鉄フライパンは使いこなすのが難しく、使うのをやめたほうがいい人もいると言われます。そうした話を聞いて「鉄フライパンを使ってみたいけれど、自信がない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
どうして「鉄フライパンはやめたほうがいい」と言われるのか。その理由は、主に次のような理由からです。

鉄フライパンはやめたほうがいいと言われる理由
・焦げ付きやすく扱いにくい
・重量があり扱うのに苦労する
・水分が多い料理に不向きで用途が限られる
・油なしでの調理が難しい
・IHだと均一に加熱しにくい場合がある
・手入れに手間がかかる

鉄フライパンは表面にコーティングがない分、焦げ付きやすいので、最初に油ならしをする必要があります。使用後は焦げや汚れを落とし、お湯で洗い流すことで、清潔さを保ちます。表面の油膜が剥がれてしまうため、洗剤は使えません。

洗剤を使わないと不潔だと思う人もいるかもしれませんが、使用後によく乾かし、使う前によく加熱すれば、細菌が繁殖することもなく、死滅させられます。このため、洗った後は、水分を飛ばして乾かし、薄く油を塗っておきましょう。錆や焦げ付きの予防にもなります。鉄は油が馴染むほど扱いやすくなる素材で、繰り返し使い続けていくうちに調理が快適になります。

鉄フライパンは、他の素材のフライパンに比べて重さがあるのも特徴です。一般的によく使われるアルミ製フライパンと比べると、最大で2倍ほど重くなります。

実際は、コンロに置いたまま調理するケースがほとんどなので重さを気にする場面は多くありませんが、力の弱い人や高齢者にとっては扱いにくく、重い鉄フライパンはやめたほうがいい場合もあります。

鉄フライパンで水を多く使う調理をすると、フライパン表面の油膜が取れてしまい、錆の原因になる可能性があります。しかし、水分の多い調理をした後に炒め物をすれば、また表面に油膜が作られるので問題ありません。もし茹で料理や蒸し料理が続く場合は、その後に揚げ物をするとまた表面に十分な油膜ができ、錆を防げます。

その手間が面倒な人や、油を使った料理をあまりしない人は、鉄フライパンはやめたほうがいいでしょう。

鉄フライパンは表面に焦げ付き防止のコーティングがなく、食材と鉄が直接触れてしまうため、油をひかないと食材がくっつきやすくなります。卵や魚のようにタンパク質を多く含む食材を焼いたときや、使い始めで油がまだ馴染んでいない状態では、こびりつきやすさがより目立ちます。健康のために油の量をなるべく控えたい人には、鉄フライパンは不向きです。

IH調理器はコイルから発生する磁力線を利用して、鍋やフライパンを加熱しますが、コイルに当たる部分と当たらない部分で温度差が生じるのがデメリットです。特に急激に温めると、低温部分と高温部分で約100℃もの加熱ムラが生じる場合があります。熱をゆっくり蓄える特性がある鉄フライパンでは、その欠点がより目立ってしまいます。表面が十分に温まれば問題なく調理できますが、その間待たなくてはいけません。

瞬時に均一に加熱できるガス火のほうが鉄フライパンとは相性が良いので、IHを使う場合は、鉄フライパンの使用はやめたほうがいいかもしれません。

鉄フライパンは、使い始めから日々の手入れまで少し手間がかかります。初めて使うときは、フライパン全体に油ならしを行い、調理の前には多めの油を熱して全体に広げ、余分な油を戻す油返しが必要です。調理後はすぐに洗い、水分を拭き取って空焚きしないと、鉄の素材の良さが失われてしまいます。

こうした手入れが面倒に感じる人は、鉄フライパンを使うのはやめて、他の素材の物を選ぶほうが良いでしょう。

鉄フライパンを使うのをやめずに毎日使い続けるメリットも数多くあります。手入れなど大変な面もありますが、鉄フライパンには次のような魅力があります。

鉄フライパンの魅力
・耐久性に優れている
・高温調理に向いている
・油が馴染むと焦げ付きにくくなる

鉄は非常に丈夫な素材です。日々の手入れをやめずに続けさえすれば、数十年から半永久的に使い続けられます。一般によく使われるテフロン加工など、コーティングが施されたフライパンは焦げ付きにくく使いやすいものの、表面のコーティングが剥がれると寿命を迎えます。しかし、鉄は削ったり焼き直したりすれば、再生が可能です。このため、鉄フライパンは一生ものの道具とも呼ばれます。

鉄フライパンは熱伝導や蓄熱性に優れているため、高温での調理に向いているのが特徴です。十分に熱を伝えられるので、短時間で食材に火が通り、野菜炒めならみずみずしい歯ごたえを残した仕上がりになります。さらに、肉料理では、おいしそうな焼き目をつけながら、中はジューシーに焼き上がります。

凝った料理に挑戦したい人やレパートリーを増やしたい人は、鉄フライパンをやめずに使い続けましょう。

鉄製フライパンは、油ならしをしておくと焦げ付き防止の効果が高まります。フライパンの表面には目に見えないほどの小さな穴があり、そこに油が入り込むことで薄い油膜が形成されます。この油膜によって食材がこげ付きにくくなり、錆の防止にも効果的です。

フッ素樹脂などの表面が加工されたフライパンと比べると最初は焦げ付きやすく、錆が出る場合もありますが、やめずに使い続けるうちに油がなじんで扱いやすくなるのが鉄フライパンのメリットです。

