天ぷら鍋がない時に、普通のフライパンや鉄フライパンで揚げ物をするのはダメなのでしょうか。一人暮らしや初心者でも安心して挑戦できるのか、またテフロン加工のフライパンも使えるのか理解しておく必要があります。フライパンで揚げ物をするメリットを5つ紹介します。

フライパンで揚げ物をするメリット
・少ない油で経済的
・調理時間が短い
・くっつきにくく調理がしやすい
・収納スペースをとらない
・後片付けが簡単

油の深さを底から1〜2cmに抑えて180℃前後を維持すれば、揚げ焼きとして成立するため、フライパンでも揚げ物を調理できます。普通のフライパンや鉄フライパンも利用可能ですが、大量調理や厚い食材には鍋の方がおすすめです。どっちを選ぶかは、食材の量と厚みで判断しましょう。

底面が広いフライパンは、少量の油でも全体に広がり温度を維持しやすいため、油の使用量を抑えられて経済的です。油の廃棄量が減り、処理に必要な凝固剤やペーパー資材を節約できることも利点です。

油を少なくすると予熱が早く進むため、加熱開始から完成までの調理時間を短縮できます。菜箸を油に入れて泡の状態で170〜180℃を確認し、食材は少量ずつ入れて温度を管理すれば、衣に短時間で火が通り中まで熱も伝わります。

フライパンは口径が広く、食材を重ならないように並べられるため、くっつきにくく調理がしやすい点もメリットです。少量ずつ入れて油の温度を一定に保てば衣が剥がれるのを防げて、返すタイミングも判断しやすくなります。また、テフロン加工のフライパンはコーティングにより食材がくっつきにくく、焦げ付きにくい特性があります。

家庭にあるフライパンを兼用すれば、天ぷら鍋を新しく購入する必要がなく、収納スペースをとりません。一人暮らしや狭いキッチンでも、調理器具を増やさずに済みます。鉄フライパンのような深さと蓄熱性を持つものを選べば、揚げ物にも十分対応できます。

使用する油が少なければ、冷めた後に新聞紙やキッチンペーパーで吸わせて処理できるため、後片付けが簡単です。大量の油を移す作業が不要になり、キッチンを清潔に保てます。さらに、テフロン加工が施されたフライパンなら焦げ付きが少なく、洗浄時の負担も軽減されます。

揚げ物をする時は、用途に合ったフライパンを選ぶことが大切です。素材や深さ、サイズなど考える要素が多く、どれを基準にすべきか迷う人も少なくありません。特に油の温度を安定させるには、フライパンごとの特徴を理解して選ぶ必要があります。揚げ物ができるフライパンを選ぶための基本的なポイントを紹介します。

揚げ物に使うフライパンの選び方
・素材を確認する
・深さや厚みを確認する
・サイズを確認する

揚げ物に使うフライパンは、深さがあると油はねを抑えやすく、安全性の面でも安心です。また、厚みのあるフライパンは熱を保持し、油温が安定しやすいという特長があります。そのため、家庭で揚げ物をする時は、浅型よりも深めで厚みのあるタイプのフライパンを選びましょう。

フライパンの直径は、大きすぎても小さすぎても調理がしにくくなります。特に大きすぎると、加熱が不均一になりやすいため注意が必要です。家庭での揚げ物には、調理量や用途に合った適度なサイズのフライパンを選ぶことが大切です。

「フライパンで揚げ物は難しそう」「油はねが心配」と感じる人もいるでしょう。しかし、いくつかのコツを押さえれば、フライパンでも専用の揚げ鍋に負けないくらい上手に揚げ物ができます。フライパンを使った揚げ物の基本的なやり方、失敗しないためのコツを紹介します。

フライパンで揚げ物をする時のやり方やコツ
・食材は薄く小さめにする
・食材の水分をしっかり拭き取る
・揚げ焼きを意識する

油の量を十分に入れて温度と火加減を安定させることが、フライパンで揚げ物を成功させる条件です。温度の目安は170〜180℃です。中温で維持すると衣が均一に色づき、食材の中まで火が通りやすくなります。大量に入れると油温が下がってしまい、仕上がりが重くなるため、食材は必ず少量ずつ加えてください。

フライパンで揚げ物をする時のやり方
1.フライパンに油を3〜3.5cmほど入れる
2.温度は170〜180℃に保つ
3.食材は少量ずつ入れる
4.衣が均一に色づいたら取り出す

食材が大きいと中心まで火が通りにくくなるため、薄く小さめに切るのがコツです。また、衣は薄くつけると火が通りやすくなります。衣が厚いと、外側だけ焦げて中が生焼けになりやすいため注意しましょう。

水分が残ると油はねや温度低下を招くため、調理前に表面の水分を拭き取ることが大切です。肉や魚はキッチンペーパーで軽く押さえるだけで、余分な水気を取り除けます。また、水分を拭き取ると衣が食材に密着しやすくなるため、揚げている途中で剥がれにくく均一に仕上がります。

フライパンで調理する時は、少ない油で食材を半分ほど浸す揚げ焼きを意識すると経済的です。薄く小さめの食材なら短時間で火が通りやすく、揚げ物を手早く仕上げたいときに役立ちます。次項では、少ない油で揚げ物をフライパンで作るポイントを詳しく紹介しますので、参考にしてください。

フライパンで揚げ物をする時は、油の深さや温度の管理、食材の扱い方が重要です。特に、少量の油を使う調理では温度が下がりやすく、焦げてしまうことがあります。少ない油で揚げ物をフライパンで調理する時に役立つポイントを詳しく紹介します。

