料理好きな人たちの間では、せいろを使った調理法も人気です。SNSなどで、せいろを使った料理やレシピを見たことがある人も多いでしょう。なかでも中華せいろは人気で、竹せいろや杉せいろ、角せいろ、ミニせいろなど、小さいサイズも含めて種類もさまざまです。せいろは基本の使い方を押さえておけば、蒸し料理が簡単に楽しめます。ぜひ、せいろの正しい使い方を覚えて、蒸し料理に挑戦してみましょう。

せいろは天然素材のため、乾いたまま高温の蒸気にさらされると、急激な温度変化でひび割れを起こしやすくなります。使用前にせいろ全体を軽く水で湿らせ、あらかじめ水分を含ませておくことが大切です。せいろに適度な水分を持たせてから蒸すことで割れを防ぎ、せいろを長持ちさせられます。

せいろで食材を蒸すときはせいろの底に蒸し布やふきん、クッキングシートを敷くと、食材が張り付かず片付けも簡単です。布やシートが余分な水分を吸収するため、水分の多い野菜もおいしく蒸せます。

また、二段や三段にせいろを重ねる場合は、下段に火の通りにくい根菜や肉類を、上段や中段には火の通りやすい食材を置くのが、使い方のコツです。ただし、家庭で使うせいろは三段までを目安にしましょう。それ以上重ねると蒸気が上段まで届きにくくなり、加熱ムラの原因となります。また、せいろも不安定になりがちで、加熱中に倒れてしまうかもしれません。

せいろで調理するときは、蓋をして中火よりやや強めの火にかけ、蓋の間から蒸気が途切れず立ち上る状態を保ちましょう。火が弱いと蒸気が不足して加熱ムラが起きやすく、強すぎると蒸気が横から漏れてしまいます。

蒸し時間は食材によって異なりますが、野菜ならおよそ10分が目安です。長時間蒸す場合は湯の量を確認し、減っていれば熱湯を足しましょう。蒸気は非常に熱いため、やけどには十分注意が必要です。

蒸し時間の目安に達したら、食材が蒸し上がっているかを確認します。野菜や点心は竹串や箸を刺して、すっと通れば蒸し上がりです。蒸し上がったせいろは高温になるため、鍋つかみを使いましょう。蒸したてをそのまま食卓に並べられるのはせいろならではの使い方であり、熱々の料理を楽しめます。

せいろは木や竹などでできているため油を吸いやすく、直接食材を置くと汚れが残りやすくなります。クッキングシートを敷けば、せいろを保護して清潔に保てるうえ、食材が底に張り付かず取り出しもスムーズです。

クッキングシートの使い方は、食材によって変わります。焼売や野菜など蒸気を循環させたい食材には、シートに穴をあけると蒸気が回りやすくなります。一方、タレや肉汁が出る肉料理には、穴をあけずに敷けば、せいろを汚さずに済むでしょう。

クッキングシートの使い方
1.せいろの内径より少し小さめの円形に切る
2.カットしたシートをせいろにセットする
3.シートの端を2〜3cmほど軽く立ち上げる
4.蒸気の通りを良くしたい食材はシート全体に穴をあける

せいろの使い方を覚えれば、家庭でも簡単に蒸し料理が作れます。野菜の栄養や肉の旨みを逃さず、素材の持ち味をそのまま楽しめるでしょう。人気の蒸し料理の作り方を紹介します。

材料（2人分）
・豚バラ薄切り肉：150g
・さつまいも：50g
・れんこん：50g
・にんじん：1/4本
・ブロッコリー：1/4株
・キャベツ：100g

たれ
・ねりごま：大さじ2
・ポン酢：大さじ2
・砂糖：小さじ1/2〜1

素材本来の味を楽しめる、豚肉と野菜のヘルシー蒸しのレシピです。

作り方
1.野菜は食べやすい大きさに切り、さつまいもとれんこんは薄切りにして水にさらしておく
2.たれの材料を混ぜ合わせておく
3.せいろにクッキングシートを敷き、豚肉を並べる
4.さつまいも、れんこん、にんじん、キャベツなどの野菜を順に重ねる
5.湯を沸かした鍋にせいろを置き、蓋をして強めの中火で7〜10分程度蒸す
6.野菜や肉に火が通っているかを確認し、蒸し上がったら火を止める
7.仕上げにたれを添える

