調理中にフライパンが焦げたり、食材がくっついたりすることは珍しくありません。焦げ付きを放置していると、フライパンの劣化がすすんでしまうので、早めに落とすことが大切です。しかし、焦げの落とし方をよく知らず、ついつい放置してしまうという人もいるのではないでしょうか。フライパンを長持ちさせるためにも、フライパンの焦げ付きの落とし方を覚えておきましょう。

焦げ付きを上手に落とすには、焦げ付きやこびりつきの原因を知っておくことも大切です。フライパンの焦げ付きやこびりつきは、次のような原因で起こります。

フライパンが焦げ付く・こびりつく原因
・調理時の温度が高すぎる
・油の量が不十分、油ならしができていない
・前回の調理時の洗い残しがある
・予熱不足
・フライパンのコーティングの劣化や傷

フライパンを高温で長時間加熱すると、油や食材の表面が急激に反応し、焼け付きやすくなります。これが焦げ付きの大きな原因です。温度が上がりすぎると油は煙を出し始め、食材の表面も一気に焦げてしまいます。さらに、水分が急速に失われて表面が乾燥すると、食材がフライパンに張り付きやすくなり、焦げ付きが進みます。

焦げ付きを防ぐには、火力を上げすぎず、適切な温度を保ちながら調理することが重要です。一般的な炒め物や揚げ物では160℃〜180℃が目安です。この温度帯を保つことで、食材がフライパンにくっつきにくくなり、焦げ付きも抑えられます。フライパンの種類や料理に応じて火加減を調整し、均一に加熱できるよう注意しましょう。

（参考画像）

油にはフライパンと食材の間に薄い膜を作り、焦げ付きを防ぐ重要な役割があります。油の量が少なかったり、フライパン全体に行き渡っていなかったりすると、食材が直接フライパンに触れてくっつきやすくなり、焦げ付く原因になります。

特にコーティングのない鉄やアルミ製、ステンレス製のフライパンは焦げ付きやすいため、調理前に油を全体にしっかりなじませることが大切です。鉄製フライパンの場合、使用前に油をなじませる油ならしを行い、表面に薄い油膜を作ることで食材がくっつきにくくなります。

フライパンの外側や底面には、調理中に跳ねた油や食材の水分、ソースなどが付着しやすくなっています。内側は丁寧に洗うことが多い一方で、外側や底面は簡単に済ませてしまい、前回の調理で落としきれなかった汚れが残っていることもあります。

このような洗い残しは、次に調理をした際、加熱によって焦げ付く原因となるため注意が必要です。使用後は外側も底面も忘れずに洗い、汚れが残っていないか手で触れて確認しましょう。固まった汚れは、柔らかいスポンジやぬるま湯で軽く浸してから洗うと、きれいに落とせます。

十分に温まっていないフライパンに食材を入れると、油が均一に広がらず食材がくっつきやすくなります。特に鉄やステンレスのフライパンは、予熱が不十分だと温度ムラが生じ、焦げ付きやすくなるので注意が必要です。

調理前に中火でフライパンをしっかり温め、油を全体になじませることで、焦げ付きやこびりつきも防げます。火力を必要以上に上げずに調理できるため、食材も均一に加熱しやすくなります。

フッ素樹脂やセラミックでコーティング加工したフライパンは、食材がくっつきにくいのが特徴です。しかし、強火で調理したり、空焚きしたりするとコーティングが劣化し、金属製のヘラや硬いスポンジで傷つくこともあります。

コーティングの劣化が進むと剥がれてしまうこともあります。コーティングが剥がれてしまうと、食材が直接フライパンに触れ、焦げ付きがひどくなるので、扱いには注意しましょう。焦げ付きを防ぎ、フライパンを長持ちさせるには、火力を強くし過ぎず、やわらかい調理器具やスポンジでやさしく扱うことが大切です。

料理中にフライパンが焦げ付くと、食材に火が均一に通らず、見栄えや風味も損なわれます。また、焦げ付きを無理にこすってしまうとコーティングを傷つけ、フライパンの寿命を縮める原因にもなりかねません。正しい焦げの落とし方を知っておけば、フライパンを長く大切に使い続けられるでしょう。フライパンの焦げ付きの落とし方には、次のような方法があります。

