家具店の中を見渡すとさまざまな種類のテーブルがありますが「座卓」はどのようなものなのでしょうか。今回は座卓の意味や、ちゃぶ台やローテーブルなどとの違い、座卓のメリット・デメリットも解説しますので、参考にしてみてください。

家具の座卓とは床や畳の上で使用する、高さが低い机のことで、「ざたく」と読みます。もともと座卓は奈良時代に中国から伝わってきた家具です。日本では１人用の「膳」が使われていましたが、明治時代ごろから座って食事をする日本の文化と、テーブルに集まって食事をする西洋文化がミックスされ、食卓に欠かせないものとなりました。現在は食事のみならず、読書や仕事をする時にも使われます。なお、座卓は別名「座敷卓」ともいいます。

座卓と名前が混合しやすい家具といえば、ちゃぶ台やローテーブルなどが挙げられます。ここでは、座卓と混同しやすい家具の違いについて、それぞれの特徴と共に解説します。

座卓とテーブルの最も大きな違いは、椅子を利用するかしないかです。座卓は高さが30〜40cm程度と低い机で、床や畳に直接座るスタイルで使います。そのため、家族や友人がリラックスして集まる和の空間にぴったりです。一方で、テーブルは約70cmの高さがあり、椅子を使うことを前提に設計されています。ダイニングや洋室では、フォーマルな食事や会議など、落ち着いた印象を与える場に適しています。

リビングや和室など、さまざまな場所で使える座卓に対して、ちゃぶ台は食卓と限定されています。そもそもちゃぶ台とは食事で使う机のことで、中国語で食事をする意味の「チャフン」が変化して、日本ではちゃぶ台と呼ばれるようになりました。

座卓とローテーブルには、大きく2つの相違点があります。1つ目は、和室用の机か洋室用の机かという点です。一般的に座卓は和デザインが多いことから「和室用机」、ローテーブルは洋デザインが多いことから「洋室用テーブル」と位置づけられます。

もう1つの相違点は、ソファを利用するかしないかです。座卓は床や畳の上に座って使うのに対して、ローテーブルはソファに座って使います。また、ローテーブルは、主に装飾や軽作業向けに設計されており、食事や重い作業には向いていません。

座卓と文机（ふづくえ）の違いは、使用する人数と設置する場所です。座敷は団らんの場として複数人で使われる机で、リビングや茶室などの中央の場所に置かれる傾向があります。その一方で、文机は読み書きするための1人用の机で、書斎や仕事部屋で壁に付けて置かれることが多いです。

ただし、使用する人数や設置する場所に違いはありますが、メーカーによっては座敷と文机は同じ机として扱われます。

一口に座卓と言っても、角形座卓や円形座卓など、さまざまな形の種類のものがあります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを踏まえながら、代表的な座卓の形を3つご紹介します。

角形座卓とは、天板が四角の形になった机を指します。机としては定番的な形の種類なため、リビングやダイニング、和室などさまざまな場所で使われます。ただし、同じ側に座った人とは顔が合わせにくく、会話がしにくいでしょう。少人数での利用の時は、相手の向かい側に座ってみてください。

その名の通り、丸い形をした机が円形座卓です。天板が円形型になっているため、少人数や大人数で座っても相手の顔が合わせやすく、スムーズなコミュニケーションが取れます。ただし、1人あたりの使用スペースが少ないので、大人数でたくさんの料理を並べながらパーティーをしたい時には、注意が必要です。

楕円形座卓は丸を横に広げた形の机のことで、メリットは並んで座れる点です。特に食事サポートが必要な小さな子どもを持つ家庭に向いています。ただし、短辺側（両端）の席は使用スペースが狭いため、使い勝手がよくないというデメリットもあります。スペースの広い長辺側に並んで座りましょう。

座卓の天板は木材で作られているものが多く、代表的なものとして一枚板・集成材・突板（つきいた）3つが挙げられます。ここでは、座卓の天板の3つの種類について、メリットとデメリットを踏まえながらご紹介します。

