ガスコンロの魚焼きグリルはキッチンの中でも掃除が面倒で、使うのを避けている人もいるかもしれません。魚焼きグリルは時間をかけずに食材に火を通し、余分な脂を落としてくれるため、ヘルシーな料理に仕上がります。便利な魚焼きグリルを使って美味しい焼き方を実現できるよう、正しい使い方やコツを紹介します。

アジやサバなどの切り身はドリップが出やすいため、あらかじめペーパータオルなどで拭き取っておきます。軽く塩を振ると、臭みも和らぐでしょう。魚焼きグリルが水なしの場合、焼く前に油や酢を網に塗り強火で5分程予熱しておくと、グリルの網に魚がくっつくのを防げます。水ありの場合は水の量を確認し、こぼさないよう注意しながら受け皿に張りましょう。

下準備
・切り身はペーパータオルで水気を拭き取る
・塩を振って臭みを防止
・水なしの場合網に油や酢を塗っておく
・約5分予熱する
・水ありの場合あらかじめ水を張る

両面の魚焼きグリルはひっくり返す手間がなく、楽に調理できます。強火で一気に焼くのがコツですが、上・下・横の火加減をそれぞれ調節できるタイプであれば、途中で調節すると魚がくっつくのを防げます。魚の開きや切り身の場合は、皮目を上にして焼くと、焼きあがったときにパリパリとした食感を楽しめるでしょう。干物の場合、最後に弱火で2〜3分焼くのがポイントです。

両面焼きグリルでの焼き方
・切り身や干物は皮目を上にする
・1尾の場合は頭を奥に向ける
・強火で一気に焼く
・ひっくり返さない
・干物は強火の後、弱火で加熱する

片面の魚焼きグリルを使う際は、両面焼きとは逆で、皮目を下にして焼き始めます。また、1尾丸ごとの場合は、仕上がりがきれいになるよう裏面から焼くのがポイントです。ひっくり返すタイミングは片面が6割程度焼けたときを目安にし、何度も裏返さないようにしましょう。何度もひっくり返すと魚の身がほぐれて見た目が悪くなるだけでなく、身が庫内に散らばって掃除の手間が増える原因にもなります。

片面焼きグリルでの焼き方
・切り身や干物は皮目を下にする
・1尾の場合は頭を奥にし裏面を先に焼く
・6割ぐらい焼けたらひっくり返す
・何度もひっくり返さない

魚焼きグリルを使って料理をする際は、おいしく仕上げる焼き方のコツだけでなく、面倒な掃除を少しでも楽にするための工夫も必要です。排気口から出てくる煙の対策をしたり、油汚れを最小限に抑えたりすることで、使い勝手が良くなります。便利な魚焼きグリルを上手に使うためのポイントを5つ紹介します。

魚焼きグリルの使い方
・アルミホイルを使う場合は注意点を守る
・網なしの場合はプレートなどを使う
・換気扇を回す
・毎回掃除をする
・汚さない工夫をする

メーカーによっては、網ではなくプレートタイプも販売されています。庫内の底や側面がフラットになっているため掃除がしやすく、清潔に保てるのが特徴です。プレート自体も多重構造で食材がこびりつきにくいものが多く、余分な油をプレートの水に落とすことでヘルシーに仕上がります。

網の上に置けるタイプもあるため、使用用途やサイズをきちんと確認すると、さまざまな料理に活用できるでしょう。

魚焼きグリルで魚を焼く際は、換気扇を必ず回しましょう。特に水なしグリルで焼く場合は煙が出やすいため、キッチンの壁や天井だけでなく、部屋全体に臭いが広がる原因となります。カーテンやソファなど布製のアイテムはとくに臭いが付きやすいため注意が必要です。

臭いや煙がひどい場合は、風量を強めに設定したり、窓を開けたりして空気を循環しやすくしてください。調理が終わった後もしばらく回し続けると、徐々に臭いも消えていくでしょう。

魚焼きグリルは油や焦げ、食材のカスなどの汚れがこびりつきやすく、放置するとどんどん取りづらくなります。そのため、使い終わったら毎回掃除をすることで、手入れの負担が軽減されます。