フライパンの焦げ付きの落とし方
・お湯でふやかす
・天日干しする
・重曹を使って煮立たせる
・重曹ペーストでこすり洗いする
・酢やクエン酸で煮立たせる
・空焚きする

フライパンの焦げ付きの落とし方として、お湯を使う方法があります。軽い焦げや調理直後の汚れであれば、お湯で力をかけずに落とせるためフライパンを傷めません。コーティング加工のフライパンは強火に弱いため、中火で加熱しましょう。洗剤だけでは落ちにくい油汚れも、一緒に浮かせてきれいにできます。

お湯を使った焦げの落とし方
1.フライパンに焦げが浸る程度の水を入れる
2.火にかけて沸騰させ、10分ほど煮立たせる
3.火を止めて半日程度置く
4.柔らかいスポンジやへらで焦げをこすり落とす
5.中性洗剤と水で洗う

天日干しは、日光の熱を利用して乾燥させ、焦げを浮かせる落とし方です。無理にこすらなくても焦げが自然に割れて取りやすくなり、フライパンを傷つけずに済みます。ただし、天日干し中はフライパンを使用できないため、他に代用できる調理器具を用意する必要があります。

天日干しでの焦げの落とし方
1.フライパンを洗って汚れを落とし、水気を拭き取る
2.焦げ付いた面を上にして日光の当たる場所に置く
3.1週間ほど放置し、焦げが乾燥して剥がれやすくなるのを待つ
4.焦げが浮き、割れてきたら、柔らかいヘラなどで剥がす
5.中性洗剤とスポンジで洗い流す

重曹はアルカリ性の性質を持ち、肉や魚の脂などの酸性の汚れや、焦げ付きを中和して落としやすくする力があります。さらに、水と一緒に加熱すると、焦げや油汚れが柔らかくなり、こすらずに落としやすくなります。洗剤だけでは落ちにくい頑固な焦げには、重曹を使った落とし方を試してみましょう。

重曹を使った焦げの落とし方
1.フライパンを軽く洗って汚れを落とす
2.フライパンに焦げが隠れる程度の水と重曹（大さじ1）を入れる
3.中火で沸騰させ、10分ほど煮立たせる
4.半日から一晩置き、焦げを浮かせる
5.お湯を捨て、ナイロン製のスポンジやヘラで焦げをこすり落とす
6.洗剤と水でフライパンを洗い、残った重曹や汚れをしっかり洗い流す

フライパンの外側にこびりついた焦げは、重曹ペーストを使って落とす方法があります。重曹のアルカリ性の力で、酸性の焦げが中和され取り除きやすくなります。ただし、銅やアルミ素材のフライパンでは、化学反応で変色や劣化が起こることがあるため、重曹の使用は避けましょう。

重曹ペーストを使った焦げの落とし方
1.重曹と水を3：1の割合で混ぜ、ペースト状にする
2.焦げた部分にペーストを塗る
3.ペーストが乾かないようラップで覆い、30分〜1時間ほど置く
4.柔らかいスポンジやゴムベラでこすり落とす
5.中性洗剤と水で汚れを洗い流す

フライパンの頑固な焦げ付きには、野菜などアルカリ性の汚れもあります。アルカリ性の汚れには、酸性の酢やクエン酸などで煮立たせて落とす方法が効果的です。酸性の成分が、アルカリ性の汚れを中和して落としやすくします。ただし、酢の量が多すぎるとフライパンの素材に影響することがあるため、あまり入れすぎないようにしましょう。また、金属製スポンジでこするとコーティングが傷つく恐れがあるので、注意が必要です。

お酢やクエン酸を使った焦げの落とし方
1.フライパンに水を入れ、お酢を大さじ1〜2杯（クエン酸の場合は大さじ1杯）加える
2.中火にかけ、数分間煮立たせる
3.沸騰したら火を止めて冷ます
4.お湯を捨て、柔らかいスポンジやヘラで焦げをこすり落とす
5.水でよく洗い流す

鉄製フライパンの焦げ付きは、空焚きによる落とし方で取り除けます。フライパンを強火で加熱して焦げを焼き切ると、こびりついた汚れが炭化して剥がれやすくなります。ただし、非常に高温になるため、火事や火傷に十分注意しましょう。作業中は、フライパンから目を離してはいけません。
鉄製以外のコーティング加工などが施されたフライパンは空焚きすると、コーティングが劣化するので、やってはいけません。

