果物の皮剥きをしたり、小さな野菜やチーズなどを少しだけ切り分けたりしたいとき、「大きな包丁は使いにくく、片付けも面倒だ」と感じたことはないでしょうか。そうしたときに役立つのが、小さく小回りの利くペティナイフです。普段調理に使う大きな包丁とは別に用意しておくと、非常に便利です。用途の違いに合わせて包丁とうまく使い分ければ、調理も効率的に進むでしょう。ペティナイフとはどのようなナイフで、どのような特徴があるのか、上手な活用法とともに紹介しましょう。

ペティナイフの「ペティ」とは、フランス語で「小さい」という意味です。パーリングナイフとも呼ばれ、刃渡りはおよそ100mmから120mmほどと短めに作られています。
その名の通り、普段のキッチンで使う包丁とは違い、コンパクトで鋭く細い刃先をしていて、刃渡りが短い分、取り回しやすいのが特徴です。
用途としては、主にフルーツや野菜など小さな食材を切るときに使われます。

ペティナイフは一般的な三徳包丁や牛刀とは使い方や扱い方にやや違いがあります。ペティナイフのメリットとしては、次のような点が挙げられるでしょう。

ペティナイフの魅力ポイント
・小回りが利き、細かい作業が楽になる
・軽くて初心者でも扱いやすい
・スペースを取らず、収納場所に困らない
・持ち運びしやすい

ペティナイフは普段使っている包丁とは違い、サイズが小さいため小回りが利き、野菜やフルーツの皮剥きといった細かな作業も楽にできます。果物ナイフとしても使いやすく、リンゴやオレンジのカットに加えて、にんじんの皮剥きやじゃがいもの芽を取る作業などの下ごしらえにも最適です。

そのうえ、ペティナイフは野菜やフルーツを飾りとして仕上げる細かな作業にも役立ちます。

ペティナイフは60gから80g前後で、110gから130gの普段使っている一般的な包丁に比べて非常に軽いため、普段あまり料理をしない人でも楽に扱えます。また、重さの違いによって、長時間の調理でも手首や手にかかる負担を抑えられるのが大きなメリットです。

ペティナイフは包丁よりもサイズが小さいので、収納スペースに困ることはほとんどありません。しかし、他の包丁やフライパン、鍋などと一緒に収納すると刃こぼれするリスクがあります。ナイフスタンドを使って1本ずつ丁寧に収納しましょう。マグネット式ナイフラックにくっつけて収納する方法もあり、キッチンの収納スペースが狭い場合もあまり場所を取りません。

ペティナイフはサイズがコンパクトで非常に扱いやすく、手に持ったときも握りやすい作りになっています。一般的な包丁に比べて刃渡りが短く軽いので、扱いやすく手軽に持ち運べます。さらに、刃の専用カバーが付いたタイプを選べば、アウトドアなどへも安全に持ち運べて便利です。
ただし、必要がないのにペティナイフを持ち歩いていると、他人に危害を加える恐れがあると疑われ、銃刀法違反に問われる可能性があります。むやみに持ち歩くのはやめましょう。

ペティナイフは小さく軽量で、皮剥きや細かい野菜のカットなどの用途に便利ですが、使い方によっては扱いにくさを感じることもあります。小回りがある分、慣れないうちは力加減や収納方法を誤るとけがをすることもあるため、注意が必要です。ペティナイフには次のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

ペティナイフの注意すべきポイント
・大きな食材のカットには向いていない
・硬い食材のカットができない
・大量の食材を切るには時間がかかる
・包丁の重みを利用した切り方ができない

ペティナイフは小回りを生かし、小さなフルーツや野菜をカットするのに向いています。その半面、ペティナイフでサイズの大きい食材を切るのは難しく、無理に使用すると刃に傷がつく恐れがあります。

また、普段使っている包丁と比べるとペティナイフは刃の幅が狭く、刃渡りも短いため、大きな食材をカットするのに使うと、時間が余計にかかってしまうのもデメリットです。

ペティナイフは、肉や冷凍食品などの硬い食材に使用すると刃こぼれする恐れがあります。特に素材にセラミックを使用しているナイフは、硬い食材をカットすると刃が傷つきやすいので注意しましょう。セラミックナイフは硬さを重視して作られている分、柔軟性がなく、少しの衝撃でも割れたりヒビが入ったりしてしまいます。

