部屋でのリラックスタイムに欠かせないソファには、実はダニが発生しやすい環境が整っています。ダニに刺されるとかゆいだけでなく、アレルギーなどの健康被害も心配です。日頃のメンテナンスでダニの発生を予防し、ダニの発生が疑われたらすぐに退治しましょう。ダニが発生する原因や繁殖を防ぐための対策を詳しく解説します。

ソファにはダニが好む条件が多く揃っています。早めに原因を突き止めて対策を取りましょう。普段の何気ない行動や手入れ不足が、ダニを引き寄せる原因となっていないかを確認することが大切です。

ソファにダニが発生する原因
・部屋やソファ内部がダニが繁殖しやすい環境のため
・屋外にいるダニが移動してきたため
・汗や皮脂汚れがエサになるため
・食べこぼしや飲み物の汚れが放置されるため
・掃除が行き届かずホコリが溜まるため
・ペットの毛やフケがダニの栄養源になるため
・ソファの素材自体がダニを引き寄せるため

通気性が悪く、人が座ると温度が高くなる布製ソファは、ダニにとって卵をたくさん産める快適な環境です。さらに光が届きにくく、ダニの餌も豊富な場所なので、1�uあたり数百〜数千匹ほど生息していることもあります。

ダニが繁殖しやすい環境
・温度：20〜30℃
・湿度：60％以上

家の中にいるダニは、人やペットが屋外で過ごした際に、皮膚や衣類に付着したものです。そのまま家の中で繁殖し、ソファや寝具など居心地の良い場所を探しながら、繁殖を繰り返します。外着のまま座ったり、来客が使用したりするソファには、特にダニが多く存在します。

ダニが特に好む餌は、人間の汗や皮脂、髪の毛やフケなど、不飽和脂肪酸を含んだものです。不飽和脂肪酸は、人間にとっても健康を支える大切な栄養素ですが、ダニにとっても同じことが言えます。餌をたくさん食べて元気になったダニは、卵をたくさん産みます。早めの駆除が肝心です。

人間の食べ物はダニにとっても餌になります。食事の機会が多いソファには、気付かないうちに食べ物や飲み物をこぼした汚れがついています。布製のカバーがあれば放置せず、すぐに洗濯をして、ダニの餌を増やさないことが大切です。

ソファの下は掃除機が入りにくく、床の拭き掃除もしにくい場所です。そこへほこりが溜まると、アレルギーの原因にもなりますが、ダニにとっての餌も増えて繁殖が進みます。見えない場所もこまめに掃除することが、ダニの発生の予防につながります。

ダニの一種のヒョウヒダニは人だけでなく、動物の毛やフケも餌として好みます。ペットがいる家庭では毛やフケが多くなるので、ダニも増えやすい環境になります。動物にとっても、ダニは感染症やアレルギーを引き起こす原因となる存在です。ペット用のダニの予防薬を使用したり、定期的に体を洗ったりして、ダニの発生を抑えましょう。

布製のソファには、ダニが卵を産みやすい繊維の隙間がたくさんあり、人間の目には見えない場所で繁殖が進みます。さらに暖かく、ほどよい湿度を保つファブリック素材のソファの内部は、ダニにとって快適に住みつける環境です。手入れを怠ると、いつの間にか、多くのダニが繁殖してしまいます。

きれいに見えるソファでも、ダニは見えない場所に潜んでいます。ダニに刺されると健康被害が起こる可能性があるので、繁殖しないよう早めの対策をとりましょう。ソファに棲み着いたダニが人体にどのような健康被害をもたらすのかを紹介します。

主に室内にいるヒョウヒダニは人を刺しませんが、繁殖が進むと増えるのが、人を刺す種類のツメダニです。ツメダニに刺されると虫刺されに似たかゆみが長引き、赤いミミズ腫れができる場合もあります。ソファに座っていてかゆいと感じるときは、ツメダニが繁殖している可能性を疑いましょう。

ダニに刺されると、アレルギー症状が出ることがあります。また、ダニの死骸やフンなどもアレルゲンです。アレルギーの原因となるアレルゲンを吸い込むと、鼻水や咳などの症状が現れる場合があります。ダニは夏に繁殖しますが、秋から冬にかけても、ダニが残したアレルゲンを吸い込んでアレルギーを発症する人が多くいます。