せいろの使い方は簡単で、素材を並べて蒸すだけです。下ごしらえも少なく、手軽にできます。たれは、ごまポン酢や味噌だれなど好みでアレンジしても良いでしょう。

材料（3〜4人分）
・豚ミンチ：300g
・長ねぎ：1本
・片栗粉：大さじ3
・砂糖：大さじ１
・しょうゆ：大さじ1
・鶏ガラスープの素：小さじ1
・ごま油：小さじ1
・生姜チューブ：小さじ1
・シュウマイの皮：24枚
・塩こしょう：少々

せいろで簡単にできる手作りシュウマイのレシピです。

作り方
1.長ねぎをみじん切りにする
2.ボウルに豚ミンチを入れ、軽く塩、コショウをふって下味をつける
3.片栗粉、砂糖、しょうゆ、鶏ガラスープの素、ごま油、生姜チューブ、長ねぎを加え、粘りが出るまでよく混ぜる
4.シュウマイの皮でタネを包み、形を整える
5.せいろにクッキングシートを敷き、シュウマイを並べる
6.沸騰した湯にせいろを載せたら中火〜強火で10分程度蒸す
7.蒸し上がったら竹串や箸で中まで火が通っているか確認し、器に盛り付ける

せいろに敷くのはクッキングシートのほか、キャベツやレタスなどでも構いません。蒸す前にタネを均等なサイズに分けておくと包みやすく、ムラなく蒸し上がります。

材料
・卵：2個
・きび砂糖：80g
・はちみつ：大さじ1
・牛乳：大さじ3
・サラダ油：大さじ3
・しょうゆ：小さじ1/4
・薄力粉：100g
・ベーキングパウダー：小さじ1/2
・重曹：小さじ1/4

中国発祥の蒸しパン、マーラーカオの作り方です。

作り方
1.薄力粉、ベーキングパウダー、重曹を合わせてふるっておく
2.せいろは水に濡らし、底にクッキングシートを敷き、側面は指で軽く立てて壁を作る
3.鍋に湯を沸かしておく
4.ボウルに卵、きび砂糖、はちみつを入れ、泡立て器でよく混ぜる
5.牛乳、サラダ油、しょうゆを順に加え、均一になるまでよく混ぜる
6.ふるった粉類を加え、粉気がなくなるまでさっくり混ぜる
7.生地をせいろに流し込み、蓋をする
8.強火で約25分蒸す
9.竹串を刺して火が通っているか確認する

生地は混ぜ過ぎず、さっくり混ぜたら時間を置かずすぐにせいろに流し入れましょう。蒸すときは鍋の蒸気をしっかり立ててからせいろを載せるのが、おいしく仕上げるコツです。

せいろの使い方をマスターすると、料理の幅が広がります。蒸すことで食材本来の味を引き出せるため、ヘルシーな料理作りにも役立ちます。せいろの良さを十分に引き出すには、正しい使い方だけでなく、せいろ選びも重要です。せいろの材質やサイズの違いを理解して、食材や料理にあったせいろを選びましょう。

せいろは使い方が簡単で、和食に限らず中華や洋食にも使えて、毎日の調理に活用できます。初心者でも使いやすいせいろを3点紹介しましょう。

せいろを使い始めたばかりの人や、蒸し料理に慣れていない人にとっては、使い方や手入れの方法で迷うことも少なくありません。せいろの使い方についてよくある疑問とその答えを、Q&A方式で紹介します。