大量の本の収納や片付けをする前に、不要な本の選定を行うことが大切です。部屋のスペースも限られています。収納できる数まで本を減らしましょう。本が多すぎて、どれを処分したらよいのか分からないという人は、次のようなポイントで処分する本を選ぶと良いでしょう。

【捨てるべき本の選び方】
・2年以上読んでいない
・内容を思い出せない
・心がときめかない
・状態が悪い

本が多い部屋を整理するときは、まず、2年以上、手にしていない本から処分していきましょう。購入時は読みたい気持ちが強かったとしても、時間の経過とともに興味が薄れている可能性が高いためです。特に、話題になって購入したものの、読まずに積んだままの「積ん読（つんどく）」状態になっている本や一時的な興味だけで買ってしまった本は、思い切って処分してしまいましょう。

また、内容が古くなって価値が下がった本も必要ありません。新しい情報を盛り込んだ改訂版が出ているのなら買い替えてください。定期的に本棚を整理することで、本当に大切な本だけを残すことができ、新しい本との出合いのためのスペースも確保できます。

読み終えた本だらけの部屋では、表紙を見ても内容が思い出せない本もけっこう多いものです。そのような本は、読んだときに印象に残らなかった可能性が高く、再度手に取る機会も限られます。一度読んで内容が記憶に残っていない本は、新しい本との出合いのために手放しましょう。整理して片付けることで、お気に入りの本をゆったりと収納できるスペースが生まれます。

たくさんの本の中には、見た目や内容に魅力を感じなくなったものもあります。書籍は知識や楽しみを与えてくれる大切なものですが、時間の経過とともに興味や価値観は変化します。一冊ずつ手に取り、現在の自分にとって必要かどうかを見極めることが重要です。表紙のデザインや内容に心が動かないのであれば不要な本として処分してしまいましょう。

読まない本の中でも、特に状態が悪い本は優先的に整理や処分をすることが大切です。水濡れやカビ、虫食いなどのダメージを受けた本は、他の本にも悪影響を及ぼす可能性があります。特に、カビが発生している本は周囲の本に胞子が広がり、被害が拡大するかもしれません。また、黄ばみやページの劣化が進んだ本も、保管し続けることで状態が更に悪化する可能性が高くなります。

背表紙が壊れている本やページが外れかけている本も、修復が難しい場合は処分を考えましょう。貴重な古書でない限り、早めに処分して収納スペースを確保することが大切です。状態の悪い本を整理することで、残りの本をより良い環境で保管できるようになります。

大量の本を効率的に収納するには、本棚を上手に活用することが大切です。本棚を活用した整理術のアイデアや片付けのコツを知っておけば、本の多い部屋でも、本を探しやすくしながら収納できます。
次のような5つのアイデアを活用してはいかがでしょうか。

【本棚を活用した収納アイデア】
・色と高さを合わせる
・本は手前側に揃える
・後列は高さを出して本を並べる
・可動式の棚を使ってスペースを調整
・扉付きの本棚でほこりを防ぐ

大量の本でも、一目でどこに何があるのか分かるように整然と並べると、本を見つけやすくなります。背表紙の色と高さを意識して並べるのも、収納のアイデアの一つです。文庫本やコミックなどを高さやサイズごとにまとめて並べれば、棚全体がスッキリします。本の色調も揃えることで目的の本も見つけやすくなるでしょう。

奥行きのある本棚では、収納時に棚の手前に揃えて本を並べると、背表紙が一直線に並んで統一感が生まれます。また、室内の光が当たりやすくなり、タイトルが読みやすくなるメリットもあります。さらに、本を手前に揃えることで、奥のスペースを活用した2列の収納も可能です。本を取り出す際も出しやすく、戻す際の位置も分かりやすくなる利点もあります。

本棚の奥行きを活用する際は、後列の本の高さを出す工夫をして並べると、本のタイトルが見やすくなって取り出す際にも便利です。前後で2列の本の収納が可能になり、収納スペースを通常の2倍近く確保できるメリットもあります。スペースを最大限に活用しながら、本棚全体の使い勝手が良くなり、見た目も美しい収納になります。

サイズの異なる本を効率よく収納するには、高さを自由に変えられる可動式の棚板を活用し、本のサイズに合わせて最適な間隔を作りましょう。縦置きと横置きを組み合わせるなど、スペースを最大限に活用できるアイデアです。また、新しい本が増えた際も、棚板の位置を変えれば柔軟に対応できます。