キッチン掃除用のウェットシートも手軽に使えますが、なかなか取れない頑固な汚れにはクエン酸や重曹、セスキ炭酸ソーダなどを使いましょう。特に網は形状から見て掃除がしづらく面倒なため、洗剤を薄めた水につけ置きしたり、キッチンペーパーに洗剤を染み込ませてかぶせたりすると効果的です。

魚焼きグリルは、魚以外にもさまざまな料理に活用できる便利な調理器具です。点火してから一気に高温に達するため短時間で火が入り、焼き目をつけたい料理などに向いています。魚焼きグリルでは、魚以外にどのような料理が作れるのか紹介します。

魚以外の焼き方
・肉料理
・野菜料理
・お菓子
・ホイル焼き
・ピザ
・揚げ物の温め直し
・食パン
・ダッチグリル
・マルチグリル

魚焼きグリルで野菜を焼くと、余分な水分が抜けてほどよいほくほく食感が味わえ、香ばしい焼き目によって食欲がそそられます。野菜本来の旨味が閉じ込められるため、甘みが増して味が濃く感じられるでしょう。

ナスやピーマン、ブロッコリー、ニンジンなどが向いており、肉料理の添え物として一緒に焼くと時短にもなります。野菜に塩を振るだけでも食材の旨味が引き立ち、美味しく食べられます。

オーブンを使って作ることの多いお菓子も、魚焼きグリルで上手に作れます。クッキーは型抜きしたものを並べるだけで、ケーキはアルミホイルで型を作って流し込み、そのまま焼くだけのため簡単です。

ホットケーキは丸型のプレートに入れて焼き上げると、見本のようにきれいな形でふっくら仕上がるでしょう。他にもフルーツを使った焼き菓子や焼き芋など、さまざまなお菓子作りに活用できます。

アルミホイルは熱伝導率が高く保温性に優れているため、魚焼きグリルで包み焼きを作るのに便利です。肉や魚、野菜などをアルミホイルの上に置き、味付けをして上からアルミホイルをかぶせるだけのため、面倒な作業はありません。グリルの熱とホイル内の蒸気によって火が通りも早く短時間で美味しい料理を作れます。

なお、アルミホイルを使う際は、火に当たらないよう高さに気をつけ、いくつか並べる場合はホイル同士を離して置いてください。

てんぷらや唐揚げ、とんかつなどの揚げ物は、時間が経つと衣がふやけておいしくなくなってしまいます。オーブンで温め直しても衣は元に戻りませんが、魚焼きグリルを使えばサクサクに仕上がります。

惣菜の温め直しにも向いており、余分な脂を落としながらも揚げたてのような食感を味わえます。面倒な掃除を防ぐためにも、アルミホイルや受け皿シートを敷いてから使用してください。

食パンはトースターを使って焼くという人も多いでしょう。トースターは便利な調理器具ですが、場所を取り、網の隙間から落ちたパンくずや揚げ物のカスなどの掃除も手間です。魚焼きグリルであればプレートを使用することでパンくずを最小限に抑えられ、受け皿に落ちたとしても網の取り外しが簡単なため掃除の負担を減らせます。

ダッチグリルとは鉄製の蓋つき鍋のことで、焼くだけでなく煮る、蒸すといった調理を短時間でできる便利な調理器具です。ゆっくり火を通している間に素材の旨味が閉じ込められ、波型の底面や内網によって余分な脂を落とせます。

火を止めた後も、保温性の高さによって余熱で仕上げができるため、節約につながるでしょう。グラタンや蒸し野菜、角煮、パンなどさまざまな料理が作れて便利なアイテムです。

マルチグリルは、焼き網ではなく専用プレートを使って調理します。プレートにはフラット、波型、蓋つきの3タイプがあり、茶碗蒸しやとんかつ、パンなどさまざまな料理に合わせて使い分けできるのが特徴です。

機種によっては便利なオートメニューが付いており、火加減も自動で調節してくれるため、失敗するリスクがありません。使い終わったらプレートを取り外して洗うだけで、面倒な掃除をせずに済みます。

魚焼きグリルは魚や肉料理だけでなく、お菓子やパンなどさまざまな調理で活躍する調理器具です。備え付けの焼き網の他にも、便利で手入れがしやすいアイテムもあります。