鉄フライパンには他の素材のフライパンにはない強みがありますが、たくさんの手間と時間をかけて育てていく必要があります。このため、手入れが苦手など、鉄フライパンが合わない人もいます。実際にどのような人が使うのをやめたほうがいいのか、どのような人にとって使いやすいのか、比較して紹介します。

鉄のフライパンは、洗剤を使うと表面の油膜が剥がれてしまうので、毎回洗剤を使いたい人には向いていません。また、テフロン加工や表面がコーティングされたフライパンとは異なり、油なしでの調理では焦げ付いてしまうため多めの油が必要です。油を減らしたヘルシーな料理を作りたい人は、鉄フライパンを使うのはやめたほうが良いでしょう。

さらに、水分の多い料理を頻繁に作ったり、調味料を残したまま放置したりすると、錆の原因になります。忙しい一人暮らしの人や、手入れに時間をかけられない人には向いていません。他の素材の物よりも重さがある鉄フライパンは、料理に不慣れな初心者や力の弱い高齢者にとっては、扱いが大変かもしれません。

鉄フライパンの使用に向いてない人
・毎回洗剤で洗いたいきれい好きな人
・油の少ないヘルシーな料理を作りたい人
・水分の多い煮物や汁物の料理を作りたい人
・調理後にすぐに洗うのが億劫な人
・重い物を扱うのに慣れていない人

鉄フライパンは、優れた熱伝導性と高い蓄熱性を持っているため、炒め物は歯ごたえよく、焼き物は香ばしく仕上がります。手の込んだ料理を作るのが趣味の人や、食感や香りなどにこだわりたい人に適しています。

ただし、鉄フライパンは油ならしや油返しなどの手入れを怠ると、すぐに焦げ付きやすくなるのが欠点です。それらの手間をやめずに続けられる人なら、一生ものとして長く愛用し続けられるでしょう。さらに、鉄フライパンは重い物では2kg近くになる場合もあります。その重さが気にならない人にも向いています。

鉄フライパンの使用が向いている人
・料理を作るのが好きな人
・手入れが手間だと感じない人
・愛着の持てる一生ものの道具を使いたい人
・重さが気にならない人

ひと口に鉄フライパンといっても、サイズや重さ、厚み、ハンドルの素材などによって使い勝手は大きく変わります。また、普段どんな料理を作るのか、家族の人数や調理の頻度によっても選び方は異なります。購入を検討する際は、鉄フライパンをやめずに使い続けて良かったと思えるよう、慎重に見極めることが大切です。 鉄フライパンを選ぶときのポイントを紹介しましょう。

鉄フライパンは、他の素材の物と比べるとかなりの重さがあります。重い物だと2kg近くになる場合もありますが、持ち上げの負担を考えると、1kg前後を目安に選ぶと安心です。

最近では1kg未満の軽めの鉄フライパンも販売されています。今まで軽いフライパンを使っていた人や力の弱い高齢者などは、重い鉄フライパンはやめて、こうした軽めの物を選ぶと楽に扱えます。

基本的に鉄フライパンはIHと直火の両方に対応します。しかし、鉄の加工方法によっては、直火専用の物もあるので注意しましょう。

また、鉄フライパンの多くは、IHや直火に加えて、オーブンや炭火にも対応しています。ただし、あまり強い火にかけると、取っ手部分が破損する物があるので、取り扱い説明書などをよく確認しましょう。作ってみたい料理に合わせて、使える熱源を確かめることも大切です。

鉄フライパンを使ってみたいけれど、どの商品を選べばよいのかわからないという人も多いでしょう。初心者でも使いやすい鉄フライパンを７点紹介します。

アルミニウム製のフライパンは鉄やステンレスに比べて非常に軽く、片手でも扱いやすいのが特徴です。熱伝導率が高いため、フライパンがすぐに温まり、短時間で食材に火を通せます。その半面、食材がすぐに焼けて固まってしまうため、焦げ付きやすくなるというデメリットもあります。

また、アルミフライパンも鉄フライパン同様に手入れが重要です。初めて使用する際には、水と野菜くずを入れて沸騰させる慣らし作業を行います。使用するたびに油をなじませるといった手間もかかりますが、きちんと手入れをすれば長く愛用できるでしょう。

セラミック加工のフライパンは、鉄フライパンに比べて熱伝導率が高く、すぐに温まるため短時間で調理ができます。さらに洗浄性にも優れており、軽く洗うだけで汚れが落ちます。鉄フライパンのように丁寧な手入れをしなくても良い点は、大きなメリットです。

ただし、強火での調理には向いておらず、無理に高火力で使うとコーティング加工が劣化してしまいます。炒め物や焼き物など火力を生かした料理を作る場合は、セラミック加工のフライパンはやめて、別の素材の物を選ぶほうが安心です。

フッ素樹脂加工のフライパンは表面にコーティングがされているため、なめらかで、食材もくっつきません。焦げ付きにくく、汚れも落としやすいのが特徴です。しかし同時に油も弾いてしまうので、鉄フライパンのように油が馴染んで均一に広がることはなく、焼きムラが出やすいという欠点もあります。

さらに、長く使ううちにコーティング加工が劣化しこびりつきやすくなってしまいます。鉄フライパンのように一生ものとして使い続けるのは難しい素材ですが、短期間で買い替えたい人に向いているフライパンです。

「鉄フライパンを使うのはやめたほうがいいのだろうか」と悩む人は、鉄フライパンに対して多くの疑問があることでしょう。よくある鉄フライパンに関する質問と、その回答をQ&A方式で紹介します。