小さな木材を接着剤で貼り合わせて天板にしたのが集成材です。1本の丸太から取れた木材を無駄なく使用しているため、一枚板よりも値段が安くなっています。ただし、木材同士を貼り合わせるための接着剤を使っていることから、耐用年数が短いというデメリットがあります。

一枚板は1本の丸太から取れた板をそのまま天板にした種類で、天然木材の味わいを楽しめるメリットがあります。品質の高い高級座卓が欲しい方に向いています。ただし、長期的に使うと傷みが生じたり、屋外で日に当たりすぎると変色したりする場合があるのが難点です。

突板（つきいた）とは、薄くスライスした天然木材をベニヤ板やMDFなどの芯材に貼り合わせて天板にした種類のことです。内部は違う素材とはいえ表面には木材が使用されているため、見た目には遜色なく、家具の値段も安く抑えられています。デメリットとしては、天板に傷がつくと中の芯材が出てきて外観が損なわれることです。

・安全性がある
・スペースを多くとらない
・収納が簡単
・高さが低く圧迫感がない
・さまざまな用途・人数に対応可能
・和室・洋室どちらにも馴染む
・団らんの場になる

近年、床はフローリングという家庭が多いですが、安全性や収納力などが高いとして座卓を利用する方が増えています。ここでは、座卓のメリット・魅力について詳しく解説します。

お年寄りに馴染みの深い座卓ですが、特に小さな子どもがいる家庭から安全性があるとして高い支持を集めています。基本的に座卓は床に座って利用するため、小さな子どもが椅子の上で騒いで落ちることがありません。未然に転倒事故を防げるのが座卓の最大のメリットです。

座卓は設置スペースを多くとらないため、一人暮らしや狭い部屋に向いています。座卓はダイニングテーブルよりも小さいサイズのものが多く、椅子も使いません。部屋のスペースを有効活用できるので、その他に収納棚や本棚なども置けます。部屋の模様替えをする際も、座卓であれば自由にレイアウトできるでしょう。

座卓には、収納が簡単に行えるというメリットもあります。近年、座卓は折りたたみ式のものが増えています。使わない時には脚を折りたたんで、クローゼットやデッドスペースの間に仕舞うことが可能です。短時間で片付けることができれば、家事や子育てに時間を費やせるでしょう。

座卓は高さが低いため、スペースの狭い部屋に置いても圧迫感がありません。開放的なスペースができあがり、自宅に友人や恋人らを招きたくなるでしょう。また、圧迫感のないインテリア家具として、おしゃれに見せることもできます。

座卓の魅力は、用途や人数に囚われず使えることです。一口に座卓といっても、天板が長方形の座卓や四角形の座卓、さらには大きいサイズや小さいサイズのものなどさまざまあります。大人数での食事なら長方形の大きい座卓が、1人で仕事をするなら四角形の小さい座卓が適しています。

和室に置くイメージが強い座卓ですが、実は洋室にも馴染みます。座卓は丸い形をした和風デザインのものをはじめ、天板がガラス製の洋風デザインのものなどもあります。畳やフローリングの上に設置するだけで、まとまり感のある和室や洋室に仕上がるでしょう。特に洋室にラグやギャッベなどを敷いて座卓を置けば、ワンランク上のおしゃれ空間ができあがります。

座卓を利用すると、家族の団らんの場になります。近年、子どもの学力向上のために、リビングで勉強する家庭が増加しています。座卓は相手の顔を合わせやすい机のため、子どもの勉強机として使用すれば親子のコミュニケーションが増えるでしょう。

・身体に負担がかかりやすい
・定期的な掃除が必要
・椅子と併用しにくい
・モノが散らかりやすい
・インテリアの作り方が難しい場合がある

メリットの多い座卓ですが、身体への負担や定期的な掃除が必要などのデメリットもあります。ここからは、座卓のデメリットについてご紹介します。購入を検討している方は、参考にしてみてください。