硬い食材をカットする場合は、セラミック素材のナイフは避けて、ステンレスなどの包丁を使いましょう。

ペティナイフの刃渡りは約120mmほどで、一般的な包丁の約170mmと比べると長さに相当な差があります。そのため、カボチャやキャベツなどの大きな食材をカットする際にペティナイフを使うと、1回ではスムーズに切り分けられません。大きな食材をカットする際は三徳包丁を使い、野菜やフルーツの皮剥きなどにペティナイフを使用しましょう。

ペティナイフは軽量な作りのため、手首や手への負担を抑えられる点が大きな特徴です。しかし、逆に言えば、一般的によく使われる三徳包丁のように、包丁の重さを利用した切り方ができません。

特にキャベツやカボチャのようなサイズのある食材では、包丁の重みを生かすのが、楽に切るコツです。これに対し、軽いペティナイフで大きな食材を切るときは、余計に力を入れて切らなけれなりません。危ないので、大きな食材を切るときにペティナイフを使うのは避けましょう。

ペティナイフは果物ナイフとしてもよく使われるように、小回りが利くため細かい作業に向いています。野菜の皮剥きやフルーツのカット、飾り切りなどの用途によく使われますが、料理の下ごしらえなど普段使いにも重宝するでしょう。ペティナイフは主に次のような用途に使われます。

ペティナイフの実用的な用途
・野菜や果物の皮剥き
・小さな食材のカット
・小さな肉や魚の下処理
・卓上での使用
・キャンプなどアウトドアでの使用

ペティナイフは刃渡りが短く、小回りが利くため、小さな果物や野菜のカットや皮剥きなどに適しています。また、皮剥きだけでなくじゃがいもの芽取りにも便利で、野菜のスライスにも向いています。

ペティナイフと果物ナイフはよく似ていますが、ペティナイフのほうが、やや刃が厚く、刃先も尖っているのが異なる点です。果物ナイフは用途が、果物の皮剥きやカットにほぼ限られます。ペティナイフは果物ナイフの代用品としても使えますが、切れ味が良いので、果物ナイフと同じような力加減で切ると、けがをするかもしれません。果物ナイフとは違うということを忘れずに扱いましょう。

ペティナイフは大きな食材や硬い食材を切るのには向きませんが、小さな野菜や果物、肉のカットといった使い道には適しています。普段使っている包丁では難しい、細かな作業も、小回りの利くペティナイフならスムーズにできます。

また、ペティナイフのサイズはコンパクトで刃先が尖っているため、細かい部分まで正確にカットできるのが特徴です。そのため飾り切りにも使用でき、特に果物のデザインカットでは美しく華やかに仕上げられます。

ペティナイフは野菜や果物のカットだけでなく、小魚や肉のカットにも使えます。アジなどの小魚を捌くには、小回りを生かせるペティナイフが特に便利で、身の筋に沿ったカットや内臓の処理も楽です。小さな肉もカットできるため、ハムのスライスや鶏肉の皮を取り除く作業にも最適です。

ペティナイフはキッチンでの使用だけでなく、食卓での果物の皮剥きやオードブルの切り分けなど、さまざまな場面で活用できます。刃渡りが短く小回りが利くため、狭いテーブルの上でも扱いやすく、手元の細かい作業に重宝するでしょう。

ペティナイフは一般的な包丁よりも非常にコンパクトで持ち運びも楽なため、キッチンで使うだけでなく、外出先でさまざまな用途に活用できます。そのため、キャンプなどのアウトドアではコンパクトなペティナイフは特に重宝されます。

ただし、キャンプでの使用やシェフが仕事場へ持っていくなどの正当な用途以外で持ち歩くと、人に危害を加えるのが目的ではないかと疑われる恐れがあります。無用な誤解を招かないよう、むやみに刃物を持ち歩くのはやめましょう。

牛刀はシェフナイフとも呼ばれ、三徳包丁と同様に幅広い食材に対応できる万能包丁です。この1本で野菜や魚、肉などをカットできるため、プレゼントにも最適です。ペティナイフとの大きな違いは刃渡りで、約210mmと長いので、果物の細かい飾り切りや小さな野菜のカットといった細かい作業には向いていません。

果物ナイフはフルーツナイフとも呼ばれ、その名の通りフルーツの細かい飾り切りやカット、皮剥きに使われます。ペティナイフと果物ナイフはどちらも果物をカットする用途で使われますが、ペティナイフのほうが切れ味が鋭いのが違いです。果物ナイフの刃渡りは約60mmから120mmで、ペティナイフよりやや短めに作られています。

