アパートやワンルームマンションなど賃貸物件で部屋もあまり広くないという場合、室内に洗濯物を干したいのに干す場所がないという悩みを抱えることがあります。しかし、洗濯は生活に欠かせません。干し場所を確保する工夫や干し方のアイデアなどを紹介しましょう。時間をかけずに洗濯物を乾かす方法や、嫌なニオイを防ぐ方法も取り上げますので、参考にしてください。

賃貸物件はベランダが狭かったり、そもそも外干しが禁止されていたりする場合があります。特に一人暮らしのワンルームでは、部屋干しのスペースをどう確保するか、頭を悩ませている人は多いでしょう。
そんなときは、次のような場所に洗濯物を干してみてはどうでしょうか。

・リビング｜来客がないときにおすすめ
・浴室｜浴室乾燥機がある場合におすすめ
・寝室｜加湿器の代わりに
・洗濯機の上｜ランドリーラックを使用

衣類の素材やボリュームによって差はありますが、浴室乾燥機を使用すれば部屋干しよりも早く、洗濯物をしっかりと乾かせます。洗濯物を掛けるポールが設置されていればそのまま使用できますし、備え付けがない場合は突っ張り棒などを設置して干す場所を作ると良いでしょう。

ただ、洗濯物のために毎日乾燥モードを使用すると電気代が高くなる可能性があります。電気代が高くなり過ぎないよう、計画的に使用しましょう。

室内干しをすると室内の湿度が上がるので、乾燥しやすい冬場は加湿器の代わりになります。電気を使わずに湿度を保てるので、電気代も節約できます。特に暖房で空気が乾燥しがちな季節には、一石二鳥の効果が期待できるでしょう。

ただし、寝室で洗濯物を干すと湿気が寝具にこもる可能性があります。朝になったら窓を開けて換気をしたり、サーキュレーターを回して空気を入れ替えたりするなど湿気対策も合わせて行いましょう。

洗濯物を干すスペースが限られている狭い賃貸住宅では、安易に干す場所を選んでしまいがちです。しかし、干し方を間違えるとカビや湿気トラブルにつながる場合があります。

具体的に挙げると、次のような場所は洗濯物の干し場所としてはNGです。干す際には気を付けましょう。

・カーテンレール
・直射日光が当たる場所
・通気性の悪い場所

カーテンレールを物干し代わりにするのは、一見便利そうに見えますが、あまり良くありません。カーテンレールはカーテンを吊るすための物であり、洗濯物の重さに耐えられる設計にはなっていません。特にアルミ製、スチール製の細いレールは長期間の荷重により、レールが歪み破損する恐れがあります。

賃貸物件だと、こうした破損が退去時の修繕費用の対象になる可能性があり、注意が必要です。また、カーテンレールに洗濯物を干すと、干している衣類にカーテンが押しやられて窓ガラスと接触します。この状態が続くと、カーテンが窓の結露で湿り、カビが発生したり変色したりと気付かないうちに劣化してしまいます。

直射日光に含まれる紫外線が衣類に長時間当たると、色あせや生地の劣化を起こす原因になります。特に鮮やかな色の衣類やシルク、ニット、ウールなどの素材は紫外線の影響を受けやすいのが特徴です。直射日光は衣類を素早く乾かす一方、乾燥し過ぎて繊維が固くなり、肌触りが悪くなることもあります。

紫外線による衣服のダメージを軽減するには、洗濯物を裏返して干すと良いでしょう。洗濯物が多く裏返すのが手間に感じられるのであれば、カーテン越しに光が差し込む窓際に干すと、直射日光を避けられます。カーテン越しの光は直射日光よりも柔らかいため、衣類を優しく乾かし、紫外線による影響を抑えられます。

室内の動線の邪魔にならないようにと、壁際や部屋の隅なども洗濯物を干す人もいますが、これはよくありません。通気性が悪く、乾きも遅くなります。通気性が悪いと、湿気がこもって雑菌やカビが繁殖しやすくなり、生乾き臭の原因にもなるため注意が必要です。さらに、湿気が逃げにくい場所では、衣類だけでなく周囲の壁や家具にもカビが発生する恐れがあります。

洗濯物を清潔に保つはずが、逆に不衛生な環境になってしまっては元も子もありません。洗濯物を干すときは、できるだけ風の通り道を確保し、空気が循環しやすい場所を選びましょう。

