小児科医・吉岡春菜の季節コラム Vol.09
家庭内でできる感染症対策
新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延のために日本でも小学校の休校や各地施設の使用を差し控えるようになり、家庭への影響がいつまで続くのか先行きがまだまだ見えません。暖かくなるまでは様々なウイルス感染症が子どもたちの間で流行します。家庭内に発熱や咳、下痢などの症状がある子どもがいる場合の家庭内での感染症対策を3つお伝えします。
@感染者は窓があり換気ができる部屋に寝かせる
日中はできるだけ定期的に換気をして、部屋のウイルス量を減らすことが大切です。新型コロナウイルス感染症では下痢がみられることがあり、寝具やリネン類にウイルスが付着している可能性があるのでマスクと手袋をして家庭用洗剤でこまめに洗濯をして使用しましょう。感染者の吐物や鼻汁を拭いたテッシュにはたくさんのウイルスが付着しているため、テッシュ専用のゴミ袋を作り、密閉をしてから捨ててください。
A小まめにうがいと手洗いをする
ウイルスは鼻や眼などの粘膜から侵入しますが、侵入する前に20〜30分ほど粘膜に付着している時間があります。小まめに手洗いとうがいをすることで付着しているウイルスの侵入を予防することができます。うがいができない職場などの場合は小まめな飲水をお勧めします。
Bドアノブ、スイッチ、取っ手など家庭内で頻繁に触れる場所を消毒する
ウイルスは物に付着してからしばらく生存しています。家族がよく触れるドアノブ、スイッチ、取っ手などは定期的にアルコール消毒をすることで感染を予防することができます。洗濯物や食器など感染者のものと別々に洗う必要はありませんが、洗浄前のものを共有すると感染リスクが高まりますので注意をしてください。
家庭内に調子の悪い子どもがいると看病をする大人も体調を崩しやすく、感染症対策を完全にすることは難しいと思います。できる範囲で取り入れてみてください。また家庭内で濃厚接触をしている場合、症状がなくても感染をしている可能性があるため、二週間ほどは自身の体調にも眼を向けて無理のない生活をしていただきたいと思います。
気になる事は主治医のアドバイスを受けたり、必要な場合は病院で治療を受けながら、 体調管理をするようにおすすめいたします。