果物ナイフはペティナイフとは違い、刃先は尖っておらず、丸みを帯びた形状です。

ユーティリティナイフは、さまざまな用途に使える万能ナイフで、ペティナイフと同じく刃先が鋭く尖った形状をしているのが特徴です。三徳包丁のような一般的な包丁に比べると、刃渡りは短めに作られており、コンパクトさを生かして果物のカットなど細かい作業や、狭い場所での調理にむいています。

ペティナイフとほぼ同じ特徴を持っていますが、刃渡りはユーティリティナイフの方がやや長めに作られており、ペティナイフを使うときより、やや大きめの食材もカットできます。

パーリングナイフは、幅の狭い刃で先端が尖っており、見た目は牛刀を小型化したようなデザインです。ペティナイフと比べると、パーリングナイフのほうがやや刃渡りが短くなっています。それ以外の特徴はペティナイフとほぼ同じで、小さなフルーツの皮剥きや小さな野菜のカットなどに適しています。

ペティナイフと三徳包丁は、どちらも家庭のキッチンでよく使われる包丁ですが、それぞれ得意な作業や向いている用途に明確な違いがあります。効率よく調理を進め、仕上がりを美しくするには、上手に使い分けることも大切です。両方の使い分けのポイントを紹介しましょう。

ペティナイフは小さな食材を扱うのに非常に便利な包丁です。刃渡りが短く、先端が細く尖っており、小回りが利くので細かな作業に向いています。狭い場所でも扱いやすく、親子で一緒に料理を楽しむ場合なども安心して使えるでしょう。また、軽量で持ち運びやすいため、屋外での料理にも適しています。

さらに料理初心者にとっては、ペティナイフはコンパクトなサイズで握りやすく、手に馴染みやすいので、扱いやすい点がメリットです。

ペティナイフを使うのに向いている人
・フルーツや野菜を細かくカットすることが多い人
・子供と一緒に料理をしたい人
・食卓の上で食材のカット作業をしたい人
・料理を始めたばかりで、包丁の扱いに慣れていない人
・キャンプやアウトドアで料理をする機会が多い人

三徳包丁は、肉や魚、野菜などほぼ全ての食材に使用できる万能包丁です。三徳包丁が1本あれば、料理をする際に困ることはほとんどありません。料理初心者や一人暮らしにも最適で、食材によって包丁を使い分ける必要がなく、扱いやすいのが特徴です。

また、人数の多い家庭など大きな食材をカットする機会が多い場合、刃渡りの短いペティナイフを使うと作業がスムーズに進みません。その点、三徳包丁を使えば、よりスムーズに調理を進められます。さらに、三徳包丁は贈り物としても適しており、料理好きな人だけでなく、日本の包丁を使ったことがない外国人にも喜ばれます。

三徳包丁を使うのに向いている人
・1本の包丁でさまざまな食材を調理したい人
・料理を始めたばかりの人
・一人暮らしを始める人
・家族の人数が多く、多くの食材を調理する人
・料理を趣味にしている人

ペティナイフは果物ナイフとしても使えるほど小回りが利き、細かい作業に向いているのが特徴です。野菜や果物の皮剥き、下ごしらえなど日常の調理でさまざまな活用ができます。しかし、使う以上は自分にあったナイフを使いたいものです。刃の長さや形状、素材など選び方のポイントを紹介しましょう。

・刃渡りの長さ・サイズ
・刃の素材
・ハンドル（柄）の素材と形状

果物ナイフとしても使えるペティナイフは、野菜や果物の皮剥きや細かいカットに最適で、家庭での日常的な調理に重宝します。ペティナイフに関するよくある質問とその答えを紹介します。

A. 一人暮らしの人でも自炊の頻度や調理する食材によって、ペティナイフだけで足りるか、それとも三徳包丁などの大きめの包丁を用意すべきかが変わります。特に、カボチャやキャベツなどの大きな食材を頻繁に調理する場合、ペティナイフだけでは扱いにくいことがあります。そのため、自炊の頻度やよく調理する食材を考えたうえで、用意する包丁を決めましょう。

ペティナイフは、果物ナイフとしても使え、小回りが利くので野菜や果物の細かい作業に最適です。使いやすく、手ごろなペティナイフを4点紹介しましょう。