本を長期保管する場合は、扉付きの本棚を選ぶと本が直接ほこりをかぶらず、日焼けも防げて便利です。また、扉がガラスの場合にはガラス越しに本の背表紙が見えるため中身を確認しやすく、インテリアとしても映えます。扉付きの本棚は湿気やカビの発生も抑えられます。特に貴重な本や古書、限定版の本などは、扉付きの本棚での保管が最適です。

自立しない本は、本棚に収納しようとすると倒れてしまい、片付けに困ることがあります。そんなときは、便利なアイテムを活用すれば簡単に整理できます。次のようなアイデアを使えば、自立しない大量の本の収納や片付けができるでしょう。

【自立しない本の収納アイデア】
・下敷きや厚紙を挟んで本棚に入れる
・ブックシェルフを活用する
・書類ボックスを活用する

自立しない本の収納術の中でも、下敷きを活用する方法は手軽に始められるアイデアの1つです。薄い雑誌やパンフレットは自立が難しく、本棚の中で倒れてしまいますが、プラスチック製の下敷きを挟むことで簡単に自立させることができます。厚紙を使用することも可能ですが、湿気で変形する可能性があるので長期保管には向いていません。

参考書や雑誌類など自立の難しい本を収納する際、ブックシェルフという便利なアイテムを活用するアイデアが役立ちます。最近では100円ショップでもさまざまなデザインのブックシェルフが販売されており、本棚の雰囲気に合わせて選べます。高さの異なるブックシェルフを組み合わせれば、スペースを効率的に使って大量の本を片付けられるでしょう。

本棚の奥行きやサイズに合わせてブックシェルフを配置すれば、見た目もスッキリとします。自立しにくい本も、幅が狭いタイプのブックシェルフなら立てて並べられます。よりきちんと立てたい場合はブックエンドを使うと良いでしょう。背表紙が見やすくなって本を探しやすくなり便利です。

大量の雑誌や薄い本を整理する際は、書類ボックスを使って、背表紙が見えるように配置しましょう。本棚のスペースや高さに合わせて、サイズの異なるボックスを組み合わせれば、効率的に収納できます。最近ではさまざまなデザインのものが販売されているので、インテリアの雰囲気を損なうことなく片付けられます。

本棚は部屋で大きなスペースを占めるので、おしゃれに見える片付けのアイデアは、部屋の雰囲気を保つためにも重要です。大量の本をインテリアのようにおしゃれに片付けるには、次のようなアイデアがあります。

【おしゃれに見える本の収納の方法】
・ブックスタンドで飾る
・壁面収納でギャラリー風に配置する
・重ねておしゃれに置く
・小物と一緒に飾る
・ウッドボックスやバスケットに収納する

表紙のデザインが魅力的な本は、ブックスタンドを使って「見せる収納」にすると効果的です。大量の本の中から特に気に入った表紙のものを選び、本棚の一角や棚の上に配置すれば、室内のアクセントになります。ブックスタンドは、本のサイズに合わせて選ぶと見栄えが良くなります。高さの異なるブックスタンドを組み合わせれば、メリハリのある配置も可能です。

本の収納術として壁面収納を活用するアイデアは、部屋をギャラリーのように演出するのに役立ちます。高さを変えて本を並べたり、表紙が見えるように向きを変えたりすることで、立体的な印象にもなります。

厚みのある本を数冊、横向きにして少しずらしながら重ねて置けば、さりげなく知的な雰囲気を演出できます。あえて本を不規則に置くことで、立体感が生まれるためです。そばにグリーンやオブジェを添えると、より洗練された印象になります。ただし、この置き方は本が傷む恐れがあります。大切な本は、この収納アイデアに使うのは避け、きちんと棚に並べましょう。

大量の本を収納する本棚の空きスペースに、観葉植物や小物を組み合わせるのも、本棚をおしゃれに飾るアイデアの1つです。季節の花や好みのオブジェを添えることで、本棚がより魅力的で個性的になります。本棚全体の統一感を意識しながら、アクセントとなる小物を所々に配置すると効果的です。

