓋にスプリングが組み込まれており、その力で圧力を制御するため音は鳴りません。

使い方は大きく変わりませんが、料理初心者など、圧力が生じて火加減を調整するタイミングを知りたい人には、おもり式の圧力鍋が適しています。

おもり式圧力鍋の特徴
・圧力がかかったと同時に音が鳴る

スプリング式圧力鍋の特徴
・蒸気口のバネが圧力をコントロールするので音が鳴らない

圧力鍋を購入する際は、一人暮らしか、家族がいるかに応じて最適なサイズを選ぶ必要があります。基本的には人数に1Lを足した容量が標準です。一人暮らしや二人暮らしの場合は、2.5Lサイズの圧力鍋が適しています。まとめて大量に調理をするなどの使い方を想定しているのなら、4.5L以上の圧力鍋を選ぶと良いでしょう。

圧力鍋には主にステンレス製とアルミ製があります。ステンレス製は熱が冷めにくく保温しやすく、余熱を生かした煮込み料理などに向いています。また、耐久性が高く傷がつきにくいため扱いやすく、手入れも簡単です。ただし、他の素材に比べて重いので、扱いにくいと感じる人もいるかもしれません。

一方、アルミ製の圧力鍋は熱が素早く伝わるので、時短を考えている人や簡単に料理を作りたい人に向いています。また、ステンレス製より軽量で扱いやすく、持ち運びもしやすいのが特徴です。しかし、耐久性はステンレス製に劣ります。

ステンレス製の特徴
・熱を逃さず、余熱を利用した煮込み料理ができる
・重さがある
・汚れを落としやすく、手入れが簡単にできる

アルミ製の特徴
・熱がすぐに伝わるため調理スピードは速い
・扱いやすい重さ
・素材がデリケートなため、傷つきやすく形が崩れやすい