空焚きでの焦げの落とし方
1.鉄製フライパンを強火にかけ、煙が出るまで加熱する
2.焦げが炭のようになり、浮き上がってきたら火を止めて冷ます
3.フライパンが冷えたら、金属製のヘラや金たわしで焦げをこすり落とす
4.水で洗い流しながら、金たわしでこすりながら洗う
5.油ならしをして、フライパンの表面を保護する

鉄フライパンは基本的に洗剤を使わず、お湯とたわしで洗うだけで手入れができます。軽い焦げであれば、熱いうちに少量の水を注いで煮立たせると簡単に取り除けます。

頑固な焦げは、空焚きでフライパンをしっかり加熱し、焦げが白っぽくなったら火を止めて自然に冷まします。フライパンが冷めたら、金たわしやヘラで落とす方法が効果的です。掃除の仕上げには、薄く油を塗って油ならしを行いましょう。これによって焦げ付きにくくなるだけでなく、鉄フライパン特有のさびの発生も防げます。

フッ素樹脂加工のフライパンは、コーティングを傷つけないよう優しく扱うことが大切です。焦げ付きがある場合は、まずお湯で焦げをふやして柔らかくし、柔らかいスポンジでやさしくこすって取り除きます。軽い焦げなら洗剤を使わなくても落とせますが、それでも落ちない頑固な焦げには、少量の重曹やクエン酸を加えて煮立たせる落とし方が効果的です。肉や魚の脂など酸性の汚れには重曹を、野菜などのアルカリ性のよごれにはクエン酸を使います。

焦げ付きを落とす場合は、金属たわしや硬いヘラを使わないよう注意しましょう。コーティングが傷つくと焦げ付きやすくなり、フライパンの寿命も短くなります。

ステンレスフライパンは酸やアルカリに強く、丈夫で長持ちするため、日常のお手入れも簡単です。軽い汚れや焦げは、洗剤を使って柔らかいスポンジで優しく洗えば落とせます。

頑固な焦げには、少量の重曹やクエン酸を加えて煮立たせる落とし方が効果的です。汚れの種類に合わせて、重曹かクエン酸かを選びます。ただし、金属製のヘラやたわしは表面を傷める原因になるため使用せず、空焚きも変色や変形の恐れがあるのでやめましょう。

セラミックフライパンの焦げ付きは、コーティングを傷つけないよう慎重に取り除きましょう。軽い焦げはお湯でふやかして、柔らかいスポンジで優しくこすり落とします。頑固な焦げには、重曹やクエン酸を少量加えて煮立たせる落とし方がありますが、濃度や量が多すぎるとコーティングが傷む原因になるため、注意しましょう。

セラミックコーティングはデリケートな素材なので、研磨剤入りの洗剤や金たわしは避けます。また、熱いフライパンに冷水をかけるとひび割れの原因になるため、必ず冷めてから手入れを始めましょう。

アルミニウム製フライパンは軽く熱伝導に優れていますが、非常に柔らかくデリケートな素材です。焦げの落とし方として、安全で効果的な方法の一つが天日干しです。また、少量のクエン酸や酢も使えますが、量が多すぎたり長時間放置したりすると表面を傷めるため注意が必要です。

アルミフライパンは、無垢とアルマイト加工で手入れ方法が異なります。無垢のアルミフライパンは研磨剤不使用のクレンザーを使い、ナイロンたわしでやさしく磨き、強い洗剤は避けます。アルマイト加工のフライパンはお湯で焦げをやわらかくしてから、柔らかいスポンジでこするのが安全な汚れの落とし方です。硬いたわしや研磨剤入りクレンザーは使わないようにしましょう。

チタン製フライパンは、軽くて丈夫で錆びにくく、酸やアルカリにも強いのが特長です。一方で熱伝導率がやや低いため、焦げ付きやすい面があります。焦げを落とす場合は、重曹やクエン酸を使って煮立たせる落とし方が効果的です。焦げが柔らかくなったところを、柔らかいスポンジで優しくこすり落とします。

ただし、空焚きや急な温度変化は、変形や変色の原因になるため避けましょう。また、クレンザーなど研磨剤が入った洗剤や、金属製たわしで強くこすりすぎると、表面を傷める可能性があります。