本棚に並べにくい雑誌や薄い本は、ウッドボックスやバスケットに入れるときれいに片付けられます。本棚のスペースに合わせて、サイズの異なるボックスを組み合わせると、おしゃれな雰囲気になるでしょう。素材や色を統一すると、さらに見た目が美しくなります。リビングなど人が集まる場所の雰囲気づくりにも一役買うでしょう。

本棚以外のスペースを活用すると、本を見せずにスマートに収納できます。部屋の雰囲気を損なわないように片付けたいときの本の収納術として、次のようなアイデアがあります。

【本を見せない収納術】
・ベッド下のスペースを活用する
・衣装ケースに入れる
・収納ボックスに入れる
・クローゼットの上段に収納する
・階段下のデッドスペースを利用する

ベッド下の空間は、大量の本の収納にも役立つスペースです。本が多い部屋でも、ベッド下の収納を活用することで、部屋の中をスッキリ整えられます。ベッド下のスペースに合うキャスター付きの収納ケースを使用すると、出し入れもスムーズです。また、ベッド下は直射日光が当たりにくいため、本の劣化も防げます。

透明な衣装ケースは中身が一目で分かるため、本の収納術として優れたアイデアの1つです。高さのある衣装ケースであれば、文庫本から大判の書籍まで、さまざまなサイズの本をまとめて収納できます。マスキングテープやリメイクシートを活用すれば、ケースの内側から装飾を施すことも可能です。複数のケースを重ねて置けば、スペースを立体的に活用できます。

読まない本は、インテリアに合った模様やデザインが施された市販の収納ボックスにしまっておきましょう。サイズの異なるボックスを組み合わせると、空いているスペースを最大限に活用できます。フタ付きで開閉できるタイプを選べば、ゴミの侵入を防いで、きれいな状態で本を保管できるでしょう。中には他人にはあまり見られたくない本もあるかもしれません。そうした本も、おしゃれなボックスに収納すれば、インテリアの一部として上手に隠せます。

本の置き場としてクローゼット上段のスペースを活用すれば、本棚を購入する必要はありません。上段は目線より高い位置にあるため、本が見えにくく、インテリアの邪魔にもなりません。デザイン性のある箱型の収納ケースを使えば、おしゃれに本をまとめて整理できます。季節ごとに読む本を入れ替えたり、シリーズものをまとめて保管したりするのにも便利です。

階段下は三角形の特殊な形状でデッドスペースになりやすい場所ですが、足りない収納スペースを補うなら、本の大きさに合わせて収納棚を設置するのも一つのアイデアです。奥行きを生かして背の高い本から文庫本まで、サイズ別に整理することもできるでしょう。あえて目立つような扉を取り付けると、おしゃれな書庫の完成です。

大量の本を収納したり片付けたりする際には、耐久性や安全性に関わる問題から、次のような点に注意する必要があります。誤った方法で大量の本を収納し、本棚や家屋を破損したり、けがをしたりしないための重要なポイントです。

【大量の本を収納する際に注意すべき点】
・本棚の棚板の耐荷重を確認する
・地震対策をする
・圧迫感を軽減する

本が多い部屋では、本棚の棚板の素材と厚みを確認し、耐荷重が十分であるかを必ずチェックしましょう。大量の本を載せると想像以上の重みになるので、棚板の間隔が広すぎると、中央部分がたわみやすくなります。安心して長く使用するためには、棚板の厚みが十分で、適度な間隔で支えられている本棚を選んでください。

背の高い本棚に大量の本を収納すると、地震の揺れで倒れやすくなります。本棚が倒れると、収納している本の重みで大きな事故につながる可能性があるので、必ず転倒対策をしましょう。転倒防止器具などで壁や天井に本棚をしっかりと固定することが大切です。重い本は下段に、軽い本は上段に配置するなど、本の置き方も工夫すると、安全性が高まります。

大容量の本棚は、設置場所によって部屋に圧迫感を与えることがありますが、本棚の配置や本の並べ方を工夫することで解決できます。背板のないオープンタイプの本棚を選べば、圧迫感が軽減されます。また、本を詰め込みすぎず、適度な空間を設けることも効果的です。天井まで届く高さの本棚でも、上部に余白を作るとスッキリとした印象に変わります。

本の収納スペースに悩む人におすすめの、収納アイデアが詰め込まれた本棚を7点紹介します。ライフスタイルや部屋の間取りに合った本棚選びの参考にしてください。