賃貸暮らしで洗濯物を干すスペースが限られている場合、なかなか洗濯物が乾かないことがあります。忙しい平日や天気の悪い日など、できるだけ早く洗濯物を乾かしたいときは、次のような方法を試してみましょう。

・干し方を工夫する
・サーキュレーターで風を当てる
・エアコンの除湿モードか暖房を活用
・洗濯物の間隔を広げて干す
・服を裏返して干す
・タオルはずらして干す

ただ並べて干すのではなく、風の通り道を意識して干すだけで乾くスピードは大きく変わります。裏返しにしたり、生地の厚さに応じて干す場所を変えたりといった工夫も効果的です。

タオルを干すときは、真ん中から二つ折にするようにハンガーや物干し竿に掛ける人が多いと思いますが、前後にずらして重なる部分が減るように干すと早く乾きます。

また、ピンチハンガーを使って干すときは、厚手のものを外側に、薄手のものを内側にすると風が通りやすくなって、乾燥ムラを防げます。こうしたちょっとしたテクニックやコツを覚えておくと素早く乾かせて便利です。

洗濯物のそばにサーキュレーターを置いて、風を当てると湿った空気が循環して乾きが早くなります。首振り機能があれば、さらに良く、風通しの悪い室内や湿気の多い梅雨時には、特に効果が実感できるでしょう。
ただし、風が強すぎると洗濯物が揺れて片寄ったり、ハンガーから落ちたりします。風量は適度な強さに調整しましょう。

エアコンの設定によっても洗濯物の乾き方に差が出ます。湿度が高い梅雨の時期には除湿モード、寒い季節には暖房モードで室内を乾燥しやすい環境にしましょう。部屋干しは空気の流れと湿度のコントロールが大切です。エアコンにサーキュレーターや扇風機を組み合わせて使うと、よりスピーディーに乾きます。エアコンとサーキュレーターの間に洗濯物を干し、衣類の両側に風が当たるように調整しましょう。

衣類同士が密着していると風通しが悪くなり、湿気がこもって乾きが遅くなる原因になります。効率よく乾かすには、洗濯物の間にこぶし1個分ほどのスペースを空けて干すのが理想です。洗濯物の間隔を意識するだけで空気の流れが良くなり、早く乾きます。素早く乾くので生乾きの臭いも防げるというメリットもあります。

間隔を広げると１回に干せる量が限られるので、洗濯物の数が多い日は2回に分けて干すなどの工夫が必要でしょう。

ポケットや縫い目まわりなど布が重なっている場所は湿気がこもりやすく、普通に干すと乾きムラが起こりがちです。こうした衣服は、裏返しにして干せば、風が内側まで届きやすくなり、素早く乾きます。衣類を裏返すのは少し手間ですが、その分早く乾くので、乾きムラや生乾き臭も防げます。

タオルは、ハンガーに真ん中から半分に折って掛けるのではなく片側を長く垂らす「ずらし干し」にすると、重なる部分が減るため、時短で乾かせます。特に厚手のバスタオルやフェイスタオルは乾きにくいので、均等に揃えない「ずらし干し」をすると、効果を実感できるでしょう。

閉め切った室内など、風通しが悪いところに洗濯物を干すと、湿気や臭いがこもりがちです。賃貸で洗濯物を干す場所がない場合は、次のような臭い対策を試してみましょう。

・残り湯を「すすぎ」に使わない
・部屋干し専用洗剤を使用する
・洗濯後すぐに干す
・一度に大量に洗濯しない

節水のため、お風呂の残り湯を洗濯に利用する人も多いでしょう。しかし、入浴後のお湯には皮脂や汚れが多く含まれ、時間が経つほど雑菌が繁殖します。このような水をすすぎに使うと、せっかく洗った衣類に雑菌が付着し、洗濯物に嫌な臭いが残る原因になります。

洗濯に残り湯を使用する場合は洗いの工程までに留め、すすぎには必ず清潔な水道水を使いましょう。ただ、入浴から長時間経つとお湯に雑菌が大量に繁殖します。できるだけ早めに、お湯が温かいうちに使いましょう。お湯の温度が高ければ、それだけ汚れも落ちやすくなります。

洗濯物の生乾きの臭いは、雑菌によるものです。特に空気の流れが悪い場所や、梅雨時、冬など乾きにくい時期は、雑菌が増殖しやすく、臭いが出やすくなります。原因となる菌の繁殖を抑えるには、除菌や抗菌効果のある部屋干し専用洗剤を使うのも一つの方法です。