頑固なフライパンの焦げ付きは、つい力任せにこすりたくなりますが、素材や洗剤の選び方を誤ると表面を傷めたり、寿命を縮める原因になります。焦げを安全に落とすために、次のようなポイントに注意しましょう。

フライパンの焦げを落とすときの注意点
・フライパンの素材を確認して洗剤を選ぶ
・金属たわしやメラミンスポンジで無理にこすらない
・熱いフライパンに冷水をかけない
・ひどい焦げ付きやこびりつきにつけ置きする

アルミ製のフライパンは、酸性やアルカリ性の強い洗剤を使うと変色や腐食が起こりやすいため、使用には注意が必要です。鉄製はさびやすいため、洗剤を使わず水で洗い、使用後はしっかり乾かします。フッ素やテフロン加工のフライパンは表面が傷つきやすいため、研磨剤入りのクレンザーや硬いたわしは避け、少量の洗剤と柔らかいスポンジで優しく洗いましょう。

ステンレスは比較的扱いやすく、少し温かいうちに柔らかいスポンジと中性洗剤を使うと焦げも落としやすくなります。

また、焦げをさらに効率よく落とすには、焦げの性質に応じて洗剤を使い分けることが大切です。肉や魚の脂などからできる酸性の焦げには、アルカリ性の重曹を使いましょう。一方で、野菜などのアルカリ性でできた焦げには、酸性のクエン酸や酢を使うと、しっかり落とせます。

フッ素樹脂やセラミックなどでコーティング加工されたフライパンの焦げを強くこすると、表面が傷ついたり、コーティングが剥がれたりする原因になります。わずかな力でも傷がつきやすいので注意しましょう。焦げを落とす際は、素材を傷めない柔らかいスポンジや木製のへらを使い、無理にこすらないことが大切です。

熱いフライパンに冷水をかけると、急激な温度変化で変形やひび割れが生じる恐れがあります。特にフッ素樹脂やセラミックで表面加工されたフライパンではコーティングが剥がれやすく、焦げ付きや耐久性の低下につながります。

アルミやステンレス製でも反りや歪みが起こることがあるので、注意が必要です。焦げを落とす際は、必ずフライパンを十分に冷ましてから手入れしましょう。

フライパンの焦げ付きやこびりつきは、強火での加熱や油不足、調理後の放置などが原因です。多くのフライパンは、お湯に浸けるだけでも焦げが柔らかくなり、無理なく落とせます。素材に合わせて重曹やクエン酸を加えてつけ置きすると、焦げを浮き上がらせてより簡単に落とせるでしょう。

フッ素樹脂やセラミック加工のフライパンでも、重曹やクエン酸、酢を使った落とし方が可能ですが、量が多かったりつけ置き時間が長かったりするとコーティングを傷めるおそれがあるため注意が必要です。つけ置き後は柔らかいスポンジでやさしくこすり、焦げをきれいに取り除きましょう。

フライパンを使って調理をしていると、どうしても焦げ付いたり、こびりついたりすることがあります。焦げ付きやこびりつきを防ぐためには、フライパンの扱い方や調理方法を工夫することが大切です。調理の際は次のような点に注意しましょう。

フライパンの焦げ付き・こびりつきを防ぐ方法
・しっかり予熱して油をなじませる
・火加減を適切に保つ
・熱いフライパンに冷水をかけない
・温かいうちに汚れを落とす

フライパン全体が均一に温まっていないと、食材を入れた際に温度が急激に下がり、こびりつきやすくなります。そのため、調理前には中火で30〜40秒程度予熱し、油を全体になじませることが重要です。

フッ素樹脂加工などのコーティングフライパンも同様で、予熱せずに食材を入れると熱が均一に伝わらず、部分的に焦げ付く原因となります。必ず予熱してから調理を始めましょう。

火力が強すぎると食材の表面が急激に焼け、焦げ付きやすくなります。逆に火力が弱すぎると、食材がフライパンに長時間触れこびりつく原因となります。特にアルミ製フライパンのほか、フッ素樹脂やセラミックなどでコーティング加工されたフライパンは高温に弱く、強火で加熱しすぎると変形やコーティングの劣化を招くことがあります。