少ない油で揚げ物をフライパンでするポイント
・油をフライパンの底から2cm程度入れて180℃に保つ
・ひっくり返す時だけ食材を触る
・強火で仕上げる

油が浅いと焦げやすく、逆に深いと少量調理の利点が薄れてしまいます。フライパンの底から2cm程度の油を入れ、温度は180℃を基準に保つことが大切です。温度計がない場合は、パン粉を一粒落としてすぐに浮き上がるかどうかで確認できます。

また、食材を一度に多く入れると油温が下がりやすいため、フライパンの面積の半分程度に抑えて温度を一定に保ちましょう。

揚げ焼き調理では、頻繁に動かすと衣がはがれやすく油温も下がるため、揚げ物はひっくり返す時だけ食材に触れることがポイントです。片面を加熱して表面が均一に色づいた段階で返すと、衣が崩れにくく見た目も整います。

揚げ物は最後に強火で仕上げると、衣が引き締まり外は香ばしい食感になります。加熱を続け過ぎると油温が急上昇して煙が出やすいため、強火は仕上げの段階にとどめると安心です。また、テフロン加工のフライパンは高温に弱いため、長時間の加熱は避けましょう。

フライパンで揚げ物をする時は、手軽さの反面、思わぬ事故や火事につながる危険性があります。調理中にその場を離れたり、油を温めすぎたりすると、重大なトラブルに発展しかねません。フライパンで揚げ物をする時の注意点を紹介します。

フライパンで揚げ物をする時の注意点
・調理中は絶対にその場を離れない
・油を温めすぎない
・調理中に蓋をしない
・フライパン、コンロの安定性を確認する

揚げ物中に目を離すと、油の過熱や火加減の変化に気づかず、火事に発展するおそれがあり危険です。総務省消防庁の統計によると、令和5年には台所周辺で約2,800件の火災が起こりました。

特に少量の油は短時間で引火点に達しやすいため、わずかな放置でも大きな事故につながりかねません。揚げ物をする時は必ずその場にとどまり、火加減を細かく確認することが、安全確保の第一歩です。

揚げ物の最中に蓋をすると、内部の温度が急上昇します。油煙が逃げず、過熱に気づきにくくなるため、非常に危険です。実証実験でも、蓋をしたまま放置すると油温が上がり続け、発煙や発火に至るリスクが確認されています。

フライパンやコンロが不安定なまま揚げ物をすると、転倒や油の飛び散りで火災を引き起こす危険性があります。特にIHクッキングヒーターは、安定性が欠けるとセンサーが正しく働かないことがあります。取扱説明書に記載された最低油量や使用方法を必ず守ることが、火災を防ぐ第一歩です。IHも含めて調理器具は安定した状態で使いましょう。

フライパンで揚げ物をした後は、適切な方法で処理することが大切です。油の処理やフライパンの洗い方を誤ると、排水の詰まりや環境への負担につながります。さらに、材質に合わない方法で洗浄をすると、フライパンの寿命を縮める原因にもなりかねません。少量の油を安全に処理する手順と、フライパンの正しい洗い方を紹介します。

紙に冷ました油を吸わせて捨てる方法は、家庭で広く行われている処理方法で、少量の油に有効です。流しに捨てると配管詰まりや環境汚染の原因になるため避けましょう。少量の油を安全に処理するには、十分に冷ますことが大切です。油を熱いまま吸わせると、やけどや自然発火のリスクが高まります。

揚げ物をした後の油の簡単な処理方法
1.油を冷ます
2.新聞紙やキッチンペーパーを用意する
3.油を紙に吸わせる
4.燃えるごみとして処分する

揚げ物後のフライパンは、まず十分に冷ますことが大切です。熱いうちに水をかけると、急激な温度差で変形やコーティングの劣化を招くおそれがあります。また、テフロン加工のフライパンは金属たわしや研磨剤の使用を避け、柔らかいスポンジで優しく洗いましょう。

揚げ物をした後のフライパンの洗い方
1.フライパンを冷ましてからぬるま湯を入れる
2.スポンジと中性洗剤で優しく洗う
3.水でよくすすぎ、布で拭いて完全に乾かす

揚げ物をするならフライパンと鍋はどっちが向いているのでしょうか。フライパンで揚げ物をする時のよくある質問を紹介しますので、参考にしてください。

フライパンは深さはありませんが、少ない油で調理できるため経済的で、後片付けも簡単です。小量の揚げ物を効率良く作れることから、一人暮らしや二人暮らしに向いています。一方、鍋は深さがあるため油はねを抑えられ、安全に調理できる点がメリットです。油の量が多くなる分、温度の変化を抑えやすく、家族分をまとめて揚げたい時にも役立ちます。

フライパンがおすすめな人
・少量の油で揚げたい人
・片付けを簡単にしたい人
・1〜2人分を調理する人

鍋がおすすめな人
・油はねを抑えて安全に調理したい人
・温度を安定させたい人
・家族分をまとめて調理したい人

卵焼き用のフライパンで揚げ物をするのは、推奨できません。一般的な卵焼き器は浅く、十分に油を張れないため油温が急上昇しやすく、火災や変形のリスクが高まります。

特にテフロン加工の卵焼き器は高温でコーティングが劣化しやすく、揚げ物には不向きです。調理器具メーカーも、卵焼き器での揚げ物は避けてほしいと注意を促しています。揚げ物をする場合は鍋や深型フライパンを使いましょう。

揚げ物に使うフライパンは、油の温度を一定に保ちやすい素材や、少量の油でも調理できる深さがある形状が便利です。ディノスには、鉄やステンレス製の揚げ物に向いたフライパンが販売されています。揚げ物に適したおすすめのフライパンを5つ紹介します。