これらの洗剤は通常の洗剤よりも強力な抗菌成分が配合され、洗濯時に繊維の奥に潜む菌をしっかり除去します。また、菌の再繁殖を抑える働きもあるので、干している間に臭いが発生しにくくなります。製品の中には乾いた後も抗菌効果が続くタイプもあります。

洗濯後すぐに干さずに洗濯機の中に放置していると、湿気によって雑菌が繁殖しやすくなり、嫌な臭いが発生します。臭い防止のためにも、洗濯が終わったらできるだけ早く取り出し、風通しの良い場所に干すことが大切です。タイマー機能を使い、干すのに都合が良いタイミングで洗濯が終わるように調整すると良いでしょう。

洗濯物の量が多いときは、無理をして詰め込まずに洗濯回数を増やしましょう。洗濯機に洗濯物を入れすぎると水流がうまく回らず、汚れが落ちにくくなるだけでなく、洗濯後に雑菌が残りやすくなります。

また、洗濯物の量が多いと干すときに衣類が密集して風通しが悪くなるため、乾きが遅くなり臭いが発生します。湿度管理のためにも、一度に洗う洗濯物の量は多すぎないようにし、洗濯機の容量の8割までを目安にしましょう。

室内に洗濯物を干す場所がほとんどない賃貸の部屋でもデッドスペースをうまく使えば干す場所を上手に確保できるかもしれません。意外と使える、ドアを生かした洗濯物の干し方のアイデアを紹介します。

ドアの上部に取り付けるドアフックハンガーは、工事不要で使える便利なアイテムです。フックにハンガーをかけて衣類を干せば、賃貸のように限られた空間でも効率よく洗濯物を干せます。商品によってフックの数も異なるので、ドアの大きさや洗濯物の量も考えて選びましょう。
バスタオルやシャツなど、比較的軽めの洗濯物の一時干しに適しています。フックの耐荷重を確認し、掛け過ぎには注意しましょう。

靴下やハンカチなどの小物は、ハンガーをドアノブに引っ掛けるだけで十分に干せます。場所を取らずに干せるので、部屋干しの補助的なスペースとして最適です。ドアの開閉で洗濯物が落ちたり挟まったりしないよう、あまり使わないドアを選んで干しましょう。

和室や一部の洋室にある鴨居は、工夫次第で洗濯物を干す便利なスペースになります。壁に穴を開けずに済むので、賃貸でも問題ありません。鴨居を、洗濯物を干すスペースにするアイデアを紹介しましょう。

鴨居フックは鴨居に取り付けると、衣服などを掛けられる便利なグッズです。鴨居の出っ張りを上下で挟むだけなので賃貸でも壁に傷をつけずに使えます。鴨居のほかにもドア枠や窓枠、棚板などにも取り付けられます。鴨居フックに物干しハンガーを掛けるだけで、洗濯物を干せます。鴨居フックは100円ショップでも入手が可能です。

鴨居フックを2個取り付け、そこにつっぱり棒を通すと簡単に物干しスペースを作れます。

もし1m以上の長さの突っ張り棒を設置する場合は、鴨居フックは3個以上必要です。フックを増やすと突っ張り棒が支えられるので、多くの洗濯物を干しても安定します。

壁に取り付けるだけで、室内のスペースを圧迫せずに洗濯物を干せるグッズもあります。賃貸でも使える取り付けが簡単な商品も多く、手軽に衣類を乾かす場所を確保できます。壁を使って洗濯物を干すアイデアや便利なグッズを紹介しましょう。

賃貸住宅は洗濯物を干す場所が限られていますが、天井に取り付けられる便利なアイテムを使えば、洗濯物を干すスペースが増えるかもしれません。天井を使った洗濯物を干すアイデアや便利なグッズを紹介します。

昇降式の天井物干しを取り付けると洗濯物を高い場所に干せるので、空間のデッドスペースを効率的に使えます。使わないとき収納しておけば、室内の雰囲気も損ないません。高い場所に干せるので、小さな子供がいても手が届かず、いたずらされる心配もないでしょう。

賃貸住宅で洗濯物を干すスペースを確保するには、便利なグッズも活用しましょう。限られたスペースでも効率的に洗濯物を干すのに役立つ商品を5つ紹介します。