座卓の最大のデメリットは、身体に負担がかかりやすい点です。椅子に座って使うダイニングテーブルとは違い、座卓は床や畳の上に座らなければなりません。背もたれもなく長時間座っていれば、足や腰が痛くなってしまいます。足腰への負担を軽減するために、座卓と一緒にクッションや座椅子を利用することをおすすめします。

定期的な掃除が必要なのも、座卓のデメリットのひとつです。食事後の座卓下の床や畳には、食べカスやこぼした飲み物の汚れがある場合があるでしょう。掃除を怠ると、衛生面で問題が生じる可能性があります。特に座卓下にカーペットやラグを敷いている時は、頻繁に掃除をした方が良いです。

一般的に座卓は高さが低いため、椅子との併用には工夫が必要です。机と椅子の高さが合わないと、食べにくかったり、作業がしにくかったりするでしょう。椅子に座って座卓を使いたい時は、高さの低い椅子や座椅子を用意する必要があります。

座卓のデメリットのひとつとして、モノが散らかりやすいことも挙げられます。座卓は床に座るスタイルなため、ついモノを床に置いてしまうことがあるでしょう。収納棚などに仕舞わないで床にモノを置くと、部屋が散らかっているように見えてしまいます。

座卓を使用すると、インテリアの作り方が難しい場合があります。一般的なテーブルは椅子とセットに使いますが、座卓は単体で使われることが多くなっています。座卓だけだとアンバランスな雰囲気の部屋になり、家具が散乱した印象になるでしょう。

また、座卓は家具の中でも歴史が古く、比較的和室に特化したものが多いため、特に洋風テイストの部屋作りが難しい場合があります。

あとで買わなければよかったと後悔しないために、座卓の上手な選び方を知っておきましょう。ここからは、座卓の選び方とそのポイントについて詳しく解説するので、参考にしてみてください。

理想の座卓を選ぶ上で、1番大切なポイントがサイズです。和室や仕事部屋で使うなら幅約60cm程度の小さいサイズの座卓が、リビングやダイニングで使うなら幅約120cmなどの大きいサイズの座卓が向いています。利用する場所と目的に合ったサイズの座卓を選びましょう。

種類によって、座卓の天板はさまざまあります。品質や強度の安定性を重視するなら集成材、天然木材の香りや質感を楽しむなら一枚板、そして軽量で安価なものを求めているなら突板（つきいた）を選んでみてください。天板は机の顔とも言えるため、座卓選びには欠かせないでしょう。

座卓を購入するにあたって、机の高さが調節できる点も大切なポイントです。近年、机の脚が伸び縮みする座卓も販売されています。床に座ったスタイルをするなら昔ながらの座卓で良いですが、椅子を使うスタイルをするなら脚が伸び縮みする座卓を選んでみてください。なお、座卓の場合の差尺（床から天板までの高さ）を33〜35cmほどに合わせると座り心地が良いとされています。

座卓は材質が違うだけで、部屋の雰囲気がガラリと変わります。高級感を演出するなら塗装をしていない無垢材の座卓が、優しい和の雰囲気にするなら加工された集成材の座卓が適しています。天板の種類と合わせて選ぶのがポイントです。

座卓の選び方として、耐久性に焦点を当てるのも大切です。基本的に座卓は頑丈に作られていますが、机の脚と天板の間に隙間や歪みがあると壊れやすくなります。重たいものを乗せるなら隙間のない据え置きタイプの座卓を、軽いものを乗せるなら折りたたみタイプの座卓を選びましょう。

部屋の統一感を重視するなら、座卓のデザインで選びましょう。家具の中でも座卓は目立ちやすいため、デザインによっては部屋の雰囲気を左右します。例えば、モノトーンの部屋ならシンプルなデザインの座卓が、リゾート風の部屋なら天板がガラス製の座卓が向いています。部屋の雰囲気との調和を図りながら、座卓を選ぶのがコツです。

ここでは、座卓のおすすめ商品を5つご紹介します。デザイン性の高いおしゃれな商品や、使い勝手のよい便利な商品などを集めたので、自分の好きな座卓を見つけてみましょう。