基本は中火にし、食材の状態に合わせて火力を調整することが大切です。適切な火加減で加熱することで、焦げ付きを防ぎ、料理もおいしく仕上がります。

炒め物や煮込み料理では、火加減や加熱の偏りが焦げ付きの原因になります。特に、食材の一部だけが長時間加熱されると、張り付いて焦げやすくなります。

そのため、調理中はこまめにかき混ぜ、全体に均一に熱が通るようにすることが大切です。ただし、焼き目をつけたい場合などは食材を動かしすぎない方がよいため、調理法に応じて混ぜ方を工夫しましょう。

フライパンに残った油や食材のかけらがこびりつくと、次の調理時に熱ムラが生じ、焦げ付きの原因となります。そのため、調理後まだ温かいうちに、キッチンペーパーで油汚れや食材の残りを拭き取ると、固まる前に取り除けます。落としにくい汚れは、お湯に中性洗剤を加えてしばらくつけてから洗うと良いでしょう。

ただし、鉄製のフライパンはサビやすいため、洗剤は使わずにお湯とたわしで洗い、すぐに火にかけて水分を飛ばします。

フライパンにはさまざまな種類があり、それぞれ扱い方や注意点が異なります。フライパンが焦げ付いてしまっても、素材や焦げの状態に合わせた手入れを行うことで、長く使い続けられます。フライパンの焦げ付きや落とし方に関するよくある疑問と、その答えをQ&A方式で紹介しましょう。

A.1 マーブルコートフライパンは、フッ素樹脂加工の一種で焦げ付きにくいのが特長ですが、強火での加熱や調理後の放置が原因で焦げ付くことがあります。焦げを落とす際は、まずフライパンを自然に冷ましましょう。その後、ぬるま湯に食器用洗剤を数滴入れてしばらくつけ置きし、焦げが柔らかくなったら、柔らかいスポンジで優しくこすり落とします。

フライパンを長持ちさせるには、空焚きや強火に注意し、中火から弱火で調理することが大切です。また、コーティングを傷つけないよう、金属製のヘラやフライ返しは使わず、木製やシリコン製など柔らかい道具で丁寧に扱いましょう。

A.2 ホーローフライパンの焦げ付きも、強火や空焚きが主な原因です。ホーローフライパンの表面にはガラス質の釉薬（ゆうやく）を焼き付けており、錆びにくく丈夫ですが、急な温度変化や衝撃には弱く、一度傷がつくと焦げ付きやすくなります。

軽い焦げ付きの場合、フライパンにお湯を入れて汚れを柔らかくする落とし方があります。食器用洗剤を使って、柔らかいスポンジでやさしく洗いましょう。焦げがひどい場合は、重曹を用いると効果的です。金属たわしや研磨剤入りクレンザーは使用せず、表面を傷めないよう注意しましょう。

A.3 ガラス製フライパンは、急激な温度変化に弱く、熱い状態で冷たい水をかけると割れる危険があります。焦げ付きの主な原因は、強火での加熱が挙げられます。焦げ付いた場合は、無理にこすらずぬるま湯にしばらくつけて焦げを柔らかくしてから、洗い流しましょう。

頑固な焦げには、少量の重曹を溶かしてつけ置きすると効果的です。金属たわしや研磨剤入りスポンジは表面を傷めるため、使用は避けましょう。

A.4 焦げ付きやすくなったフライパンは、塩を使って復活させることが可能です。鉄やステンレス製なら、中火で温めたフライパンに粗塩を振り、塩が茶色になったら木べらや濡れたキッチンペーパーで円を描くようにこすって焦げや油汚れを落とします。その後、ぬるま湯で洗い流して乾かせば、表面を傷めずにきれいになります。

テフロン加工のフライパンでも同じ方法は使えますが、強くこするとコーティングが傷み、元には戻りません。テフロン加工のようにフッ素樹脂がコーティングされたフライパンの寿命は１年から２年程度なので、使っているうちに焦げ付きやすくなったら、買い替え時と考えたほうが良いでしょう。素材に合った正しい手入れを心がけることが、フライパンを長く使うコツです。

フライパンは素材や加工によって使い勝手や手入れ方法が異なり、中には手入れのしやすさを第一に考えて作られたフライパンもあります。使いやすく手入れもしやすいものを中心に、おすすめのフライパンを10点紹介します。