主なアレルギー症状
・くしゃみ
・鼻水
・鼻づまり
・目のかゆみと異物感
・目の充血
・皮膚のかゆみと湿疹
・咳

ダニアレルギーが重症化すると、慢性的な健康被害につながります。気管支喘息やアレルギー鼻炎などの症状が出るのは、ダニが撒き散らしたフンや死骸などのアレルゲンを吸い込んだことが原因です。さらに、アレルゲンが目に入ると結膜炎に、皮膚が弱い人は刺されるとアトピー性皮膚炎になるなど、生涯アレルギーに悩まされるケースもあります。

ダニの繁殖を防ぐには、ソファや座椅子の日々の手入れが大切です。繊維の奥にほこりや皮脂がたまりやすい布製の物は、特にダニが繁殖しやすい環境なので、念入りにダニ退治をする必要があります。ソファのダニを退治、駆除するには、次のような方法が効果的です。

布製ソファでダニを退治する方法
・掃除機＋重曹で表面と隙間のダニを吸い取る
・スチームクリーナーで高温処理する
・布団乾燥機を使ってソファ全体を加熱する
・カバーやクッションカバーを洗濯する
・ドライヤー・アイロンで熱を与える
・日光に当てて乾燥させる
・専用のダニ捕獲シートを設置する

掃除機をかける際、間違った方法でやってしまうと、逆にアレルゲンが舞い上がります。掃除機を素早く動かすのではなく、1か所に2〜3秒かけて丁寧に動かしていくのが、正しいやり方です。消臭や除湿もできる重曹を合わせて使うと、一石二鳥の効果が得られます。

掃除機と重曹を使った方法
1.就寝前にソファや座椅子に重曹を振りかける
2.一晩かけてダニや汚れを吸い取る
3.翌朝に掃除機をかけて退治する

ダニは熱に弱いため、60度のスチームを当てると一瞬で退治できます。高温の蒸気が出るスチームクリーナーは、布製のソファや座椅子のダニ対策には最適です。湿気を残さないように、スチームを使用した後は十分に乾燥させましょう。最後に掃除機をかけると、残ったアレルゲンを吸い取れます。

スチームクリーナーを使った処理の方法
1.60度のスチームを当てる
2.十分に乾燥させる
3.掃除機をかける

布団乾燥機は約70度の温風が出るので、布製ソファや座椅子のダニ対策にも使えます。部屋を1時間ほど暗くすると、夜行性のダニがソファの表面まで出てくるので、その後に布団乾燥機を使うと効率よくダニを退治できます。

洗濯するだけではダニを完全に駆除できませんが、ダニの餌となる汚れを落とせるため、繁殖の予防になります。カバーを外せるタイプの布製のソファや座椅子は、定期的に洗濯をしましょう。素材によっては手洗いやドライクリーニングの指示があるので、洗濯の方法を確認することも大切です。

100〜120度の熱風が出るドライヤーや、最高約200度まで設定できるアイロンも、ダニの退治に効果的です。布団乾燥機と同様に、部屋を暗くしてから使うと、夜行性のダニが表面に出てきて効率的に駆除できます。ただし、ソファや座椅子の素材によっては、ドライヤーやアイロンの高温で変色したり傷んだりすることがあるので、素材や取り扱い方法をよく確認しましょう。

日光に当ててソファを乾燥させると、湿気が飛び、ダニが繁殖しにくい環境になります。紫外線に当てると殺菌や消臭効果も期待できます。
カバーを取り外せるタイプのソファは、強い日差しに当てると日焼けで劣化するので、日差しが弱い晴れた日に日光に当てましょう。座椅子の場合は表と裏をそれぞれ30〜60分ほど日光に当てます。

匂いでダニをおびき寄せるダニ捕獲シートは、置くだけで手軽にダニを退治できます。シートの中の粘着物質でダニを捕まえるタイプと、シート内で乾燥させて駆除するタイプがあります。粘着タイプには即効性がありますが、下に隙間がないソファや座椅子には向いていないので、その場合は乾燥タイプを使用しましょう。

合革や本革のソファは、布製のソファと比べて繊維の隙間が少ないため、ダニが付着しづらく繁殖しにくいのが特徴です。しかし生存力の高いダニは合革や本革でも繁殖します。次のような対策で、ダニの繁殖を防ぎましょう。

革製ソファでダニを退治する方法
・革専用のアルコールシートで表面を拭き取る
・スチームクリーナーの低温モードで温殺菌する
・革対応のダニ駆除剤を使って駆除する
・柔らかいブラシやクロスでステッチ部分も徹底的に掃除する

75％以上のアルコールを含むクリーニング剤で拭き上げると、ダニや細菌を駆除できます。本革や合革は傷がつきやすいため、柔らかいマイクロファイバークロスを使用しましょう。強い薬品を使うときは、革の耐久性を損なう場合があるので、目立たない場所で予めテストをすることが大切です。

スチームクリーナーは本革には使えませんが、合革のソファにはダニ駆除に適したタイプが使用できます。ただし、すべての機種が合革に対応しているとは限らないので、購入前に合革使用の可否や対応素材を確認しましょう。

汚れが内部に染み込みにくい革製のソファは、水性や油性の汚れが簡単に落とせます。スチームクリーナーは約100℃の高温の蒸気を出すため、ダニの駆除にも効果的です。

化学薬品を使いたくない本革や合革のソファには、安全性の高い誘引剤を用いたダニ取りシートを使うと良いでしょう。ソファの隙間や見えない隙間に置くだけで手軽に設置ができて、使用後はシートごと捨てられます。

掃除機が届きにくいソファの縫い目や、細かい溝の汚れを落とすには、ブラッシングやクロスでの拭きあげが効果的です。汗や皮脂などの汚れは、ブラッシングではなく、中性洗剤を薄めたもので水拭きしましょう。合革や本革は水分に弱いので、水拭きの後の乾拭きが重要です。ソファを解体して水拭きする場合は、乾燥してから組み立てます。

ソファのダニは、見えないところで繁殖することが多く、気付かないうちに健康へ悪影響を及ぼします。ダニの発生を予防するには、次のような方法があります。

ダニの発生を予防する方法
・こまめに掃除機をかけてホコリや食べかすを除去する
・ソファのカバーやクッションを定期的に洗濯する
・部屋やソファ周りの湿度管理を徹底する
・換気を行い空気を循環させる
・防ダニグッズを定期的に使用する
・ダニがつきにくいソファを購入するのも手

ソファの奥に入り込んだ生きたダニは、掃除機だけでは退治できませんが、定期的に掃除をすればダニが増えにくい環境を作れます。餌となる髪の毛やほこりを取り除き、アレルゲンとなる死骸やフンも除去しましょう。

布製のカバーは頻繁に洗濯すると、食べこぼしや汗などのダニの好物を取り除けますが、ダニは長時間水に沈めていても死滅しません。カバーに付着したダニを退治するには、洗濯後に乾燥機にかけて熱で駆除する方法が効果的です。

エアコンのドライ機能や除湿機でソファ周辺の湿度を下げると、湿気を好むダニが寄りつきにくくなります。除湿機をソファの近くに設置したり、隙間や下に除湿剤を置いたりしても良いでしょう。湿気を減らすことも、ダニの予防には効果的です。

日頃からこまめに空気の入れ替えをすることも、ダニが好む湿気を除去するのに効果的です。窓を開けて換気する頻度は2時間に1回が理想です。寒い時期や花粉対策などで換気ができない状況であれば、空気清浄機を使ったり換気扇をつけたりして、空気を循環させましょう。

密閉性が高い革製のソファは、布製のソファと比べてダニが入り込みにくいので、対策が面倒な人に適しています。また、風通しがよく湿気がこもりにくい脚の高いソファも、ダニの繁殖を抑えられます。掃除機がかけやすいので、ほこりが溜まりにくいのもメリットです。

ダニがつきにくいソファの選び方
・布ではなく革のソファにする
・脚が高めのソファにする

ダニのアレルギーやかゆみが気になる人にとって、ソファ選びは重要なポイントです。ダニがつきにくい革製ソファから、ダニを退治しやすい洗えるカバーの布製ソファまで、おすすめの商品を5つ紹介します。